千葉で「チバニアン期」の古代生物を紹介する展示会

千葉県が名前の由来となった「チバニアン期」と呼ばれる時代に生息していた古代の生物を紹介する展示会が千葉市の県立中央博物館で開かれている。「チバニアン期」は77万年前から12万年前余りまでの地質学上の時代の名前。3年前、市原市の地層が地質学の基準である「国際標準地」に、日本で初めて登録され命名された。
今回展示されているのは、1966年に現在の印西市で発見されたナウマンゾウの化石の、日本で初めてレプリカで復元された全身骨格。骨格標本のほか、下あごなど骨の実物が展示されている。また市原市で見つかった体長5mを超える世界最大級のトド「オオキトド」の下あごの骨の化石も見られる。このほか、「ヤベオオツノジカ」や「メルサイ」なども展示されている。

種子島の古代人 頭蓋骨を意図的に変形する習慣 九州大など

九州大学や米モンタナ大学の国際研究チームは、弥生時代から古墳時代の鹿児島県種子島で暮らしていた古代人に、頭蓋骨を意図的に変形する習慣があったことを突き止めた。種子島の遺跡で採集した頭蓋骨を、3Dスキャンや最新の計測技術を用いて分析した結果、分かった。他の古代人の頭蓋骨と比較すると、後頭部が平らで頭蓋骨後頭部の縫合周辺と後頭骨の中心部あたりに窪みもあった。
これらは生活習慣ではなく、人為的に力を加えて変形させている可能性が高いことを明らかにした。研究チームは集団としてのアイデンティティーを保つため、頭を変形していたとみている。こうした習慣は世界各地でみられるという。これらの研究成果は8月17日、米科学誌『プロスワン』に論文掲載された。

戦後の海外抑留日本人の引き揚げにバチカンの関与示す新資料

1946〜1948年にかけてバチカンで記録されたバチカン(ローマ・カトリック協会の中心地)で記録された、日本人の引き揚げに関する、新たなおよそ40点の外交文書が見つかり、バチカンが戦後の海外抑留日本人の引き揚げの実現に関わっていたことが分かった。調査にあたった国際政治史が専門の日本大学の松本佐保教授が確認した。
78年前の終戦時、海外にいた元日本兵や民間人はおよそ660万人に上ったとされ、戦後も長くシベリアや東南アジアなどに抑留され、多くの人が望郷の念に駆られながら亡くなったほか、生き残った人たちも日本に引き揚げるまでに10年以上の歳月を要した。
このうち旧ソビエトにより57万人を超える日本人がシベリアなどに抑留された”シベリア抑留”を巡っては、1947年1月にバチカンの駐日大使が国務長官に送った公電に、引き揚げの実現に向けて旧ソビエトとの交渉を急ぐよう、米国側に働きかけたことなどが確認されている。
また、1947年8月にバチカンの駐日大使が国務長官に送った公電には、オランダ領インド(現在のインドネシア)にあった日本人の収容所を巡り、オランダ政府に対し、環境の改善を求めたことが記されていた。

3,900万年前 最大340トンの巨大クジラ 化石から推定 従来学説覆す

ドイツの研究者らはこのほど、英科学誌『ネイチャー』に、約3,900万年前、体長20m、最大重量340トンの巨大クジラが海を泳いでいたと発表した。ペルー南海岸の砂漠で発掘した化石から新種のクジラの大きさを推定した。
新種はシロナガスクジラより体長は5mほど短いが2倍の体重があり、史上最も重い動物の可能性もある。クジラは今から1,000万年前ごろに巨大化したとする従来の学説を覆した。新種は「Perucetus colossus」(ペルーの巨大なクジラ)と名付けられた。

古都の夜空焦がす「大」文字 京都で「五山送り火」

京都市街地を囲む山々で8月16日、お盆に迎えた先祖の霊を送り出し、無病息災を祈る伝統行事「五山送り火」が行われた。
まず予定通り午後8時に、東山の如意ヶ嶽で一画がおよそ最長160mの「大」の文字が浮かび上がった。続いて5分おきに「妙法」、「船形」、「左大文字」、「鳥居形」に点火され、古都の夜空を焦がした。見物客らは市内各所で最寄りの送り火を見守った。警察によると、今年は昨年より4,900人多い、およそ2万5,600人が訪れた。

徳島阿波踊り 4年ぶり盛況 台風に振り回され”想い半ば”に

新型コロナウイルスに伴う制約がない4年ぶりの通常開催となった徳島市の阿波踊りが8月15日、閉幕した。話題となった1人20万円のプレミアム桟敷席などの新しい試みなども含め、地元は大いに盛り上がった。
ただ、前夜祭を含む5日間のうち、最後の2日間は台風7号に振り回され”想い半ば”に終わった。荒天の14日夕は強行開催、雨の上がった15日夕は中止となった。これらの挙行、判断について、徳島市と開催委員会との間で判断が分かれ、対応がチグハグで課題を残した。

吉野ヶ里遺跡 6月公園入園者最多に 石棺墓発見で注目集める

吉野ケ里公園管理センターによると、国営、県営歴史公園として整備されている吉野ヶ里遺跡(所在地:佐賀県吉野ヶ里町、神埼市)の公園の6月の入園者数が4万5,550人となり、6月として2001年の開園以来、過去最多となったことが分かった。これまでの発掘調査では手付かずだった”謎のエリア”で石棺墓が見つかり、注目を集めたことが要因の一つとみられる。これまでの6月の最多来場者数は2001年の4万1,752人だった。

兵庫・南あわじ市の「門崎砲台」ドーム状構造で国内最大級

兵庫県南あわじ市によると、施設の改修工事に伴って行った発掘調査の結果、同市福良の鳴門海峡を臨む場所にあった「門崎砲台」は、ドーム状の天井に覆われた構造としては、明治、大正、昭和を含め国内最大級の規模だったことが確認された。
同砲台は明治32年、外国戦艦の瀬戸内海への侵入を防ぐため、当時の陸軍により築かれた。大砲の周囲をドーム状の天井が覆う形が特徴。高さはおよそ5m。大砲を撃つ射撃口から手前の出入口までおよそ14mあり、大砲が2門並ぶ幅はおよそ26mあった。8月18、19日、現地説明会が行われる予定。

大阪・造幣局で8/7 大阪・関西万博記念貨幣の打ち初め式

大阪市北区の造幣局で8月7日、2025年大阪・関西万博の記念貨幣の打ち初め式が行われた。同打ち初め式には大阪府の吉村知事や博覧会協会の石毛事務総長などが出席した。この記念貨幣は5万枚が製造され、消費税や送料込みで1万3,800円で販売される。申込みは造幣局が8日から28日まで受け付ける。
製造が始まった記念貨幣は額面が1,000円の銀貨で、表面には大阪・関西万博の公式ロゴマークと、人工島・夢洲の会場がカラーで描かれている。裏面に描かれたロゴマークには、細かい溝が刻まれた加工が施されていて、光が当たると反射して虹色に輝いて見えるようになっている。

奈良・東大寺で恒例の大仏「お身拭い」 本来の輝き取り戻す

奈良市の東大寺で8月7日、本尊の国宝、盧舎那仏(るしゃなぶつ、大仏)のほこりを払う「お身拭い(おみぬぐい)」があった。夏の恒例行事で、1年分のほこりが払われて、本来の輝きを取り戻した。大仏の魂を抜く法要や読経の後、白装束にわら草履姿の僧侶ら関係者約170人が参加。天井から吊るしたゴンドラを使い、はたきを掛けて高さ15mの大仏のほこりを丁寧に払い落としていた。

ロシア・シベリア永久凍土の線虫が4万年の眠りから覚醒, 繁殖

ロシア・シベリアの永久凍土から掘り出された細長い生物、線虫の一種が凍った状態から融けたところ再び動き出した。ロシアやドイツの研究チームが7月27日、研究成果として米国の科学雑誌『プロス・ジェネティックス』に発表したもの。同研究チームは休眠状態となる生物としては最長の、4万年以上の間、休眠した状態で生き延びたのではないかと分析している。
この生物はおよそ4万6,000年もの間「クリプトビオシス」と呼ばれる休眠状態だったとみられることが分かったという。研究チームによると、動き出した線虫の一種は繁殖を繰り返し、数千匹に増え、DNAの解析から新種ということも判明している。

大阪・天神祭 100隻の船渡御, 3,000発の奉納花火が4年ぶり復活

大阪天満宮(所在地:大阪市北区)の天神祭は本宮の7月25日、祭りのクライマックス、新型コロナウイルス禍で見送られていた「船渡御(ふなとぎょ)」や奉納花火が4年ぶりに再開、復活した。午後6時ごろから市内中心部を流れる大川を約100隻の船が行き交う伝統の神事、船渡御が営まれたほか、約3,000発の多彩な奉納花火が川面を照らし、夜空を彩った。

夏本番へ大阪・天神祭始まる 宵宮に堂島川で「鉾流神事」

大阪に夏本番を告げる大阪天満宮(所在地:大阪市北区)の天神祭が7月24日、始まった。宵宮の同日は、市内中心部を流れる堂島川に白木の神鉾(かみほこ)を流す「鉾流(ほこながし)神事」が行われた。
天神祭の始まりは951年。鉾流神事で川に流した鉾が漂着したところに御神霊が休憩する斎場を設け、そこに御神霊を送り届けたことが船渡御(ふなとぎょ)の始まりという。

祇園祭 後祭 山鉾巡行11基が前祭と逆ルートで暑熱の都大路進む

京都・祇園祭は7月24日、後祭(あとまつり)の山鉾巡行を迎え、山鉾11基が暑熱の都大路を進んだ。
午前9時半ごろ橋弁慶山を先頭に、前祭(さきまつり)の山鉾巡行とは逆ルートで烏丸御池(所在地:京都市中京区)を出発。毎回2番手に固定されていた北観音山と6番手の南観音山が、今年から1年毎に順番を交代することになり、今回は南観音山が2番手を進んだ。
京都市役所前の河原町御池交差点では、90度方向を転換させる「辻回し」を披露。すると、沿道の観客らから掛け声と拍手が起こった。

滋賀県大津市の「穴太遺跡」から古墳時代の建物跡見つかる

滋賀県大津市の「穴太遺跡」から古墳時代の建物跡が見つかった。大津市の発掘調査によると、通常の円柱とは異なり角材に加工された柱13本が使われた建物跡で、柱を囲むような塀も見つかっており、市はこの建物について、地域の有力者の住居や、祭礼の施設だった可能性があるとしている。また、柱に角材を使った点について、彫刻などの装飾を施しやすいようにするためではないかーと推測している。

京都・祇園祭「山鉾巡行」前祭の23基が猛暑の都大路進む

京都・祇園祭は7月17日、ハイライトとなる前祭の「山鉾巡行」が行われた。晴天で過去にもそれほど類例がないくらいの猛暑の中、そして数多くの訪日外国人を含めた観光客らが見守る中、山鉾23基が祇園囃子と「エンヤラヤー」の掛け声とともに、京都市内の目抜き通り、四条通り、河原町通を進んだ。
四条河原町では見どころの一つ、鉾を90度方向転換させる「辻回し」を披露。竹を車輪の下に敷いて水を撒き、引き手の男たちが息を合わせ綱を引くと、バリバリと音を立てながら、鉾は滑るように向きを変える。すると、見守る観客らから思わず拍手が起こった。24日の後祭では別の山鉾11基が巡行する。

9,000万年前の地層から新種のカメの化石発見 岩手・久慈市

岩手県久慈市の、およそ9,000万年前の地層から、小学生が新種のカメの化石を発見した。化石が見つかったのは「玉川層」と呼ばれる、およそ9,000万年前の白亜紀後期の地層。見つけたのはカメの下顎(あご)の化石で、周辺で見つかった甲羅などの化石とともに、早稲田大学国際学院の平山廉教授が詳しく調べた結果、このカメは「リンドホルメス科」という、現在では絶滅した小型のカメの仲間であることが分かった。この仲間はモンゴルや中国などで確認されているが、今回見つかったものは甲羅のうろこのカタチが異なり、新種と判断した。

和歌山・熊野那智大社で「那智の扇祭り」大たいまつ掲げ練り歩く

和歌山県那智勝浦町の世界遺産、熊野那智大社で7月14日、氏子らが大きなたいまつを持って練り歩く「那智の扇祭り」が行われた。この祭りは、熊野那智大社に祀られている神々が、扇が付いた神輿に乗ってご神体の那智の滝に帰るとされる神事。
「那智の火祭り」とも呼ばれる祭りでは重さ50kgもある、檜の大きなたいまつを、白装束に身を包んだ氏子たちが担ぎ上げ、掛け声を上げながら滝に向かう参道を練り歩いた。

岸田首相 リトアニア”命のビザ”発給した杉原千畝記念館を視察

NATO(北大西洋条約機構)の首脳会議に出席のため、リトアニアを訪れた岸田文雄首相は7月12日(日本時間13日)、同国のカウナスを視察した。第二次世界大戦中にナチス・ドイツから迫害を受けたユダヤ人難民を救った”命のビザ”を、同地滞在中、発行し続けた外交官、杉原千畝記念館を視察したもので、裕子夫人も同行した。同記念感には杉原の執務机の複製などが展示されている。

H2AでJAXAの月探査機8/26打ち上げへ 「SLIM」月面着陸目指す

三菱重工業とJAXA(宇宙航空研究開発機構)が共同開発した「H2Aロケット」47号機を8月26日に打ち上げる方向で調整していることが分かった。JAXAの小型月探査機「SLIM(スリム)」などを搭載する。次世代機「H3」初号機の失敗で停止していた日本のロケット打ち上げが再開する。
種子島宇宙開発センター(所在地:鹿児島県)から打ち上げる。小型月探査機「SLIM」と天文衛星「XRISM(クリズム)」を搭載する。スリムは成功すれば日本初となる月面着陸を目指す。

東大 南海トラフ 3つのタービダイトの分布を発見 四国, 紀伊で

東京大学の研究グループは、南海トラフに沿って沈み込む深海堆積物を調査した結果、砂層に富むタービダイトがスロー地震活動の静穏域(プレート間固着の強い領域と概ね一致)に集中して分布することを発見した。これは海洋研究開発機構が過去に南海トラフで取得した反射法探査データを深海掘削データをと組み合わせ、海溝で沈み込む深海堆積物を分析した結果、分かったもの。
西側タービダイトは主に四国の足摺岬沖に、中央側タービダイトは紀伊半島の潮岬沖に、東側タービダイトは紀伊半島の熊野沖にそれぞれ分布。一方、四国の室戸岬沖ではタービダイトが分布せず、泥質堆積物のみが沈み込んでいた。南海トラフ沿いの深海堆積物をを分析し、沈み込むタービダイトの全貌を明らかにしたのは、今回が初めて。

京都・祇園祭「鉾建て」始まる 市内四条通など中心部で

京都市下京区の四条通など中心部で7月10日、祇園祭の前祭(さきまつり)の山鉾巡行(17日)で都大路を進む5基の鉾を組み立てる「鉾建て」が始まった。この日、組み立てが始まったのは毎年巡行の先頭を進む長刀鉾、函谷鉾、月鉾、鶏鉾、菊水鉾の5基。「縄がらみ」と呼ばれる、釘を一切使わない伝統技法を用い組み立てられる。14日までに前祭に参加する鉾・山合わせ23基が立ち並ぶ。また、後半の後祭(あとまつり)では鉾・山合わせ11基が立ち、24日に巡行する。

古代の高貴な甘味料「甘葛煎」の味を再現 奈良市でお披露目

奈良市内のかき氷店や奈良女子大学の協力研究員らは7月9日、清少納言の随筆「枕草子」にも登場する甘味料「甘葛煎(あまづらせん)」の味を再現したシロップを開発、奈良市内の施設でお披露目会を開いた。これはおよそ4年かけて共同開発したもので、シロップに渋柿から抽出した液、柿渋を加えることで、甘さがすっと消える甘葛煎の特徴が再現できたという。
甘葛煎は、ツタなどから採取した樹液を煮詰めてつくられる古代の甘味料で、平安時代の「枕草子」の中で清少納言は、これを用いたかき氷を高貴なものの一つとして取り上げている。

世界遺産・熊野那智大社 「那智の滝」大しめ縄の張り替え

世界遺産・熊野那智大社(所在地:和歌山県那智勝浦町)は7月9日、ご神体「那智の滝」の上に架かる大注連(しめ)縄の張り替えを行った。同地で14日に行われる「那智の扇祭り(火祭り)」を控えた恒例行事。
日本列島各地に記録的な豪雨をもたらしていた悪条件の中、白装束に烏帽子姿の神職ら5人が高さ133mの滝の落ち口で、いつもより水量や流れが速くなった川に入って作業にあたる。命綱を着けてはいるが、今回ほどの悪条件はあまりないだろう。足を取られないように用心しながら、長さ約26m、重さ約4Kgの注連(しめ)縄を慎重に張り替えた。このしめ縄の張り替えは年の瀬にも行われる。

奈良「平城京」跡で”修理司”の文字記された瓦が出土

奈良文化財研究所などによると、奈良市の「平城京」跡で宮殿などの修理や工事を担ったとされる役所、”修理司”の文字が記されたとみられる瓦が見つかった。出土した現場は、東大寺と並ぶ規模を誇った「西大寺」のある一帯で、専門家は「大規模な開発が行われていたことを示す大きな発見」としている。
この瓦は、奈良市の元興寺文化財研究所が2022年行った発掘調査で見つかった。サイズは長さ21cm、幅17cm。出土現場の西大寺付近に修理司の拠点が置かれていたと考えられるという。瓦は7月15日から橿原市の奈良県立橿原考古学研究所の附属博物館で展示される。

文科省 本年度は見送り「飛鳥・藤原」「彦根城」世界遺産推薦せず

永岡桂子文部科学相は7月4日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)への世界文化遺産候補(2件)の推薦を本年度は行わないことを明らかにした。これにより、有力視されていた「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」(奈良県)の登録審査は最短で2026年となる。また、「彦根城」(滋賀県)は推薦前にユネスコ諮問機関が関与して助言する事前評価で、価値を明確にしたうえで遺産登録を目指すのが有効と判断した。

宇宙望遠鏡「ユークリッド」打ち上げ 100億光年先の銀河を観測

宇宙空間を飛行しながら観測を行い、宇宙がどのように進化してきたのかを探ろうと、100億光年先までの銀河を観測する宇宙望遠鏡「ユークリッド」が日本時間、7月2日午前0時過ぎ、米国南部フロリダ州から打ち上げられた。ユークリッドはESA(ヨーロッパ宇宙機関)が中心になって開発された宇宙望遠鏡で、口径が1.2mあり、可視光と遠赤外線を観測できる2種類の装置を備えている。
ユークリッドは、これらの装置で100億光年先までの銀河を観測して巨大な地図をつくり、宇宙の大規模な構造の進化の過程や、宇宙の膨張が時間の経過とともにどう変化してきたのか、明らかにすることを目指す。今後4週間ほどかけて地球からおよそ150万km離れた地点まで移動し、およそ3カ月後に観測を開始する予定。

藤原宮近くに大規模6つの瓦工房 造営時初の瓦ぶき宮へ瓦供給

奈良県文化財研究所が6月29日、日本で初めての瓦ぶき宮殿が建てられた藤原宮(694〜710年、所在地:奈良県橿原市)跡に近い日高山瓦窯で、新たに窯跡3基が見つかったと発表した。以前に見つかった3基と合わせ計6基の瓦窯が並び、宮の造営初時に瓦を供給した大規模拠点とみられる。
6基には瓦を入れる焼成部が平らで、日干しレンガが開いた「平窯」と呼ばれる構造の窯もあり、最古例

広島・平和記念公園と米パールハーバーが姉妹公園協定に調印

米国のエマニュエル駐日大使と広島市の松井一実市長は6月29日、広島市の平和記念公園とパールハーバー国立記念公園(米国・ハワイ州)を「姉妹公園」とする協定書に調印した。両公園は歴史的建造物・景観の復元に必要な資料の共有、若い世代向けの教育などで連携する。

滋賀・稲部遺跡で国内最古 卑弥呼時代の箱型の矢入れ出土

滋賀県彦根市などは6月28日、同市の稲部遺跡で2019年9月に出土した繊維片が、箱型の矢入れ「靫(ゆき)」の一部で、靫としては国内最古の古墳時代時代初頭(3世紀中ごろ)のものだったことが分かったと発表した。
靫は首長が執り行った水辺の祭祀(さいし)跡とみられる溝跡から出土。年代は放射性炭素年代測定や土器から240年ごろとみられ、卑弥呼(248年ごろ)時代の祭祀の実態を知る手がかりになるとしている。繊維片は、絹糸と植物繊維の織物で、表面には黒漆が塗られていた。木の板、ガラス玉、モモの種などの祭祀具とともに出土した。

奈良・富雄丸山古墳 最大の「蛇行剣」初公開 東アジア最大の鉄剣

奈良県立考古学研究所(所在地:奈良県橿原市)は6月27日、奈良市の日本最大の円墳、富雄丸山古墳(古墳時代前期、4世紀後半)で見つかった国内最大級の鉄剣「蛇行剣」を初めて報道陣に公開した。長さ2.3m、幅6cmの、蛇のように曲がりくねった蛇行剣は発掘後、土やさびを取り除くクリーニングなどの処理をしていて、実物は非公開だった。
同研究所はエックス線撮影や付着物の化学分析を実施。さやは木製で、剣には漆を伴う装具の跡が残っていた。装具も含めた蛇行剣の全長は2.6mと推定され、同時代の東アジアでも最大の鉄剣。同古墳からは国内で出土した青銅器で最大となる例のない盾形銅鏡見つかり、ともに同時代の金工品の最高傑作として国宝級とされる。

京都五花街の芸・舞妓70人が参加し合同公演前の”総ざらえ”

京都に5つある花街の芸妓や舞妓が同じ舞台に立つ恒例の合同公演を前に6月23日、京都市東山区の南座で最後の通し稽古、”総ざらえ”が行われた。この総ざらえには五花街からおよそ70人が参加した。今年で30回目を迎える合同公演「都の賑い」は6月24〜25日、南座で開かれる。

与謝蕪村が下絵「放下鉾」の新調装飾品 祇園祭・山鉾巡行で披露

江戸時代の画家・俳人として活躍した与謝蕪村が下絵を描いた、「放下鉾」の新調装飾品が6月15日、報道陣に公開された。今回新調された装飾品は、7月17日の祇園祭の前祭の山鉾巡行に参加する放下鉾を飾る。この装飾品は4枚で1組になっており、「琴」や「書」などを題材にした色鮮やかな刺繍が施されている逸品。
これまで使用されてきた装飾品は制作から200年以上経過し、痛みが目立っていた。このため、京都の美術会社が8年かけて制作した。

「東北絆まつり」 青森で開幕 4年ぶり公道パレード復活

東北6県の夏祭りが一堂に会する「東北絆まつり」が6月17日、青森市内で開幕した。新型コロナウイルス禍に伴い中止や規模縮小で対応してきたが、今年は4年ぶりにに公道を使った街中のパレードが復活、コロナ禍前のにぎわいが戻ってきた。18日まで。
パレードには青森ねぶた祭り、盛岡さんさ踊り、仙台七夕まつり、秋田竿燈まつり、山形花笠まつり、福島わらじまつりの6県を代表する祭りが登場した。
東北絆まつりは、東日本大震災からの復興を願い、2011年から始まった東北6県合同による「東北六魂祭(ろっこんさい)」の後継行事で、2017年から6県の持ち回りで開催されている。

和歌山県 高野山で弘法大師・空海生誕1,250年法要, 「青葉まつり」

和歌山県の高野山で6月15日、弘法大師・空海の生誕1,250年を祝う法要「降誕会(ごうたんえ)」が、金剛峯寺の大師教会で営まれた。僧侶らおよそ100人がお経を唱え、全国各地から訪れた信者や観光客が弘法大師の稚児像に甘茶をかけて誕生を祝っていた。
このあと参道では、空海が生まれたとされる同日の、毎年恒例の「青葉まつり」が行われた。弘法大師の木像を乗せた御堂をひく「花御堂渡御」が行われ、雨が降る中、地元の小学生や僧侶らおよそ400人が練り歩いた。

JAXA 由井飛行士を24年のISS長期滞在搭乗員に指名, 2回目滞在

JAXA(宇宙航空研究開発機構)は6月16日、2024年の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在搭乗員として由井亀美也さん(53)を指名したと発表した。由井さんは2015年にISSに5カ月滞在しており2回目。滞在期間は約半年を予定。主要な任務として、長期滞在クルーとしてISSの日本棟「きぼう」を含むISS各施設の維持・保全・利用ミッション(科学実験等)を実施する予定。
なお、ISSでの日本人飛行士滞在ではこれに先立ち今回以降、古川聡さん(59)が飛行し、約半年間滞在する予定。

東京工業大 土星の衛星に多量・高濃度のリン発見 生命育む可能性

東京工業大学の関根康人教授らのグループは、土星の衛星「エンセラダス」(直径約500km)の地下にある海から噴出される水にリンが多く含まれることを発見した。リンはDNAや細胞膜をつくるのに必要で、地球の生命に似た生命が育まれている可能性もあるという。研究成果が6月15日、英科学誌ネイチャーに掲載された。
米航空宇宙局(NASA)などの土星探査機「カッシーニ」に搭載された分析機で、衛星の地下海から噴出する微粒子を解析した。その結果、リンの濃度が地球の海水と比べて数千〜数万倍であることが分かった。リンが高濃度で存在する場所を地球外で見つけたのは初めて。

吉野ヶ里遺跡「謎のエリア」の石棺から副葬品見つからず

佐賀県の山口祥義知事は6月14日、県庁で記者会見を開き、吉野ヶ里遺跡の「謎のエリア」にある石棺墓の中から人骨や副葬品は見つからなかったことを明らかにした。同遺跡内では県が6月5日から石棺墓の開口作業を進めていた。
この石棺墓が、丘陵頂上部にあることや、石棺の蓋を開けたときに通常、比較的官位の高い有力者の埋葬時に出土する赤色顔料が見つかっていることなどから、副葬品を伴う有力者の墓を示すものが出土するのではないかと期待されていた。
もしかすると邪馬台国の所在地を指し示すような、”歴史的発見”になるかもとの期待感があっただけに、残念な結果となった。一方、調査結果を注視していた邪馬台国の畿内説を唱える専門家や研究者は、一様に安堵したーというのが正直な感想のようだ。

「琵琶湖周航の歌」を時代を超えて歌い継ぐ音楽祭 滋賀・彦根市

滋賀県彦根市のホールで6月11日、100年以上前から伝わる、びわ湖の美しい情景を歌った「琵琶湖周航の歌」を今後も、時代を超えて歌い継いでいこうという音楽祭が開かれた。
同音楽祭にはおよそ1,200人が集まり、初めに地元の児童合唱団やコーラスグループなどが歌声や演奏を披露。このあと、かつて琵琶湖周航の歌をカバーし、ヒットさせた歌手の加藤登紀子さんが登場。ウクライナ支援のために作った曲などを披露した後、参加者と一緒に琵琶湖周航の歌を合唱した。
琵琶湖周航の歌は、100年以上前に、現在の京都大学のボート部の学生が作詞したとされ、びわ湖の穏やかで美しい情景を歌いあげている。

京都・妙心寺 東林院の庭の”沙羅双樹”の花が例年より早く見ごろ

京都・妙心寺(所在地:京都市右京区)の塔頭の東林院の庭に植えられているナツツバキの白い花が見ごろを迎えている。このナツツバキ、『平家物語』の冒頭に出てくる”沙羅双樹”の別名として知られる。毎年花の開花に合わせて特別公開しており、今年は例年より1週間ほど早く6月初めに咲き始め、12日から公開されている。白い花と苔の緑が鮮やかなコントラストを描き出している。寺によると、夜明けごろに咲いた花は、夕方には散ってしまうという。公開は27日まで。
平家物語の冒頭の一部を記すと、「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理(ことわり)をあらわす。……」。

24年の大河ドラマの主人公・紫式部ゆかりの3市が連携協定

2024年のNHKの大河ドラマ「光る君へ」の主人公・紫式部にゆかりのある福井県越前市、滋賀県大津市、京都府宇治市の3市が6月10日、情報発信やプロモーションなどを共同で行う連携協定を結んだ。3市の市長はは同日、平安貴族の衣装を身にまとって、越前市の紫式部公園で締結式に臨んだ。協定には本放送に合わせ、それぞれの市が持つ歴史や文化を活用し、観光客の誘致に向けた情報発信に連携して取り組むことが盛り込まれている。
越前市は紫式部が1年余暮らしたとされる。大津市には『源氏物語』の構想を練ったとされる石山寺がある。宇治市は物語の舞台の一つになっている。
大河ドラマ「光る君へ」は、貴族文化が花開いた平安時代を舞台に、当時最大の権力者、藤原道長を頂点とする天皇家や摂関政治を通した社会背景のもと、『源氏物語』の作者として知られる紫式部の人生を描く内容で、5月から撮影が始まっている。

大阪 天神祭「船渡御」4年ぶり実施, 3,000発の奉納花火も

大阪の夏の風物詩、大阪天満宮(所在地:大阪市北区)の天神祭(7月24、25日)で、新型コロナ禍で取りやめていた「船渡御」が、今年は4年ぶりに行われることになった。また、およそ3,000発の奉納花火の打ち上げも4年ぶりに行われる。大阪天満宮および天神祭渡御行事保存協賛会が明らかにした。
船渡御は水都大阪、天神祭の花形でおよそ100隻の船が大川を行き交う。昨年は、色とりどりの衣装を身に着けた行列が街を練り歩く「陸渡御」を3年ぶりに再開しており、これでコロナ禍前の本来の天神祭が復活することになる。そのため今年は120万人以上の人出が予想されるという。

福井県立大に「恐竜学部」設置 地政学的要求と自然科学研究で

国内有数の化石の産地として知られる福井県の県立大学に令和7年度、恐竜の研究に特化した新たな学部「恐竜学部」(仮称)が誕生する。同県によると、恐竜研究を掲げる学部設置は全国初。”恐竜王国”の強みを生かし、県立恐竜博物館(所在地:福井県勝山市)の研究員による講義を含め、研究現場に密着したユニークな学習環境を提供する予定。
県立大によると、神学部の拠点となるキャンパスは県立恐竜博物館の隣接地につくられる。学生が恐竜学や地質・古気候学を学び、発掘調査などの現場活動に出向く。入学定員は30人で、卒業後は研究者や学芸員といった多様な職務に進むことを想定する。
県立大恐竜学研究所長の西弘嗣教授(古生物学・地質学)は新学部設置の目的・意義について「恐竜王国・福井を支える人材の育成だけにとどまらず、地球温暖化をはじめ深刻化する環境問題を考えるうえでも地質学は非常に重要だ」とし、「地政学的要求と自然科学の問題の双方を研究し。関連する政策提案までできるような拠点にしていきたい」としている。

吉野ヶ里遺跡 邪馬台国時代の石棺墓に赤色顔料, 被葬者は有力者

佐賀県は6月5日、弥生時代の代表的な大規模環濠集落として知られる吉野ヶ里遺跡(所在地:佐賀県吉野ケ里町〜神埼市)の、発掘調査としては手つかずだった「謎のエリア」で今春見つかった石棺墓について、石のふたを取って内部を調べる作業を始めた。内部に詰まった土の表面から赤色顔料が見つかり、3枚開けたふたのうち1枚の裏側に「☓」に似た文様が刻まれているのを確認した。
専門家によると、赤色は限られた身分の上位の人に使われるケースが多いという。それだけに被葬者は有力者とみられる。佐賀県によると、邪馬台国が栄えた時代とほぼ同じ弥生時代後期後半ー終末期(2世紀後半〜3世紀中ごろ)の墓とみられ、有力者を埋葬した可能性があるとしている。今後の調査で被葬者や副葬品の有無に注目が集まる。

石川・金沢市で鎌倉時代の木簡「差し押さえ」札 見つかる

石川県金沢市埋蔵文化財センターによると、発掘調査により鎌倉時代の領主らが土地や家屋を差し押さえしたことを示す「点定札(てんじょうふだ)」と呼ばれる木簡が、金沢市内の遺跡で見つかった。
今回見つかったの札は、長さ25.2cm、幅2.8cmのものと、長さ20cm、幅4.5cmのものの2種類。屋敷や集落があったとされる市内の別々の遺跡から出土した。墨で書かれた旧字体の「点定」の文字が確認された。
点定札、税の未納や住人の逃亡などにより荘園の領主らが土地や家屋を差し押さえる際、目印にしていたとされる木簡。札の存在は様々な文献で明らかになっていたが、実物が出土したのは初めて。

英国ダービー ディープインパクト産駒が制す 歴史的快挙!

第244回英国ダービー(G1、2410m芝、14頭出走)が6月3日、エプソム競馬場で行われ、ディープインパクト産駒の最終世代、オーギュストロダン(牡3歳、アイルランド)が優勝した。勝ち時計は2分33秒8。同産駒初の英国ダービー制覇の快挙を果たした。鞍上のライアン・ムーア騎手は3勝目。エイダン・オブライエン調教師は9勝目。
レースは道中、中団につけたオーギュストロダンが最終コーナーでスパートをかけると、次元の異なる差し脚で先行馬を抜き去り、一気に先頭争いに加わった。残り1ハロンからは先に抜け出したキングオブスティール(牡3歳、英国)との一騎打ちとなったが、最後は半馬身差ライバルを退けた。

平安時代の歌人,在原業平ゆかりの奈良・不退寺で3年ぶり命日法要

奈良市の不退寺で5月28日、平安時代を代表する歌人、在原業平の命日の法要が営まれた。僧侶がお経を唱える中、業平がつくったとされる本尊の「聖観音菩薩立像」を前に、参列した人たちが手を合わせて焼香し、静かに業平をしのんでいた。新型コロナウイルス禍で、一般参列者をお堂に入れて営む「業平忌」は3年ぶり。
同寺は、古今和歌集で知られる平安時代の歌人、在原業平が建立したと伝えられ、毎年命日に業平をしのぶ法要、業平忌が行われている。

エジプトで「最大かつ完全な」遺体ミイラ化の作業場遺構

エジプト観光・考古省は5月27日、首都カイロ南郊サッカラで発見された、遺体をミイラ化する紀元前4世紀ごろの作業場2カ所を報道陣に公開した。発掘調査を行った考古最高評議会のムスタファ・ワジリ事務局長は「最大かつ完全な状態で見つかり、当時の作業の様子が非常によく分かる」と話している。
今回見つかったのは作業場は第30王朝(紀元前380〜同343年)とプトレマイオス朝(同305〜同30年)時代に属し、最古とされる「階段ピラミッド」付近の丘陵地帯。サッカラは聖地だったため埋葬希望者が多く、遺体をミイラ化する作業場も多く存在したとされる。
ミイラは遺体から内蔵を取り出し、防腐処理を施して完成する。作業場からは処置の際に遺体を横たえる長さ約2mの石膏の寝台や、内臓を入れるつぼ、遺体をくるむ大量の布や防腐処置に使う塩や樹脂などが見つかった。