公益財団法人、冷泉家時雨亭文庫(所在地:京都市)は4月18日、鎌倉時代初頭の歌人、藤原定家(1162〜1241年)の直筆の古今和歌集の注釈書「顕注密勘(けんちゅうみっかん)」が見つかったと発表した。
顕注密勘は平安時代末期の僧、顕昭による古今和歌集の注釈書だが、今回見つかったのは定家が自説の注釈を加えた書。これまで写本は確認されていたが、直筆本の発見は初めて。この直筆本は古今和歌集の解釈を伝える「古今伝授」で、冷泉家が使う文書を入れた木箱の中にあった。
冷泉家は定家の孫を祖とし、国宝や重要文化財を含む数万点の文書を所蔵している。
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国際地質学会「人新世」案を否決 15年間の議論に幕
国際学会「国際地質科学連合(IUGS)」の小委員会が、20世紀半ばからの地質時代を人類活動が地球環境に大きな影響を及ぼす「人新世(じんしんせい)」とする案を反対多数で否決したことが分かった。これにより、”人新世”是か非か、15年間におよぶ議論に幕が下りた。
人新世の案は、2023年IUGSの下部組織の作業部会が提案した。世界人口の爆発的な増加に伴い、人類活動の影響が大きくなった1950年ごろを人新世の開始時期にすべきだとした。ただ、人新世について「人類活動が地球環境に与える影響を示す貴重な言葉」としながらも、地質学上の時代分類である地質時代と認定することには複数の批判があった。
IUGSは声明で①農耕の開始や産業革命の時期など20世紀半ばよりも前から人類活動が地球環境に影響を与えていたこと②他の地質時代に比べて期間が短すぎるとの批判が内部の専門家からあったーなどを明らかにしている。