仏像ミニ知識
1) 仏像の見方
3「明王」の特徴
 大乗仏教が広まる過程で、仏教と古代インドのヒンドゥー教と関係しながら、そこから密教が成立すると、古代インド宗教の神々が仏教の中で「明王」として生まれ変わった。すなわち、密教の尊像である大日如来が、いかにしても衆生を教化できない際に、大日如来の使者として、仏敵を追い払い、衆生を帰依させる役割を果たす。そのため、手には悪鬼を懲らしめて、煩悩を断ち切るための宝剣や弓矢などの武器を持つ。バックにしているのは、燃え上がる炎をかたどった火焔光背だ。そして、怒りに満ちた恐ろしい忿怒(ふんぬ)の形相でにらみつけ、ごつごつした台座に座る。

 明王の代表は「お不動さま」として広く信仰を集めている不動明王だ。右手に剣、左手に羂索(けんじゃく)と呼ばれる繩を持ち、火焔形の光背を背負う。このほか、煩悩を打ち砕く金剛夜叉明王、明王の中でも最も激しい忿怒相で、あらゆる敵を退散させ国家の安泰を守る大元帥明王や、大威徳(だいいとく)明王、軍荼利(ぐんだり)明王、降三世(ごうざんぜ)明王、愛欲という煩悩を浄化させ菩提心に変える真っ赤な姿をした愛染明王、恐怖や苦しみを取り除き安泰をもたらす女性の孔雀明王、烏枢沙摩(うすさま)明王などが主な明王像として挙げられる。
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