若冲・応挙の合作”国宝級”屏風見つかる ”鶏”と”鯉”がコラボ

江戸時代中期に活躍した絵師、伊藤若冲(1716〜1800年)と、円山応挙(1733〜1795年)が合作した屏風が見つかった。この作品が展示される予定の大阪中之島美術館が10月2日、東京都内で記者発表した。今回見つかったのは、金地に水墨で描かれた屏風で、右側と左側に分かれており、それぞれの高さは1m66、幅は1m78。若冲の署名のある左側の「竹鶏図(ちっけいず)屏風」(1790年以前作)には、虫食い穴のある竹の葉や、尾羽が力強くしなる鶏が描かれている。一方、応挙が手掛けた右側の「梅鯉図(ばいりず)屏風」(1787年作)は、筆の勢いを感じさせる大胆な梅と、緻密にうろこが描き込まれた鯉が表現されている。紙の継ぎ目が揃っていることなどから、「二曲一双」と呼ばれる一対の作品とみられる
この2人、同時期に京都にいながら、これまで直接のつながりを示す資料はほぼなかった。確認した美術史家山下裕二・明治学院大教授は「若冲と応挙の接点を示す初めてで唯一の作品。両者の個性が遺憾なく発揮され、非常に基調な発見」と評価している。

『夕刊フジ』25年1月末で休刊 55周年で夕刊紙の役割終えた

産経新聞社は10月1日、公式サイトで発行するタブロイド判夕刊紙『夕刊フジ』を2025年1月31日発行(2月1日付)をもって休刊すると発表した。休刊の理由について、デジタル端末の普及、コロナ禍に伴う帰宅時の購読機会の減少、原材料費、配達コストの上昇ーなどを挙げている。
夕刊フジは1969年2月に創刊。通勤帰宅時の交通機関での読み物として新たな需要を掘り起こした。今回、創刊55周年の節目に、夕刊紙としての一定の役割を終えたと判断した。

10月7日は「引き揚げの日」京都・舞鶴市役所で企画展

終戦後の1945年10月7日に京都府舞鶴市の舞鶴港に最初の引き揚げ船が入港した日にちなみ、同市が条例で定めている「引き揚げの日」を広く知ってもらおうと、同市役所で企画展が開かれている。展示は11日まで。
同展は引き揚げの日を知ってもらい、平和について改めて考えてもらおうと開かれているもの。市役所1階のロビーには、引き揚げ者の多くの人が経験した「シベリア抑留」をはじめ、遭遇した様々な過酷な生活や状況を紹介したパネルなど11点が展示されている。

JAXA はやぶさ2の探査予定の小惑星「トリフネ」探査へ

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月25日、小惑星探査機「はやぶさ2」が2026年7月に探査予定の小惑星「2001CC21」の名称について、「トリフネ」に決まったと発表した。この名称は日本神話に登場する神で、神が乗る船の名前でもある「天鳥船(アメノトリフネ)」にちなんだ。
小惑星リュウグウの試料を地球に持ち帰ったはやぶさ2は現在も宇宙を飛行。2001CC21は小惑星を識別する記号、最終目的地に向かう途中にある。

竹中工務店に「ダ・ヴィンチ賞」創業200年超 老舗企業団体

創業200年を超える老舗企業でつくる国際団体「エノキアン協会」(本部:パリ)は9月25日、今年の表彰企業として竹中工務店(本社:大阪市中央区)に「レオナルド・ダ・ヴィンチ賞」を授与した。ダ・ヴィンチ賞は、文化的価値や固有の技術を保持し、革新を通じて次世代につなぐと判断される企業に贈られるもの。
同協会の総会が9月24〜27日、京都市と奈良市で開かれている。海外企業の約40人を含め総勢約80人が参加。25日は文化庁長官の都倉俊一氏と奈良県出身の映画監督、河瀨直美氏による講演もあった。同協会の日本国内での総会開催は2014年の東京に次いで2回目。

山形大 ナスカの地上絵 AI活用新たに303点発見, 平均9m

山形大学の調査チームは、世界遺産「ナスカの地上絵」で知られる南米ペルーのナスカ台地周辺で、人や家畜をモチーフにした地上絵303点を新たに発見したと発表した。従来見つかっていた巨大な地上絵と比べると、全長が平均9mと比較的小規模。
同チームはこれまでの地上絵データを人工知能(AI)に学習させ、航空写真を分析し調査を効率化。可能性のある地点1,309カ所を絞り込んだうえで、2022年9月〜2023年2月に現地を調べ、303点を発見した。