熊本城跡・敷地で「甲子年」銘文入り鉄刀出土

熊本市と熊本大学は、熊本城跡(所在地:熊本市中央区)の敷地から2022年4月出土した鉄刀を分析した結果、「甲子年」を含む6文字の象眼の銘文が見つかったと発表した。鉄刀は全長約55cm。6文字は「甲子年五□□」で、最後の2文字は「月中」とみられる。
古墳時代の横穴群付近で発見されたことや、鉄刀の装飾などの特徴から甲子年は西暦604年に製作したことを示す可能性が高いと判断されるとしている。銘文が入った古墳時代の刀剣は、これまでに埼玉、千葉、島根など7県7例が確認されている。

異例の剣と鏡出土の奈良・富雄丸山古墳にファン集結

前例のない盾形の銅鏡と蛇行剣が出土した、日本最大の円墳・富雄丸山古墳(所在地:奈良市、4世紀後半、直径109m)で1月28、29日、発掘現場が一般公開された。
蛇行剣と銅鏡は公開されなかったが、出土した場所に剣の模造品が置かれており、詰めかけた約1,400人の考古学ファンがじっくり見入っていた。ファンらは「古墳は想像以上の大きさ」とか「誰の墓だったのか気になる」などと被葬者に想いを馳せていた。
出土した剣と鏡は奈良県立橿原考古学研究所(所在地:奈良県橿原市)で保存処理中で、将来的には一般公開を検討している。

奈良「若草山焼き」3年ぶり通常開催 雪で広がらず

奈良市の若草山(標高342m)で1月28日、早春を告げる伝統行事「若草山焼き」が開催された。2021、2022年と新型コロナウイルス禍で山周辺の観覧者制限などがあり、今回は3年ぶりの通常開催となった。制限撤廃を待ちわびたかのように、約17万人が詰めかけた。
山焼きに先立ち約600発の花火が打ち上げられ、古都の夜空を彩った。ホラ貝とラッパの合図で消防団員らによって山肌に一斉に点火された。ところが、一斉に燃え広がるかと思いきや、今年は最強クラスの寒波襲に伴う雪の影響で、例年通りには燃え広がらず、燃えた範囲は全体の10分の1程度に留まった。

奈良・富雄丸山古墳から国内最高傑作の鏡と剣 出土

奈良市教育委員会と奈良県立橿原考古学研究所は1月25日、奈良市の日本最大の円墳、富雄丸山古墳(4世紀後半、直径109m)の造り出し部の粘土槨(ねんどかく、埋葬施設)から、前例のない盾形銅鏡と蛇行剣が見つかったと発表した。
盾形銅鏡は長さ約64cm、幅約31cm、蛇のように曲がった蛇行剣は長さ約2.3m、幅約60cm。いずれも国内で出土した青銅鏡、蛇行剣の中で最大。
橿原考古学研究所では「古墳時代の技術が想像以上だったことを示しており、同時代における金工品の最高傑作」としている。鏡は盾形で出土例がなく、「鏡、剣ともに古墳研究史上の画期的な発見」という。

岐阜・白川郷の合掌造り集落がライトアップ 開始

世界文化遺産に登録されている岐阜県白川村の白川郷で1月15日、合掌造り集落のライトアップが始まった。交通渋滞対策のため、集落の観光は予約制。眼下に集落を見渡せる展望台への入場も事前予約が必要で、1日900人に制限されているが、15日は写真撮影を楽しむ観光客の姿がみられた。
ライトアップは2月19日までの日曜日の午後5時半〜7時半に実施される。2021年は中止、2022年は1日のみの実施だった。

京都・三十三間堂で新春恒例の「弓の引き初め」

京都の国宝、三十三間堂(蓮華王院、所在地:京都市東山区)で1月15日、新春恒例の「弓の引き初め」が行われた。今年20歳になる振り袖に袴(はかま)姿の女性およそ50人が、年始めの夢や”想い”を胸に秘めて、屋外の射場で60m先にある直径1mの的に狙いを定め、次々と矢を放っていた。
弓の引き初めは、鎌倉時代から江戸時代に、弓の名人たちが腕前を競い合った「通し矢」が行われたことにちなみ、毎年この時期に弓道の全国大会が開かれている。この競技に先立ち行われているもの。

滋賀県 信長築城の「安土城天主」北側を初調査

滋賀県は新年度、織田信長が築いた安土城天主の、火災で倒壊したとされる北側を初めて発掘調査する。建築部材や金具、「しゃちほこ」などの発見が期待される。
安土城は信長が天下統一の拠点として、1576(天正4)年から3年の歳月をかけて築いたが、「本能寺の変」の後、中心部分が焼失し、その後、廃城となったため、全体が分からず”幻の城”といわれている。
滋賀県は築城450年にあたる2026年を目標に、AR(拡張現実)などの技術を使って、当時の城や城下町の姿などの復元を目指すプロジェクトを推進しており、この発掘調査もこの一環。

1位『坂の上の雲』司馬遼太郎生誕100年 ファン調査

数々の歴史小説や随筆、寄稿文などを著して、今年生誕100年となる司馬遼太郎。これにに合わせ東大阪市の司馬遼太郎記念財団がファンを対象に好きな作品を調査した。
とりわけ高い支持を集めたのが幕末、明治維新、日露戦争の激動・動乱期を時代背景とした作品群。なかでも『坂の上の雲』『竜馬がゆく』『燃えよ剣』の3作品だった。このほか、『花神』『関ケ原』『菜の花の沖』『街道をゆく』の多くのシリーズなども支持を集めた

南海トラフ地震発生後1週間 M8級連続発生確率高い

東北大学、京都大学、東京大学の研究チームは1月10日、南海トラフ沿いで巨大地震発生後、1週間以内に同規模、マグニチュード(M)8〜9級後発地震が起きる確率は約2%〜77%と、平時の約100〜3600倍に高まると英科学誌『Scientific Reports』に発表した。
研究チームは、100年超にわたる世界の地震統計データおよび過去の南海トラフ地震発生履歴を組み合わせ、南海トラフ地震が連続発生する確率を、先発地震からの経過時間ごとに算出した。

西宮神社で3年ぶり「福男選び」一番福は大学生

商売繁盛の神様「えべっさん」の総本社・西宮神社(所在地:兵庫県西宮市)で1月10日、参拝者が”一番福”を目指し境内を疾走する恒例の伝統行事「福男選び」が実施された。先頭で本殿まで約230mを駆け抜けた一番福になったのは大阪商業大学4年の植本亮太さん(22)だった。新型コロナウイルス禍で2021、2022年は中止されており、今年は3年ぶりに開催された。

古代 吉備の王 埋葬施設か 岡山・造山古墳で石発見

岡山市教育委員会が行った造山(つくりやま)古墳(所在地:岡山市)の発掘調査で、栄華を極めた古代・吉備王が眠る埋葬施設の一部とみられる石5点が見つかった。いずれも約30cm四方の板状。石棺が入る石室をさらに覆う施設の一部である可能性があるという。
今回の発掘調査は昨年10〜12月、前方後円墳のうち初めて古墳の心臓部、後円部の墳頂を対象に行われた。墳頂に造られた戦国時代の砦(とりで)の遺構を調べることが主目的だった。
造山古墳は、5世紀前半に築造された全長約350mの全国4番目の大きさを誇る前方後円墳で、岡山県と広島県東部にまたがる古代吉備の大首長の墓とされる。これまで内部構造はベールに包まれていた。今後、謎の解明や観光資源の活用に期待がかかる。

成人年齢引き下げ後,初の「成人の日」各地で式典

民法改正で2022年4月から成人年齢が18歳に引き下げられ、初めて迎える「成人の日」となる。多くの自治体は1月8、9の両日、名前を「二十の集い」「二十歳を祝う会」などとし、これまで通り20歳を対象に新たな門出を祝った。
自治体の中には「18歳」「19歳」「20歳」の3回に分けて祝いの式典を行うところや、18歳の制服姿の高校生を対象に成人の日の式典を行ったところもあった。このほか、新型コロナウイルス禍で祝いの式典が見送られた22歳を対象にした、2年遅れの「22歳の集い」などと題した式典を実施した自治体もあった。
総務省によると、改正民法施行の経過措置に伴い、今回の成人は18〜20歳が対象。18歳は112万人、19歳は113万人、20歳は117万人という。

3年ぶり「さっぽろ雪まつり」に向け準備開始

札幌市で1月7日、2月に開催される「第73回さっぽろ雪まつり」に向け、雪像制作に使う雪を郊外から中心部の会場に運び込む作業が始まった。同市中央区の大通公園で式典が開かれた。開催は3年ぶりで、使用される雪は10トントラック約1,600台分。雪まつりは2月4〜11日まで。

競技かるたクイーン3連覇 名人は2連覇 近江神宮

小倉百人一首競技かるたの日本一を決める第69期名人位と第67期クイーン位の決勝戦が1月7日、滋賀県大津市の近江神宮で開かれた。クイーン戦は京都市の教員、山添百合さん(31)が3連覇、名人戦は静岡県の会社員、川瀬将義さん(28)が2連覇した。いずれも接戦で、会場は静かな中に緊張感が漂い、別室で見守るかるたファンの人たちも思わず息を呑むシーンが続いていた。

京都・下鴨神社で新春恒例「蹴鞠初め」に歓声

京都の世界遺産、下鴨神社(所在地:京都市左京区)で1月4日、蹴まりを奉納して新年を祝う新春恒例の「蹴鞠初め」が行われた。これは朱赤、紫、青など色鮮やかな平安貴族の衣装を身に着けた保存会のメンバーが、サッカーのリフティングさながら、輪になってまりを蹴り合う。境内に設けられた”鞠庭”でメンバー8人が輪になって、「アリ」とか「ヤァ」といった独特の掛け声とともに、鹿の皮でつくられた直径およそ20cm、重さ120gほどのまりを蹴り合い、歓声が挙がっていた。

平安装束で新春恒例「かるた始め」京都・八坂神社

京都市東山区の八坂神社で1月3日、雅な平安装束・髪型に身を包んだ女性らが百人一首の手合わせを披露する新春恒例の「かるた始め式」が行われた。2021年と2022年は新型コロナウイルスの影響で中止されており、開催されるのは3年ぶり。
全日本かるた協会近畿支部の18〜29歳の女性8人が、平安装束・髪型・化粧を含め平安期の子女さながらの”かるた姫”に扮し、和歌が読みあげられると作法通り、ゆったりとした仕草で札を押さえていた。
この行事は祭神の素戔嗚尊(すさのおのみこと)が日本最古の和歌を詠んだとの伝承にちなんで始まったもの。

フィリピンに新たなキリシタン大名・高山右近像

戦国時代のキリシタン大名で、篤い信仰のために国外追放された高山右近の像が、その生涯を終えたフィリピンの首都マニラ市で新たに建てられ12月21日、披露された。
高山右近は戦国時代、高槻城主も務め、織田信長や豊臣秀吉にも仕えたが、キリスト教の信仰を、ほぼすべてのキリシタン大名が改宗した中、棄てなかったため、徳川幕府から国外追放され殉教、1615年フィリピン・マニラで亡くなった。
今回地元の団体が製作した右近像が、400年以上前から続くサンミゲル教会に建てられた。高さ1mのこの像、正面に大きな十字架を両手で抱え、力強い姿が表現されている。
マニラにはこの像の他に、横浜市と大阪・高槻市によって建てられた、敬虔なキリスト教殉教者・右近像もあり、日本とフィリピンの歴史をつなぐ架け橋として市民に親しまれている。

DMV運行1周年 12/24,25 四国南岸で記念イベント

四国南岸、徳島県海陽町と高知県の東洋町、室戸市を結んで運行する「DMV(デュアル・モード・ビークル)」が2021年12月25日、世界初の営業運転を始めて1年となる。DMVはマイクロバスを改造して道路と線路の両方を走る珍しい乗り物。運営する第三セクター、阿佐海岸鉄道が本社を置く徳島県海陽町を舞台に24、25の両日、運行開始1周年を記念したイベントを開く。
24日の前夜祭は宍喰(ししくい)駅周辺でマジックショーや駅舎のライトアップ、打ち上げ花火などが予定されている。25日は始発・終着駅の阿佐海南文化村で、同地域の観光大使を務める俳優、赤井英和夫妻によるトークショーや海南太鼓の演奏会などが企画されている。

高野山・金剛峯寺で「空海の世界展」写真・絵画・書

弘法大師・空海が拓いた高野山をテーマにした写真、絵画、書などのおよそ50点を集めた展示会「空海の世界展」が和歌山県の高野山・金剛峯寺で開かれている。17日まで。
写真家の永坂嘉光さんが撮影した「初冬の御影堂」、「樹間を行く僧列」などに足を止め見入る人や、絵画の前で足を止める人が少なくない。初冬の御影堂は、建物の周辺にうっすらと雪が降り積もった幻想的な風景を収めたもの。樹間を行く僧列は、杉木立の中を進む修行僧たちの姿を切り取ったショット。

民間初月面着陸目指す 宇宙船打ち上げ成功

宇宙ベンチャー、ispece(マイスペース、所在地:東京都)は12月11日、独自開発した月面着陸船を搭載した米スペースXのファルコン9ロケットが、米フロリダ州ケープカナベラル宇宙基地から打ち上げられたと発表した。ロケットから切り離された月面着陸船は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。月面への到着は約5カ月先で、成功すれば民間企業として世界初の快挙となる。

山形大 ドローン,AI活用し「ナスカの地上絵」168点

山形大学は12月8日、坂井正人教授の研究グループが世界遺産「ナスカの地上絵」で知られる南米のペルーのナスカ大地とナスカ市街地付近で、人間や鳥などの新たな地上絵168点を見つけたと発表した。
調査にはドローンや人工知能(AI)を活用した。現地の考古学者らとの共同調査で2019〜2020年に発見した。168点のうち約3割は人の形をした絵で、ネコ科動物やヘビも見つかった。グループはこれまでも新たな地上絵を見つけており、今回で計358点になったという。

坂口安吾 幻の「探偵小説」発見 全集未収録 短編

『堕落論』『白痴』などで知られる作家、坂口安吾(1906〜1955年)が、デビュー間もない20代半ばに執筆した「探偵小説」が見つかった。この小説は『盗まれた一萬圓(まんえん)』と題した、400字詰めの原稿用紙30枚ほどの短編。
『坂口安吾大事典』編集者の一人で、千葉大学教授(日本文学)の大原祐治さんが、都内の古書店で購入した『東京週報』の合冊本の中から発見された。戦前のタブロイド紙に発表していたが、全集などには未収録で、長らくその存在は知られていなかった。

京都・千本釈迦堂で3年ぶりに「大根だき」実施

京都市上京区の千本釈迦堂で12月7、8日、2020、2021年と新型コロナで中止されていた、無病息災を願う「大根だき」が、3年ぶりに行われた。境内には直径およそ1mの大きな釜が用意され、昆布出汁で大根と油揚げを一緒に炊き、訪れた参拝客に振る舞う伝統行事。一杯1,000円で、2日間で7,500杯ほどが用意され、振る舞われた。

アマゾン熱帯雨林 1年間で1万k㎡超が消失 火災などで

ブラジル国立宇宙研究所(INPE)は11月30日、アマゾン地域の熱帯雨林の面積が2021年8月から2022年7月までの1年間で推定1万1,568k㎡消失したと明らかにした。前年度から1割強の減少で、高水準の消失が続いている。森林火災に加え、農牧地開発のための違法伐採が響いているとしている。

民俗芸能「風流踊」ユネスコ無形文化遺産に決定

北アフリカのモロッコの首都ラバトで開かれているユネスコ(国連教育科学文化機関)の政府間委員会は11月30日、日本の民俗芸能「風流踊(ふりゅうおどり)」を無形文化遺産に登録することを決めた。この登録対象は盆踊り、念仏踊りなどお囃子に合わせて踊る伝統行事。全国の24都府県の合わせて41件をまとめたもの。

京都・南座で「顔見世興行」前に「まねき上げ」

京都・南座(所在地:京都市東山区)で11月25日、京都に年の瀬の訪れを告げる歌舞伎公演「吉例顔見世興行」を前に、出演俳優の名前を書いた看板を劇場正面前に掲げる「まねき上げ」がが行われた。看板は長さ1.8m、幅約30cmのヒノキ板。すき間を極限まで少なくし、太く丸みを帯びた「勘亭流」の書体で俳優の名が書き込まれた54枚の看板が、午前9時からスタートし、掲げられていく。公演は12月4〜25日(12日と19日は休演)。

熊本城 完全復旧は30年後 当初予定より15年遅れ

熊本市の大西一史市長は11月22日、2016年の熊本地震で被災した熊本城について、復旧完了は2052年度になるとの見通しを明らかにした。石垣の復旧方法の検討に当初の想定より時間がかかることなどが原因で、これまで発表していた計画より15年遅くなる。
なお、本丸御殿と国の重要文化財の宇土櫓(やぐら)の復旧は2032年度に完了する見通し。また、すべての重要文化財建造物と、主要区域の工事は2042年度までに終わる予定。

鳥取・青谷上寺地遺跡で弥生後期の人骨・土器出土

約1,800年前の弥生時代後期の骨を元に顔を復元した弥生人で一時話題を集めた青谷上寺地(あおやかみじち)遺跡(所在地:鳥取市青谷町)で、再び人骨の一部や土器が出土した。遺跡では遺骨が散乱して見つかったり、遺骨に殺傷痕があったり、謎は多い。鳥取県の担当者は「さらに下の地層から人骨が出てくると思う」と話している。青谷弥生人のルーツや暮らしぶり解明へ、さらなる手掛かり探索が待たれる。

京都・東福寺「五百羅漢図」14年間の修復作業終了

京都・東福寺(所在地:京都市東山区)で、14年間にわたり続けられてきた「五百羅漢図」の修復作業が終わったことを受けて11月15日、記念の法要が営まれた。
五百羅漢図は1幅が縦およそ1.7m、横およそ90cmで、羅漢と呼ばれる仏教の聖人たちが描かれた室町時代の絵画で、同寺では合わせて47幅を所蔵している。平成20(2008)年から修復作業が進められてきた。羅漢たちが修行に臨む様子や神通力を発揮する姿などが色鮮やかに描かれている。
この五百羅漢図は、2023年3月から東京国立博物館で、同年10月から京都国立博物館で一般公開される予定。

萩原朔太郎没後80年 12月から映画「天上の花」上映

詩集『月に吠える』などで知られる群馬県前橋市出身の詩人、萩原朔太郎(1886〜1942年、はぎわら・さくたろう)の没後80年を記念して、全国の文学館などで「萩原朔太郎大全2022」と題した企画展が開かれている。また、記念映画「天井の花」(片嶋一貴監督)が製作され、12月9日から全国で順次、上映される。映画は朔太郎の娘、萩原葉子の小説『天上の花ー三好達治抄ー』を映画化したもの。

京都の「六斎念仏」高台寺で奉納 民俗芸能「風流踊」

民俗芸能「風流踊」の一つで、京都市に伝わる「六斎念仏」が11月6日、京都市東山区の高台寺で奉納された。この六斎念仏は、平安時代の後期に始まったとされ、先祖の供養などのため太鼓、笛、そして鉦を打ち鳴らしながら踊るもので、ユネスコの無形文化遺産に登録される見通しとなっている。

京都・南座「顔見世興行」”まねき書き”を公開

例年12月に京都・南座(所在地:京都市東山区)で行われる師走の風物詩、歌舞伎「吉例顔見世興行」に向け、出演演者の名前を「勘亭流」という書体で看板(長さ1.8m、幅30cm)いっぱいに墨書する「まねき書き」の作業が11月7日、京都市左京区の妙伝寺で報道関係者に公開された。
勘亭流で看板いっぱいに墨書するのは、隙間がないほど大入りになるようにとの願いが込められているのだ。でき上がった看板は11月末に南座に掲げられ、師走の公演を迎える。顔見世は江戸時代から続いている恒例行事で、今年は12月4日から25日に行われる予定。

日本で最初の「大阪手形交換所」143年の歴史に幕

「大阪手形交換所」が11月2日、決済手段の電子化などに伴って業務を終了、記念の式典が行われた。同交換所は明治12(1878)年、実業家、渋沢栄一らの呼び掛けでつくられた「銀行苦楽部(くらぶ)」の「大坂交換所」が設けられたのが発祥で、企業同士の取引で代金を後払いする際に使われる約束手形を取り扱ってきた。しかし、インターネットの普及で決済手段の電子化が進み利用が減り、今回143年の歴史に幕を下ろした。
約束手形の交換業務は11月4日から、全国銀行協会が新たに設ける「電子交換所」を通じて行われることになる。

金沢・兼六園で伝統の「雪づり」始まる 冬支度

日本三名園の一つ、石川県金沢市の兼六園で11月1日、北陸に冬の訪れを告げる伝統の風物詩、雪の重みから木々を守るための冬支度「雪づり」の作業が始まった。雪づりはマツやツツジなど園内800カ所で行う。庭師や造園業者ら延べ約500人が計4トンのわら縄を使用し、12月中旬までに作業にあたる。

横浜市大 藤沢市と芥川龍之介直筆資料修復で協定

横浜市立大と神奈川県藤沢市は10月25日、藤沢市文書館が所蔵する芥川龍之介の直筆資料修復に係る協定を締結すると発表した。文化・芸術の振興を図るため、また芥川龍之介資料に関する研究の一環。
両者は2022年度中に、藤沢市文書館が所蔵している芥川龍之介資料約100点の修復を予定しており、2024年度までに修復を終える予定。

奈良・平城宮跡歴史公園で秋の「平城京天平祭」

奈良市の平城宮歴史公園で10月22〜23日、奈良時代をテーマにした「平城京天平祭」が開かれた。同天平祭は平成23(2011)年から毎年3回開かれていて、今回は秋の祭り。
会場では宮殿の整備を担当していた衛士(えじ)と呼ばれれる弓や鎧(よろい)姿の10数人の行列が練り歩いた。また、奈良時代の遊び「投壺(とうこ)」と呼ばれるつぼに矢を投げ入れる体験コーナーも設けられ、家族連れなど訪れた人たちが楽しんでいた。

和歌山・広川町で20回目「稲むらの火祭り」

江戸時代、1854年の安政南海地震の際、現在の和歌山県広川町に津波が押し寄せたとき、豪商・濱口梧陵が収穫された田んぼの稲わらに火を付けて津波の襲来を村人に知らせ、高台まで避難させたという逸話にちなんだ「稲むらの火祭り」が10月22日、広川町で行われた。同町ではこの濱口梧陵の故事を語り継ごうと2003(平成15)年から開催、今年で20回目を迎えた。
祭には中学生以上の子どもや町民ら約400人が参加。町役場前から、当時の村人が避難した高台の神社まで約2kmを、ひとり一人が手に持った松明(たいまつ)の火を掲げながら、道を照らし歩いた。

京都「時代祭」3年ぶり都大路に衣装姿の大行列

葵祭(5月)、祇園祭(7月)とともに数えられる京都三大祭の一つ「時代祭」が10月22日行われた。この祭りは明治維新を先頭に、計20ブロックの隊列が平安時代まで時代を遡る形で編成。それぞれの時代の衣装を身に着けたおよそ2,000人が京都御所から平安神宮までの約4.5kmを練り歩く「時代祭行列」が呼び物となっている。新型コロナウイルス禍で2020、2021年は中止され、3年ぶりの開催となった。
今回は、20ブロックごとの代表的な人物、坂本龍馬、織田信長、羽柴秀吉、楠木正成、皇女・和宮などが登場した。見物客らは各時代のファッションや髪型などに見入っていた。

「はやぶさ2」試料から宇宙由来のガス成分確認

宇宙航空研究開発機構(JAXA)や九州大学などの研究チームは10月21日、探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」で採取した試料に、46億年前の太陽系誕生以前のガスが含まれていたとする分析結果を発表した。小惑星由来の気体を直接確認するのは初めて。
チームは計16種類の試料を最高約1,800度まで加熱して、ガス化したヘリウムや、ネオン、アルゴンなどを調べた。これらのガスの一部は太陽系誕生以前に存在したことを示す特徴を持っていた。これらのガスを含んだダイヤモンドなどが材料となって、りゅうぐうのもとになった「母天体」を形成。その後、母天体に小天体が衝突し、生じた破片が集まってりゅうぐうができて以降もガスは残り続けたと、同チームは推定している。
ガスの分析から、りゅうぐうが比較的地球に近い今の位置に来たのは約500万年前と考えられることも初めて分かったという。

奈良公園・鹿苑で「シカの角切り」3年ぶり公開

奈良の秋の風物詩「シカの角切り」が10月8日、奈良市・奈良公園の鹿苑(ろくえん)で行われた。新型コロナウイルス禍でシカの角切りが公開されるのは3年ぶり。9、10日も公開される。
成長し長く伸びた角に縄をかけようと追い込む勢子(せこ)衆と、人の背丈ほども飛び跳ね、逃げ回るシカとの迫力あるシーンに訪れた観客から歓声が上がった。
シカは秋に発情期を迎え、気が荒くなり攻撃的になる。その際、不意に近寄る人を、成長した角で襲い、傷つけることを防ぐために、江戸時代初期から約350年続く恒例行事とされている。勢子は、角に縄を引っ掛けて押さえ付けたシカの角を、のこぎりで素早く切り落としていた。

正倉院で「開封の儀」 10/29〜11/14まで正倉院展

奈良市の正倉院で10月6日、年に1度の宝庫の扉を開ける「開封の儀」が執り行われた。12月2日まで約9,000件の宝物の点検や調査を実施する。
10月29日から11月14日まで開催の奈良国立博物館(所在地:奈良市)の「正倉院展」で、宝物の一部が公開される。
校倉造りで知られる正倉院には、奈良時代の聖武天皇ゆかりの品や、シルクロードを経て大陸から伝わった歴史的宝物が数多く保管されている。

ノーベル生理学・医学賞にスバンテ・ペーボ氏

今年のノーベル生理学・医学賞にドイツのマックス・プランク進化人類学研究所のスバンテ・ペーボ博士が選ばれた。同氏は沖縄科学技術大学院大学教授(非常勤)も兼任している。
選考理由は、3万〜4万年前に絶滅したネアンデルタール人の骨に残っていた遺伝情報を詳しく解析し、現代の人類、ホモ・サピエンスと比較。その結果、ホモ・サピエンスはネアンデルタール人のの遺伝情報の一部を受け継いでいることを突き止め、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人とで種が交わっていた可能性を明らかにし、人類の進化に関する研究で貢献した点が評価された。

福井・一乗谷「朝倉氏 遺跡博物館」10/1オープン

戦国大名、朝倉氏とその本拠地の城下町の栄枯盛衰を出土品などから体感・学習できる「一乗谷 朝倉氏遺跡博物館」(所在地:福井市)が10月1日、開館した。同施設は、福井県が2024年春の北陸新幹線敦賀延伸開業を控え、観光振興に向けて整備を進めてきたもの。
一乗谷は最盛期には1万人が居住する、地形上、”難攻不落”の大規模な町だったとされる。だが、朝倉氏が織田信長に敗れ焼き払われ、隆盛を誇った戦国時代有数の城下町は表舞台から姿を消した。
ところが、半世紀を超える遺跡の発掘調査で、戦国期の城下町遺構がそのままの姿で表れ、一帯の278haが国の特別史跡に指定されている。
同博物館では数多くの出土品などから厳選した約800点が展示される。朝倉家5代当主、義景の居館の一部を原寸大で再現している。このほか、町並みの巨大ジオラマや川湊「一乗の入江」の石敷き遺構の露出展示もある。

東北大,JAXA「りゅうぐう」試料に水を確認

東北大学や宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究チームは9月22日付の米科学誌サイエンスで、探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」から持ち帰った砂などの試料に水が含まれているのを確認したと発表した。
研究チームは大きさ1〜8ミリの砂粒17個を分析。内部構造や鉱物の組成、硬さなどを詳細に調べたところ、試料内の硫化鉄結晶に微小な穴があり、内部に水が閉じ込められているのが見つかった。成分に塩や有機物のほか、二酸化炭素(CO2)が含まれる「炭酸水」で、りゅうぐうの元となった母天体の内部で硫化鉄の結晶が形成された際に取り込まれたと分かった。
地球外で採取された試料から、常温で水が液体となる状態で見つかったのは初めてといい、地球の海の起源解明などにつながる成果と期待される。

大阪「岸和田だんじり祭」3年ぶり通常開催

大阪府岸和田市の伝統行事「岸和田だんじり祭」が9月17日、18日、岸和田・春木両地区で開催された。だんじり祭は新型コロナウイルスの影響で、2020年は終戦直後の1945年以来75年ぶりに中止され、2021年も両地区の一部町会が参加を見送り、観覧の自粛を呼び掛けつつ行われており、制限のない通常開催は3年ぶり。
3年ぶりに戻ってきた、躍動感あふれるだんじりに、あちこちから観客の掛け声が飛び交う。勢いをつけたまま街角を直角に曲がる”やりまわし”に大きな歓声が沸き起こり、威勢のいい笛・太鼓の音が街に戻った。

宝永地震津波超える巨大津波襲来の証 和歌山で確認

産業技術総合研究所などのチームが9月12日、南海トラフで史上最大とされるマグニチュード(M)8.6だった江戸時代の宝永地震(1707年)よりも巨大な津波が紀伊半島南部を襲っていたことを確かめたと発表した。
和歌山県串本町の橋杭岩周辺に散らばる巨石が津波で動いたかを分析した。発生時期は分からないが、宝永地震以前とみられ、津波は高さ4〜6m、流速は毎秒8m(時速約30km)程度だった可能性があるという。
橋杭岩から剥がれ落ちていた巨石がその後、津波で運ばれたと推定し、どれだけのパワーがあれば巨石が動くかをシミュレーションした。

ネアンデルタール人の脳 現代人より神経細胞少なかった

ドイツのマックス・プランク研究所などの研究チームは9月9日付科学誌サイエンスに、旧人「ネアンデルタール人」が絶滅した謎の解明につながる可能性がある研究成果を発表した。ポイントとしたのは、変異遺伝子と深い関わりを持つ脳の神経細胞の量の多寡。
4万〜3万年前に絶滅したネアンデルタール人の脳の体積は、現代人と同じだったと考えられている。チームは、現代人で特有の変異がある遺伝子「TKTLI」に着目。この遺伝子は高度な認知機能に関係する脳の前頭葉で働いており、ネアンデルタール人の骨に残ったDNAにはこの変異がないという。
この変異遺伝子をマウスの胎児の脳に加えたところ、神経細胞のもとになる細胞が増え、実際に神経細胞が増えた。一方、この遺伝子の変異をなくした人の細胞で、脳を模した立体組織「脳オルガノイド」を作製すると、神経細胞が少なくなることも確認できたという。
現代人の前頭葉は、ネアンデルタール人に比べ盛り上がった形をしており、神経細胞数が多かったと考えられている。チームでは「現代人との前頭葉の形の違いを遺伝子レベルで明らかにできた」としている。

約19億年前の地層から未報告の微生物化石を発見

東北大学と東京大学らの研究チームは8月29日、約19億年前(初期原生代)の微生物化石、ガンフリント微化石調査の結果、従来の報告にはない形状を持つ、コロニー型、楕円形、細胞組織内包型、有尾型、トゲ型の5つの新型の微生物化石を発見したと発表した。
これらはそれぞれコロニー形成、栄養備蓄、さらに運動性や栄養確保といった生存に有利な機能を発現させたもの。この研究により、原核生物は真核生物の化石が地層に確認され始める約18億〜16億年前より前から機能を様々に多様化させ、進化の”準備”を始めていた可能性が新たに示された。
これらの研究成果は、学術誌「Precambrian Research」に2022年8月19日、オンライン掲載された。

米NASA 新型ロケット打ち上げ延期 有人月探査計画

米航空宇宙局(NASA)は8月29日、日本初の月面着陸に挑む宇宙航空研究開発機構(JAXA)の超小型探査機「OMOTENASHI(おもてなし)」が搭載された新型ロケットSLSの同日打ち上げを延期すると発表した。エンジンに不具合が見つかったため。早ければ9月2日(現地時間)にも打ち上げられるが、機体を点検して日程を調整する。
今回の打ち上げは欧州、カナダ、日本などが参加する国際月探査アルテミス計画の一環で、SLSには有人月探査のための新型宇宙船も搭載されている。

3年ぶり”Re:start” 「なにわ淀川花火大会」開催

大阪・なにわの夏の風物詩「なにわの淀川花火大会」が8月27日夜、3年ぶりに淀川河川敷で開催された。新型コロナウイルスの影響でこの2年間、開催が見送られていた。今回は、コロナからの再出発の願いを込めて「Re:start(リスタート)」をテーマに、午後7時半からおよそ1時間にわたって、次々と花火が打ち上げられた。
会場には浴衣姿の若者や家族連れなど大勢の人たちが訪れ、3年ぶりに夏の夜空を彩る花火を楽しんだ。