京都の世界遺産、下鴨神社で5月3日、毎年5月15日に行われる「葵祭」の安全を祈る流鏑馬(やぶさめ)の神事が行われた。この神事は境内の「馬場」で行われる。平安貴族や武士の装束に身を包んだ「射手」が、10mおきに置かれた、およそ50cm四方の3つの的に向かって馬で駆け抜けながら、連続して矢を放ち的を射る勇壮な催し。
射手が疾走する馬の上でバランスを取りながら、素早く弓を構えて矢を放つ。矢が見事命中すると、列をなして見守る人たちから大きな拍手が送られていた。葵祭は祇園祭(7月)、時代祭(10月)とともに京都三大祭の一つ。
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「日本国宝展」絵画, 仏像, 土器など135点展示 4/26開幕
大阪市立美術館(所在地:大阪市天王寺区)で4月26日から、先人から受け継がれてきた日本の国宝を集めた「日本国宝展」が始まった。6月15日まで。
大阪・関西万博の開催と同館のリニューアルオープンを記念した特別展。絵画、仏像、土器など歴史の教科書にも登場するような国宝135件を入れ替えながら展示する。縄文時代から近世にかけての”厳選された美”に触れる格好の機会となりそうだ。
中国・後漢王朝の皇帝から贈られた「金印『漢委奴國王』」(きんいん かんの・わの・なの・こくおう)、「袈裟襷文銅鐸」(けさだすきもんどうたく)はじめ、「火焔型土器」(かえんがたどき)はおよそ5,000年前の縄文時代中期を代表する土器だ。江戸時代に活躍した絵師、伊藤若冲の代表作「動植綵絵 群鶏図」などは出色。
宮内庁 奈良・正倉院に伝わる「虹龍」はニホンテンと判明
宮内庁正倉院事務所の調査によると、奈良・正倉院に伝わる宝物で貂(てん)のミイラとされる「虹龍(こうりゅう)」が、11〜12世紀のニホンテンだったことが分かった。同事務所が4月23日、「正倉院紀要第47号」で発表した。貂のミイラは全長23cm。頭部や鋭い歯、首やかぎ爪のある後ろ脚、皮膚や内臓のいち部などが残り、両前脚は欠落している。今回の2021〜2023年の調査で、骨や歯の特徴などからニホンテンの雌の成獣だと特定された。
1429年に室町幕府の第6代将軍・足利義教が正倉院で「竜の日干し(ひぼし)」を見たことを、当時の京都・醍醐寺の座主(ざす)が日記に書いているが、実際にはこの虹龍だった可能性が高いという。