京都・下鴨神社で勇壮! 流鏑馬神事 葵祭の安全を祈願

京都の世界遺産、下鴨神社で5月3日、毎年5月15日に行われる「葵祭」の安全を祈る流鏑馬(やぶさめ)の神事が行われた。この神事は境内の「馬場」で行われる。平安貴族や武士の装束に身を包んだ「射手」が、10mおきに置かれた、およそ50cm四方の3つの的に向かって馬で駆け抜けながら、連続して矢を放ち的を射る勇壮な催し。
射手が疾走する馬の上でバランスを取りながら、素早く弓を構えて矢を放つ。矢が見事命中すると、列をなして見守る人たちから大きな拍手が送られていた。葵祭は祇園祭(7月)、時代祭(10月)とともに京都三大祭の一つ。

信長の朱印状 約100年ぶり再発見 滋賀県東近江市・百済寺

滋賀県東近江市は、百済寺(ひゃくさいじ)で所在が分からなくなっていた織田信長の朱印状がおよそ100年ぶりに見つかったと発表した。これは「天下布武(てんかふぶ)」の朱印があり、寺の財産を保障するなどとした内容で、市は今後、専門家などとさらに調査を進めるとしている。
この朱印状は信長が六角氏の居城、観音寺城を落とした後、今の東近江市にある百済寺に送ったものとされるもの。朱印状には永禄11(1568)年9月22日の日付とともに、寺の財産と土地をこれまで通り保障することや、寺を信長の祈願場所とすることなどが記されている。

鎌倉〜昭和初期まで800年の歴史 京都”大原女”再現, 時代行列

京都市左京区で4月29日、鎌倉時代から昭和初期までおよそ800年にわたり続いた”大原女(おおはらめ)”と呼ばれる女性たちの姿を再現した時代行列が行われた。大原女は、市内左京区の大畑地区から街の中心部まで往復およそ20kmを、たきぎなどを頭に乗せて売り歩いた女性たちのこと。
同日はおよそ70人が参加し、紺色の着物にたすき掛けの赤い紐が特徴の衣装を身にまとい、2kmの道のりをおよそ2時間かけて歩いた。今年は新型コロナ禍の影響で中止されていた小学生の参加が5年ぶりに再開され、子ども大原女も加わっていた。

奈良・桜井市の談山神社で春「けまり祭」古代の妙技再現

藤原鎌足を祀る奈良県桜井市の談山神社で4月29日、春の「けまり祭」が行われた。この祭は、藤原鎌足が蹴鞠(けまり)を通じて中大兄皇子と出会い、「大化の改新」の計画を練ったという故事にちなんで春と秋に行われている。烏帽子(えぼし)や袴(はかま)など、色とりどりの古代の衣装を身に着けた保存会の人たちがまりを蹴り合うもの。
同日は保存会のメンバー8人が境内の広場で輪になり、鹿革の白いまりを使って、右足の甲だけを使って蹴り上げる作法のもと、「アリ」「ヤア」「オウ」など独特の掛け声とともに、蹴まりの”技”を披露した。

「日本国宝展」絵画, 仏像, 土器など135点展示 4/26開幕

大阪市立美術館(所在地:大阪市天王寺区)で4月26日から、先人から受け継がれてきた日本の国宝を集めた「日本国宝展」が始まった。6月15日まで。
大阪・関西万博の開催と同館のリニューアルオープンを記念した特別展。絵画、仏像、土器など歴史の教科書にも登場するような国宝135件を入れ替えながら展示する。縄文時代から近世にかけての”厳選された美”に触れる格好の機会となりそうだ。
中国・後漢王朝の皇帝から贈られた「金印『漢委奴國王』」(きんいん かんの・わの・なの・こくおう)、「袈裟襷文銅鐸」(けさだすきもんどうたく)はじめ、「火焔型土器」(かえんがたどき)はおよそ5,000年前の縄文時代中期を代表する土器だ。江戸時代に活躍した絵師、伊藤若冲の代表作「動植綵絵 群鶏図」などは出色。

宮内庁 奈良・正倉院に伝わる「虹龍」はニホンテンと判明

宮内庁正倉院事務所の調査によると、奈良・正倉院に伝わる宝物で貂(てん)のミイラとされる「虹龍(こうりゅう)」が、11〜12世紀のニホンテンだったことが分かった。同事務所が4月23日、「正倉院紀要第47号」で発表した。貂のミイラは全長23cm。頭部や鋭い歯、首やかぎ爪のある後ろ脚、皮膚や内臓のいち部などが残り、両前脚は欠落している。今回の2021〜2023年の調査で、骨や歯の特徴などからニホンテンの雌の成獣だと特定された。
1429年に室町幕府の第6代将軍・足利義教が正倉院で「竜の日干し(ひぼし)」を見たことを、当時の京都・醍醐寺の座主(ざす)が日記に書いているが、実際にはこの虹龍だった可能性が高いという。