京都 下鴨神社で流鏑馬神事 糺の森で人馬一体の妙技披露

京都・下鴨神社(所在地:京都市左京区)で5月3日、疾走する馬に乗って、豪快に的を射る「流鏑馬(やぶさめ)神事」が行われた。境内の、新緑に包まれ木漏れ日が降り注ぐ「糺(ただす)の森」で、約3万人の参拝者に、迫力ある人馬一体の妙技が披露された。
色鮮やかな伝統装束の射手20人が糺の森に設えられた約500mの馬場を疾走。100m間隔で並んだ約50cm四方の3つの的を狙い、次々に矢を射る。「カーン」という乾いた音とともに的が割れると、大きな歓声と拍手が起こっていた。
流鏑馬神事は京都三大祭の一つ、「葵祭」(5月15日)の平安を祈り、毎年5月3日に行われている。

奈良・東大寺で聖武天皇しのび法要, 時代衣装で練り歩く

奈良市の東大寺で5月2日、同寺を建立した聖武天皇をしのぶ行事が行われた。この行事は同天皇の命日にあたる5月2日に毎年行われているもの。
奈良時代から室町時代までの稚児や僧兵などの衣装をまとった、地元の幼稚園児や観光協会の関係者およそ250人が東大寺の大仏殿に続く約800mの境内を練り歩いた。この後、大仏殿で法要が営まれ、僧侶がお経を唱える中、参加した人たちは焼香をして聖武天皇の遺徳をしのんでいた。

京都・北野天満宮で神職が残した「源氏物語」ノート発見

学問の神様、菅原道真を祀る北野天満宮(所在地:京都市上京区)で、安土桃山時代に神職が必要とされた、古典文学の教養を身につけるため学んだ「源氏物語」のノートや、江戸時代前期のものとみられる写本が見つかった。宝物殿で特別展「天神様と源氏物語ー知られざる関係ー」で公開している。6月30日まで。拝観料は大人1,000円、中高生500円。
今回発見されたノートにあたるものは「源氏物語聞書」。作成時期は1597年とみられる。連歌師から伝授された内容を書き残していた。この中には、源氏物語の主人公・光源氏は平安貴族の源高明がモデルとされるという内容の記述もある。

奈良・談山神社で春の「けまり祭」古代の装束で”技”披露

奈良県桜井市の談山神社で4月29日、古代の色とりどりの装束を身に着けた蹴まり保存会の人たちによる「けまり祭」があった。新緑に囲まれた境内の庭で、輪になった蹴まり保存会の人たちが、鹿の皮でできたまりを蹴り合う。右足の膝を伸ばしたまま蹴り上げるのが作法とされており、「アリ」「ヤ」「オウ」など独特の掛け声とともに”技”を競っていた。
けまり祭(蹴鞠祭り)は、談山神社に祀られている藤原鎌足が蹴まりを通じて中大兄皇子(後の天智天皇)と出会い、当時、ヤマト政権のもとで並ぶもののない、隆盛を誇った豪族、蘇我氏(宗家)打倒に向け、「大化の改新」(645年)の計画を練った、という故事にちなんで毎年、春と秋に行われている。

東大寺 創建当初の東塔は68mの七重塔 国内最大級の高さ

奈良文化財研究所は4月25日、東大寺にかつて存在した東塔について調査し、解析、研究の結果を公表した。奈良時代の創建当初の塔は「相輪」と呼ばれる最上部の金属製の装飾を含めて高さがおよそ68mで、現存する木造の塔で最も高い、京都にある東寺の五重塔を13m上回る国内最大級の高さだったことが分かった。
同研究所は平成30(2018)年から東大寺などに保管されている文献、塔の土台の基壇の規模をもとに構造を解析、研究を進めてきた。その結果、今回の結論に達した。
東大寺の東塔は、西側の塔、西塔とともに奈良時代の創建当初、大仏殿の脇に東西一対で建てられていた七重塔。平安時代の焼き討ち後、鎌倉時代に再建されたが、その後、落雷で焼失した。

娘婿・信長を気にかけた義父・斎藤道三の書状見つかる

戦国武将、斎藤道三が娘・濃姫の婿、織田信長のことを気にかけ「若造で至らない点もあるが、末永く付き合ってほしい」と、近隣の領主に宛てた書状が見つかった。1552年ごろ書かれたものとみられる。道三の書状はあまり残っておらず、信長に言及していることも珍しいという。
『信長公記』には、この書状が書かれた時期は、その身なりや言動から、周囲からは”うつけもの”と評されていた信長と道三は初めて面会し、その秘めた才能を見抜いたとされている。
この書状は今月、水戸市立博物館に個人から寄託されたもの。東京大学史料編纂所の村井祐樹准教授が調査、判定した。

藤原定家の直筆 古今和歌集の注釈書見つかる 冷泉家

公益財団法人、冷泉家時雨亭文庫(所在地:京都市)は4月18日、鎌倉時代初頭の歌人、藤原定家(1162〜1241年)の直筆の古今和歌集の注釈書「顕注密勘(けんちゅうみっかん)」が見つかったと発表した。
顕注密勘は平安時代末期の僧、顕昭による古今和歌集の注釈書だが、今回見つかったのは定家が自説の注釈を加えた書。これまで写本は確認されていたが、直筆本の発見は初めて。この直筆本は古今和歌集の解釈を伝える「古今伝授」で、冷泉家が使う文書を入れた木箱の中にあった。
冷泉家は定家の孫を祖とし、国宝や重要文化財を含む数万点の文書を所蔵している。

浄土宗 開宗850年 東京国立博物館で4/16から特別展開始 

法然上人によって浄土宗が開かれてから、今年で850年になるのに合わせ東京・上野の東京国立博物館で4月16日からゆかりの国宝などを集めた特別展が開かれている。6月9日まで。
同展には国宝の「二十五菩薩来迎図」や同じく国宝の「綴織當麻曼荼羅」はじめ、仏像なども含め120点余りの文化財が展示されている。
浄土宗は内乱や災害に見舞われた平安時代末期、法然が”南無阿弥陀仏”と唱えるだけで誰もが等しく救われ、極楽浄土に往生できると説き、開いた。その分かりやすさから民衆の間に広まった。

国際地質学会「人新世」案を否決 15年間の議論に幕

国際学会「国際地質科学連合(IUGS)」の小委員会が、20世紀半ばからの地質時代を人類活動が地球環境に大きな影響を及ぼす「人新世(じんしんせい)」とする案を反対多数で否決したことが分かった。これにより、”人新世”是か非か、15年間におよぶ議論に幕が下りた。
人新世の案は、2023年IUGSの下部組織の作業部会が提案した。世界人口の爆発的な増加に伴い、人類活動の影響が大きくなった1950年ごろを人新世の開始時期にすべきだとした。ただ、人新世について「人類活動が地球環境に与える影響を示す貴重な言葉」としながらも、地質学上の時代分類である地質時代と認定することには複数の批判があった。
IUGSは声明で①農耕の開始や産業革命の時期など20世紀半ばよりも前から人類活動が地球環境に影響を与えていたこと②他の地質時代に比べて期間が短すぎるとの批判が内部の専門家からあったーなどを明らかにしている。

岩手・大船渡市で4億年前の植物の化石発見 静岡大など

静岡大学などのチームは、岩手県大船渡市の約3.9億〜4.1億年前の「前期デボン紀」の海の地層から植物の胞子の化石を見つけた。大きさは数十マイクロ(100万分の1)ナノメートルの胞子を15種見つけた。これまで最古だった約3.6億〜3.8億年前から1,000万年前以上遡る。過去に発見された胞子の化石を参考に分類し、どれも低い草の胞子だとしている。前期デボン紀は植物が大幅に多様化した時代で、地層のできた海に近い陸に草原が広がっていたと考えられるという。

福井恐竜博物館 23年度入館者数84万人でコロナ前比14%増

福井県立恐竜博物館(所在地:福井県勝山市)は、2023年度の年間入場者数が84万人に上り、コロナ禍前の2018年度比で14%増となったと発表した。改装オープン後の2023年7月14日から2024年3月31日までを2023年度とし、2018年度の同期間と比較した。
繁忙期以外でも来館者が多かったことに加え、3月16日に北陸新幹線が敦賀まで延伸開業したことで、同館へのアクセスが向上、沿線地域からの顧客が増えたという。改装に伴い、常設で展示する恐竜の全身骨格を50体に増やしたほか、新館の増設で延床面積を1.5倍に増やし施設を充実したことが奏功したとみられる。

東大 鋭利な刺突具で突かれた縄文人の頭骨を発見

東京大学大学院研究グループは4月4日、1920年に岡山県で発掘された縄文人の頭骨に鋭利な刺突具で破壊的に孔をあけられた痕跡があることを発見したと発表した。この頭骨は縄文時代前期(約6,000年前)の成人女性のもので、額にある孔を肉眼観察とCTスキャンを用いて法医人類学的基準で診断したところ、利器の刺突(現代であれば銃撃を含む)によってできる典型的な形状を示していることが分かった。
この頭骨は岡山県倉敷市に所在する6,200〜5,200年前ごろ(縄文時代時代前期)の羽島貝塚から1920年に発掘、出土した。

月探査機「SLIM」再び休眠 4月下旬に再稼働めざす

JAXA(宇宙航空研究開発機構)は4月1日、月面着陸している無人探査機「SLIM(スリム)」が3月30日未明に再び休眠状態に入ったとことを明らかにした。SLIMは2度目の月の夜を乗り越え、センサー類などの機能は失われつつある。月の過酷な環境に機体がどこまで耐えられるか調べるため、再び発電が見込める4月下旬に再稼働を試みる。月は2週間ごとに昼と夜が入れ替わる。昼の温度はセ氏110度、夜はマイナス170度にもなる。

棟方志功記念館 49年の歴史に幕 作品は青森県立美術館へ

青森市の棟方志功記念館が3月31日、来館者減少を理由に閉館し、49年の歴史に幕を下ろした。同記念館は世界的に知られる棟方志功の裸婦や菩薩の板画や油絵など約2,000作品を所蔵。棟方が亡くなった1975年に開館し、ピークの2003年度には約6万7,000人が来館したが、新型コロナウイルス禍の影響も加わり、2021年度は約6,400人まで落ち込んでいた。閉館により、棟方の作品は青森県立美術館に移され、7月から展示される予定。

月面探査機SLIM 極寒の夜を克服 2度目の再起動に成功

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3月28日、日本初の月面着陸に成功した無人探査機「SLIM(スリム)」が再起動したことを明らかにした。27日夜、太陽電池で発電するスリムとの通信を確立し、着陸時に使ったカメラで周囲を撮影した。
月は2週間に1度、昼夜が入れ替わるため、昼の温度はセ氏110度、夜はマイナス170度にさらされる。夜の低温を耐えられない設計にしていたが、幸運にも2度も克服したことになる。JAXAではどこまで機体が機能できるか確認することで、今後の月探査機の開発に役立つとみている。

滋賀・大津市 坂本城跡の遺構 国の史跡指定めざし覚書

滋賀県大津市は3月21日、坂本城跡で新たに見つかった、戦国武将、明智光秀が築いた坂本城の三の丸の石垣や堀などの遺構について、国の史跡指定めざし、土地を所有する不動産会社と覚書を締結した。覚書では遺構の史跡指定に向けて①不動産会社は保存作業などのために、石垣などが見つかった土地を市が利用すること認める②史跡指定が決まった際には、市への土地売却について双方で競技することーなどが盛り込まれている。

西郷隆盛 直筆の書簡 滋賀県で確認 日本近代史の一級史料

滋賀県は3月22日、市民から寄せられた文化財に西郷隆盛直筆の書簡が含まれていたことが分かったと明らかにした。専門家の調査で確認された。書簡は長さ4.7m余りで、西南戦争が起きる5年前の明治5年、西郷が盟友、大久保利通に宛てて書いたもの。滋賀県の担当者は、当時の国内の政治情勢などを伝える貴重な、一級の資料だとしている。
大久保は当時、明治政府が欧米に派遣した岩倉具視を団長とする使節団の一員として米国に滞在中で、日本国内では西日本を中心に急激な改革に不満を抱く士族の動向が憂慮されていた。

葛飾北斎『富嶽三十六景』全46作品 5億4,000万円で落札

江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎の代表作として知られる版画『富嶽三十六景』が3月19日、米国・ニューヨークで開かれたオークションにかけられ、「神奈川沖浪裏」など全46作品が総額355万9,000ドル(5億4,000万円)で落札された。落札者は明らかにされていない。

奈良・平城京跡で聖武天皇即位時の「大嘗祭」の木簡出土

奈良文化財研究所は3月19日、奈良・平城京の一等地、「左京三条一坊ニ坪」の土坑(穴)から1,000点を超える木簡が出土し、「大嘗(だいじょう)分」と書かれた木簡3点が見つかったと発表した。大嘗と記された木簡が出土したのは初めて。これは神亀元(724)年11月23日、聖武天皇が即位した際の代替わり式「大嘗祭」関連とみられる。
木簡にはわらを編んだ苫や炭といった物資名や、差し出し元の郡名が記されていた。地域が分かる木簡の約7割が備中国(岡山県)だったが、他にも周防国(山口県)や安房国(千葉県)からの荷札もあった。「養老七年」(723年)や「神亀元年」(724年)の年号が記された木簡もあった。

兵庫・川西市の加茂遺跡で近畿で最大級の柱穴見つかる

兵庫県川西市は3月16日、近畿で弥生時代有数の大規模集落として知られる加茂遺跡(所在地:兵庫県川西市)で巨大な柱を据えた可能性がある穴(弥生中期後半、約2,000年前)が1基見つかったと発表した。穴は1辺約2mの方形と大きく、深さ約1.6m。想定される柱の直径は0.8〜1m。
専門家によると、柱は池上曽根遺跡(所在地:大阪)、唐古・鍵遺跡(所在地:奈良)などと比較しても近畿で最大級という。ただ、これが住居跡とは断定できず、物見櫓(やぐら)などの高楼施設やトーテムポールのような太い1本柱の可能性もあるとしている。周辺の詳細調査が待たれる。

奈良・富雄丸山古墳で木棺から銅鏡3枚 三角縁神獣鏡か

奈良市教育委員会は3月13日、同市の富雄丸山古墳(4世紀後半、円墳)で、送り出し部の未盗掘の割竹形木棺から銅鏡3枚が重なって見つかったと発表した。鏡はひび割れがあるが保存状態はよく、うち1枚は大和政権が配布したとされる三角縁神獣鏡の可能性が高いという。
木棺は全長約5.6m、内部を3区画に分けていた。頭側の幅70cm、足側幅64cm。市教委は「木棺の構造、造り方が分かる一級史料」としている。同古墳からはすでに、国内最大の蛇行剣と盾形銅鏡が出土している。

宇宙飛行士・古川聡さんらISSから半年ぶり地球に帰還

国際宇宙スターション(ISS)に長期滞在し、様々な実験や研究に取り組んできた古川聡さんら4人の宇宙飛行士が、米国の民間宇宙船「クルードラゴン」で日本時間3月12日午後6時50分ごろ、米国南部フロリダ州の沖合に着水、半年ぶりに地球に帰還した。
古川さんは2023年8月から半年間にわたって、ISSで新しい薬の開発につながる高品質のタンパク質の結晶を作る実験や、将来の月や火星の探査を見据えた実験など様々な研究に取り組んできた。

大津市 明智光秀築いた坂本城跡を保存 国史跡指定めざす

大津市は昨秋から進められた同市下阪本3丁目の坂本城跡発掘調査で見つかった城の「三の丸」のものとみられる石垣や堀などについて、埋め戻さずに保存する方針を明らかにした。佐藤健司市長は引き続き周辺の調査を進め、国史跡の指定を目指すとしている。
同調査は約3,000㎡の住宅予定地で、これまでに約900㎡を調査した。現地からは石垣(長さ約30m、高さ約1m)や堀の跡、建物の礎石、井戸などの遺構が見つかり、織田信長配下の戦国武将、明智光秀が築いた坂本城の遺構と推定されている。国史跡に指定されれば市内16件目で、城関連では初となる。

伊藤若冲 3.3mの巻物状の大作を新たに発見 福田美術館

京都市の福田美術館(所在地:京都市右京区)によると、江戸時代中期に京都で活躍した絵師、伊藤若冲の珍しい、色鮮やかな巻物状の大作が新たに見つかった。今回見つかったのは「果蔬図巻(かそずかん)」と名付けられた作品は、全長3.3m余の大作。
若冲の作風である鮮やかな色彩でぶどうやりんごなどの果物と、かぼちゃやとうがんなどの野菜合わせて40種類が繊細に描かれている。若冲76歳の時の作品とみられる。この作品は今年10月に福田美術館で一般公開される予定。

高野山観光「入山税」検討 高野町 オーバーツーリズムで

世界遺産、高野山がある和歌山県高野町は3月5日までに、観光客から徴収する「入山税」などを想定した法定外税を、2028年度までに導入する方針を明らかにした。増え続けるインバウンドを中心とするオーバーツーリズム(観光公害)対策に活用する考えで、税額などは今後調整を進める。
同町によると、高野山を訪れる観光客は年間約150万人に上る。これに伴う駐車場やトイレの維持管理費は年間4,000万円を超えているが、これまでは町と高野山真言宗総本山金剛峯寺が負担してきた。

和歌山・金剛峯寺で春の訪れ告げる「高野の火まつり」

和歌山県の霊場・高野山の金剛峯寺の広場で3月3日、春の訪れを告げ、山開きの合図でもある恒例の「高野の火まつり」が行われた。広場には杉や檜(ひのき)で組まれた高さ1.7m、直径およそ3mの護摩壇が設けられた。
およそ1,200人の参拝客らが儀式を見守る中、山伏姿の僧侶らがほら貝を吹き鳴らし、弓で矢を四方に放って厄除けする”宝弓の作法”が行われた後、護摩壇に火がつけられた。読経の声が響く中、参拝客らの願い事が書かれた護摩木が古い御札などとともに次々と火に投げ入れられ、訪れた参拝客らは護摩壇の周りで手を合わせ、1年の家内安全などを祈っていた。

東大寺・二月堂「修二会」の”お松明”始まる 3/14 まで

東大寺の二月堂で3月1日夜から、奈良に春の訪れを告げる伝統行事「修二会(しゅにえ)」の一環、欄干から大きなたいまつを振って火の粉を散らす”お松明”が始まった。お松明は14日まで。たいまつの火の粉を浴びると健康に過ごせるといわれ、このご利益を授かるために多くの人が訪れる。
”お水取り”の名で知られる修二会は「練行衆(れんぎょうしゅう)」と呼ばれる僧侶たちが国の安泰を願って修行する、奈良時代から続く行事で、今年1273回目となる。「童子(どうじ)」と呼ばれる練行衆の補佐役が、燃え盛るたいまつを二月堂の欄干から突き出し駆け抜けた。

京都・宇治 平等院で創建した藤原頼通しのぶ「関白忌」

京都府宇治市にある世界遺産、平等院鳳凰堂で3月2日、同寺を創建した藤原頼通をしのぶ恒例の法要「関白忌」が厳かな雰囲気の中、営まれた。今年は頼通の没後950年の「大遠忌(だいおんき)」だった。頼通は関白として権勢をを振るったことで知られる。毎年3月2日に関白忌として法要が営まれ、地元では春の訪れを告げる行事として親しまれている。

奈良・本薬師寺跡「正門」構造判明 飛鳥時代の国家寺院

奈良県橿原市は、飛鳥時代に創建された国家寺院の本薬師寺跡で、南門基壇の南東隅と基壇を取り囲む石敷きが見つかったと発表した。石敷きは基壇東側と南側にあり、幅3.3m。20〜40cm大の石が敷き詰められ、中央に雨落ち溝があった。
この結果、正門にあたる南門の構造や位置が明らかになり、同市は「藤原京以前の寺院で正門の状況が分かる例は非常に少ない。古代の寺院史研究における貴重な成果」としている。
本薬師寺跡は過去の調査で、金堂と東西塔、中門などからなる伽藍(がらん)配置が分かっている。本薬師寺は、天武天皇が皇后(後の持統天皇)の病気平癒を祈願し建立した国家寺院。平城京への遷都に伴い、現在の奈良市にある薬師寺に移ったとされる。

京都・北野天満宮で道真しのび「梅花祭」 野だて茶会も

菅原道真を祀る北野天満宮(所在地:京都市上京区)で2月25日、命日の道真をしのぶ恒例の「梅花祭」があった。あいにくの冷たい雨の中だったが、屋外で茶を楽しむ野だて茶会も開かれた。参拝客らはテントの下で梅を愛でながら芸・舞妓の振る舞うお茶を味わっていた。
同天満宮境内には約50種、約1,500本の梅があり、今年は例年に比べ開花が早く、見ごろは3月初旬ごろまでの見込み。梅花祭は900年以上の歴史があり、野だては天下人、豊臣秀吉が境内で大茶会を開いたとの故事にならったもの。

2,500年前にも能登半島に大津波 津波浸水域が酷似

新潟大災害・復興科学研究所の卜部厚志教授らの津波堆積物の調査、分析によると、震度7を記録した能登半島地震で甚大な津波災害を受けた石川県珠洲市と富山県沿岸部が、約2,500年前にも大津波に襲われていたことが分かった。今回の能登半島地震の津波浸水域とよく似ており、約2,500年前にも同様の大津波が起きていた可能性がある。堆積物は2015年に確認されたが、当時は震源域を特定できていなかった。
同教授は2014〜2015年、文部科学省の日本海地震・津波調査プロジェクトの一環として、石川県と富山県でボーリング調査を行った。その結果、珠洲市で①約2,500年前〜2,000年前②約2,000年前〜1,800年前③9〜10世紀ーの少なくとも3回、富山県沿岸では①約7,900年前〜7,800年前②約4,700年前〜4,500年前③約2,700年前〜2,500年前④13世紀ーの少なくとも4回津波があったことを示す砂層などを見つけた。堆積物の状況から、両県とも約2,500年前の津波が最も大きかったとミられるという。

山口 春告げる秋吉台の”山焼き” 広大な草原に炎広がる

山口県美祢市の秋吉台国定公園で2月18日、春の訪れを告げる風物詩、”山焼き”が行われた。日本を代表するカルスト台地で知られる、広さ約1,138haの広大な草原が炎に包まれ、訪れた観光客が迫力ある光景に見入っていた。山焼きは午前9時半、開始の号砲を合図に地元住民や市の職員ら約1,000人がガスバーナーで点火。冬の枯れ草が生い茂った草原に、帯状の炎がバチバチと音を立てながらみるみる広がっていくと、あちこちで歓声が沸き上がった。
この山焼きは、白い石灰岩が点在する景観を維持し、生態系を保護するため毎年実施されている。焼けて黒くなった大地は、5月ごろ新緑に覆われる。

岩手の奇祭「蘇民祭」担い手高齢化で千年の歴史に幕

五穀豊穣や無病息災を祈願し、フィナーレで男衆が護符の入った麻袋を奪い合う岩手県の奇祭「蘇民祭」が2月17日、黒石寺(所在地:岩手県奥州市)で行われた。この祭りは本来夜通し行われるが、今年は時間帯を早め午後6時ごろから同11時ごろまでに短縮して開催された。
この蘇民祭、千年以上の歴史があるとされるが、担い手である檀家(だんか)の高齢化などを理由に昨年末公表された通り、今年が最後の開催となった。

江戸初期の日本で作られた「書見台」ポルトガルで発見

東京文化財研究所などによると、およそ400年前、江戸時代初期の日本で作られた南蛮漆器の一つで、聖書を読むための「書見台」がポルトガルで見つかった。この書見台は全体が黒の漆で塗られており、中心には松の木が描かれ、周囲は貝殻の螺鈿(らでん)細工が散りばめられている。
X線で撮影した結果、松の木の下に何かを剥ぎ取ったとみられる跡が見つかり、それらが十字架やイエス・キリストを示す「IHS」の文字の一部と確認できたという。
書見台はそのデザインから江戸時代初期にポルトガル人やスペイン人が日本の職人に作らせたもので、幕府がキリスト教への弾圧を強めていた時期にあたることから、その摘発を逃れるため宗教色を消して、本国に送ったのではないかとみられている。

H3ロケット2号機 軌道投入に成功 宇宙開発に参戦

日本の新たな大型主力ロケット「H3」の2号機が2月17日午前9時22分ごろ、鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げられた。ロケットは予定された軌道への投入に成功し、2基の超小型衛星のうち1基の分離も確認した。H3は、今後の日本の宇宙ビジネスや探査の屋台骨を担う基幹ロケットで、実用化によって国際的に激化する宇宙開発競争に本格参戦したい考えだ。

佐賀・吉野ケ里遺跡で鋳造用角閃石岩鋳型 弥生期青銅器

佐賀県は2月14日、吉野ヶ里遺跡(所在地:吉野ヶ里町、神埼市)の発掘調査で弥生時代中期前半(紀元前2世紀ごろ)の角閃石(かくせんせき)岩でできた青銅器鋳造用の鋳型など2点が見つかったと発表した。出土したのは角閃石岩製の鋳型の一部(長さ9.85cm、幅2.5cm、厚さ1.9cm)と蛇紋岩製の鋳型の一部(長さ7.5cm、幅3.2cm、厚さ1.6cm)。
県は「初期の青銅器生産の様相を知るうえで極めて重要な発見」としている。同遺跡で角閃石岩製の鋳型が出土するのは初めてという。

滋賀県知事 大津市の坂本城跡の石垣など保存検討へ

滋賀県の三日月知事は2月13日、戦国時代の武将、明智光秀が織田信長の命を受けて築いた大津市の坂本城跡で、発掘調査の結果、新たに見つかった長さおよそ30mにわたる三の丸の石垣について、保存を検討していく考えを示した。大津市や開発業者と話し合い、文化財保護などの観点から議論していくとしている。

文豪が定宿とした都内「山の上ホテル」2/12最後の営業

川端康成、三島由紀夫、池波正太郎、伊集院静ら文豪、そして平成・令和の超売れっ子作家らが愛し、定宿とした東京都千代田区の「山の上ホテル」が2月12日の営業を最後に、休業に入った。建物の老朽化が理由で、営業再開時期は未定としている。ホテルの休業はすでに発表済みだったこともあり、最終日はロビーやレストランを訪れ、別れを惜しむ人の姿が見られた。
1954年にホテルとして創業。出版社が多い神田神保町に近い立地から、締め切りの迫った作家の”缶詰め”の現場として使われ、創業時からロビーは原稿を待つ編集者であふれた時代があったという。アールデコ調の建物で、クラシックな雰囲気と静かな環境が作家に好評だった。

飛鳥時代の遺跡群の世界遺産登録目指し知事らが現地視察

奈良県明日香村などの飛鳥時代の遺跡の世界遺産への登録を目指し、奈良県の山下知事らが2月9日、地元自体の首長らと現地を視察し、課題などを確認した。一行は①藤原宮跡や飛鳥宮跡が見渡せる明日香村の甘樫丘②飛鳥時代の石舞台古墳や藤原宮跡ーなどを見て回った。
奈良県では明日香村と橿原市、桜井市の飛鳥時代の都の跡などの文化財で構成する「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」について、2年後のユネスコの世界遺産への登録を目指して準備を進めている。
今回視察した構成文化財の中に、まだ全体が史跡に指定されていないものがあり、世界遺産登録に向けた課題も確認した。県や地元自治体では来年度、令和6年度の日本の候補として推薦してもらうため、3月にも推薦書の素案を文化庁に提出する方針。

冬の奈良をイルミネーションで彩る「なら瑠璃絵」始まる

観光客の少ない2月に冬の奈良を盛り上げようと、奈良公園周辺で毎年この時期に開かれる、イルミネーションで彩る「なら瑠璃絵」が2月8日、始まった。14日まで午後6時から同9時まで毎日行われる。期間中は春日大社はじめ奈良公園やその周辺の神社や寺がブルー、イエロー、ホワイトなどのLEDのイルミネーションやライトアップで彩られる。なら瑠璃絵は今年で15回目。

”幻の城”大津市・坂本城跡で長さ約30mの石垣見つかる

滋賀県大津市の発掘調査によると、戦国時代の武将、明智光秀が築いた同市の坂本城跡で、長さおよそ30mにわたる石垣などが見つかった。石垣の高さはおよそ1m、長さはおよそ30m。この石垣と堀が城の最も外側の囲いになっていた可能性があり、その場合、びわ湖の湖岸に位置する本丸からの距離はおよそ300mで、これまで推定されていた距離と比べおよそ100m短いという。
同市文化財保護課は、どのような過程で大きな石垣を使うようになったのか?慎重に調査を進めていきたいとしている。
坂本城は、織田信長が比叡山延暦寺を焼き討ちした後、明智光秀に命じてふもとのびわ湖のそばに築かせたとされているが、わずか15年ほどで廃城となり、”幻の城”とも呼ばれている。

「さっぽろ雪まつり」開幕 4年ぶり全面開催 氷雪像190基

北海道の冬の風物詩「さっぽろ雪まつり」が2月4日、メイン会場の大通公園(所在地:札幌市中央区)など市内3会場で開幕した。74回目を迎えた今年は、4年ぶりの3会場を使った全面開催。迫力ある大雪像はじめ大小約190基の雪像や氷像が来場者を楽しませてくれる。開催は11日まで。会期中、国内外から200万人以上の来場が見込まれている。

豊竹咲大夫さん死去 人形浄瑠璃文楽太夫の人間国宝

人形浄瑠璃文楽の太夫(語り手)で人間国宝の豊竹咲大夫(とよたけ・さきたゆう、本名:生田陽三)さんが1月31日、肺炎のため東京都内の病院で亡くなった。79歳だった。
1944年、戦後の文楽を代表する太夫の一人、八代目竹本綱太夫の長男として大阪市で生まれた。時代物から世話物まで芸域は幅広く、2009年に演目の見せ場を語る太夫の最高資格「切場語り」に昇格。2019年、人間国宝に認定された。

奈良「お水取り」の”お松明”4年ぶりにすべて公開

奈良・東大寺はこのほど、「お水取り」の名で知られる東大寺二月堂の伝統行事「修二会(しゅにえ)」のハイライトの一つ、燃え盛るたいまつを振って火の粉を散らす「お松明」が、今年は4年ぶりにすべて公開することを明らかにした。
これにより、大勢の参拝者などが集まることから新型コロナウイルス対策のため3年前から一部を非公開としていた、「籠松明」と呼ばれる最も大きなたいまつが焚かれる3月1日から14日までのお松明が公開となる。
修二会は、「練行衆」と呼ばれる僧侶たちが修行の一環として、およそ1カ月にわたって国の安泰を願い、法要などを行う行事。

平城宮跡南側で建物跡の柱穴見つかる 大学寮の倉庫か

奈良文化財研究所の発掘調査によると、奈良市の平城宮跡の朱雀門の南側でおよそ50個の柱穴が見つかった。柱の並びから6棟の小型の建物跡とみられ、専門家は役人を養成する「大学寮」の機関の一部、倉庫などの可能性があるとしている。
今回見つかったのは同研究所が発掘調査を進めていた朱雀門の南側およそ1,100㎡。直径20cm程度の奈良時代の柱の穴が47個見つかった。これらは小型の建物が6棟あったと推測され、いずれの建物も東西におよそ3m、南北におよそ7mほどの大きさだったとみられるという。専門家は「平城京の構造を知るうえで重要な成果」としている。

神戸ルミナリエ10日間で230万人来場 有料エリアに15万人

阪神・淡路大震災の犠牲者を追悼する光の祭典「神戸ルミナリエ」の組織委員会は1月29日、19〜28日の開催10日間の来場者数が229万8,000人だったと発表した。新型コロナウイルス禍による中断を経て、今回は4年ぶりの開催だった。
これまでの経験、密集・混雑を避けるため会場を旧居留地、東遊園地、そしてメリケンパークの3カ所に分散して実施された。メリケンパークには有料エリアが設けられた。来場者数は2019年の約347万人と比べ3割以上減少した。目玉作品、光の回廊「ガレリア」の通り抜けができる有料エリアには15万人が来場した。

月面探査機「SLIM」の運用再開 太陽電池稼働 観測調査も

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月29日、無人月面探査機「SLIM」の運用を再開したことを明らかにした。28日夜にSLIMとの通信を確立し、特殊なカメラを使った月面での調査、鉱物観測も再開できたとしている。
SLIMは20日に月面着陸した際、頭側を下にして着陸したため、予定していた太陽光パネルに太陽光を受けられず、太陽電池による発電ができず、バッテリー駆動による限られた時間の調査、活動にとどめ、その後、太陽電池の始動待ちで運用を停止していた。今回期待通り、太陽の向きが変わって発電を始めたもの。

古都・奈良の若草山で「山焼き」冬の夜空焦がす

古都・奈良の冬の伝統行事、若草山の「山焼き」が1月27日行われ、燃え盛る炎が冬の夜空を彩った。これに先立ち、春日大社で神の火の御神火をともした松明(たいまつ)が野上神社に届けられ、神職が山焼きの無事を祈願した。
この後、山の麓で大勢の観光客らが見守る中、午後6時すぎからおよそ600発の花火が打ち上げられ、ほら貝とラッパの音を合図におよそ300人の消防団員が一斉に山の枯れ草に火を放っていく。乾燥した枯れ草に放たれた火は瞬く間に燃え広がり、冬の夜空を焦がしていった。

紫式部「源氏物語」の世界描いた日本画 嵯峨嵐山文華館

紫式部が主人公・光源氏を軸に平安貴族社会で繰り広げる恋の遍歴ストーリー、古典の名作「源氏物語」の場面を描いた日本画を紹介する展示会が、京都市右京区の嵯峨嵐山文華館で開かれている。これは、源氏物語をテーマに描かれ屏風や掛け軸などを紹介する展示会で、会場には鎌倉時代から昭和に描かれた33点の作品が紹介されている。展示会は4月7日まで。
このうち江戸時代初期に狩野山楽が描いた「源氏物語押絵帖屏風」は、光源氏の半生が12の場面で描かれている。また、江戸時代後期に活躍した狩野玉円永信の掛け軸「源氏五十四帖図」は、人物を敢えて描かず、象徴となる風景やものだけで場面を表現していて、扇子の上に置かれた夕顔の花や複数の牛車などが物語を連想させる。