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菅原道真ゆかりの「飛梅」クローン培養で初開花

京都・北野天満宮(所在地:京都市上京区)と住友林業は3月4日、祭神・菅原道真ゆかりのご神木「飛梅(とびうめ)」を組織培養で増殖させた同じ遺伝子を持つ苗木が、境内で初めて開花したと発表した。同天満宮によると、組織培養で生まれた梅で開花を確認するのは世界初という。
道真の「東風(こち)ふかば にほひおこせよ梅の花 あるじなしとて 春をわするな」の句で詠まれた梅。この飛梅は、道真が藤原氏との政争に敗れて九州・大宰府へ左遷された後、京都の屋敷から大宰府まで主を慕って飛んで行った伝承が伝わっている。現在の飛梅は江戸時代に接ぎ木され、樹齢は350年以上と推定される。

奈良・東大寺二月堂 お水取り”お松明”始まる

”お水取り”の名で知られる奈良に春の訪れを告げる東大寺二月堂の「修二会」の一環で、二月堂の舞台から大きなたいまつを振って、火の粉を散らす迫力満点の”お松明”が3月1日から始まった。
「童子」と呼ばれる僧侶の補佐役が燃え盛るたいまつを二月堂の欄干から突き出して駆け抜けると、暗闇の中、火の粉が勢いよく降り注いだ。あいにくの雨の中、訪れた人たちは傘をさしながら、静かに幻想的な光景を見守っていた。
お松明は3月14日まで毎晩行われるが、新型コロナ対策として12日は非公開とし、そのほかの日も”密”を避けるため、二月堂周辺の立ち入り人数を制限する。
修二会は、国の安泰を願って11人の僧侶がおよそ1カ月にわたって法要などを行う伝統行事で、奈良時代から途絶えることなく続けられ、今年で1,271回目を迎える。

京都で幕末に活躍した歌川国芳と弟子たちの作品展

幕末に活躍した浮世絵師、歌川国芳やその弟子たちの作品展が2月26日から京都文化博物館(所在地:京都市中京区)で開かれている。4月10日まで。
国芳や弟子たちの作品には、人を驚かせたり、考えさせたりしたいという狙いがあり、なぞ解きをするように、作品に込められて意味を想像しながら見る楽しみがある。「相馬の古内裏」は、妖怪退治に訪れた武士に大きな骸骨が襲い掛かる様子が描かれている。「朝比奈三郎鰐退治」は、鎌倉時代にワニを生け捕りにしたという武士を表現している。国芳はみたことのないワニを描くために、書物の挿絵を参考に魚と組み合わせて、どう猛そうなワニを想像で描いたという。

京都の春を彩る「都をどり」3年ぶり開催 伝統継承へ 南座で

京都の春を彩る、祇園の芸妓・舞妓による舞踊公演「都をどり」が3年ぶりに開催されることになった。主催団体は芸・舞妓の育成や伝統を継承させる必要があるとして、感染対策を取ったうえで実施する。ただ、感染防止のため出演する芸・舞妓を例年より少なくするほか、新型コロナ収束を願う演目も取り入れる。
都をどりは、京都の花街の1つ、祇園甲部の芸・舞妓らによる舞踊公演で、140年余りの歴史がある。例年使用の会場が工事中のため、近くの「南座」を会場にして、4月1日から24日まで開催される。

ユネスコ・イコモスがJR東日本に高輪築堤の解体中断要求

世界文化遺産の登録審査を担う国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)は1月28日付文書で、JR東日本に対し、東京都港区の高輪ゲートウェイ駅周辺で出土した鉄道以降「高輪築堤」の解体中断を求めたことが分かった。イコモスは「保存状態が非常によく、国内的にも国際的にも非常に意義深い」と評価しているという。
この築堤は約800mにわたり断続的に見つかったもので、このうち計約120mは2021年9月に国史跡に指定され、現地保存が決まっている。残りの大部分は移築か、解体して記録だけを保存する作業が進んでいる。
高輪築堤は1872年に東京・新橋-横浜を結ぶ日本初の鉄道が開業した際に造られた。当時は海だった区間を埋め立てて土を盛り、そのうえに線路を敷設した。

福井県立恐竜博物館 恐竜が歩いた跡の化石発見 勝山市

福井県立恐竜博物館(所在地:福井県勝山市)は2月15日までに、同市北谷町にある約1億2,000万年前(白亜紀前期)の「手取層群北谷層」から恐竜の足跡の化石が見つかったと発表した。見つかった化石は計10個で、「竜脚類」が前脚と後ろ足で歩いた跡という。足跡は前脚と後ろ脚各5点。最も大きいもので縦58cm、横32cm。足跡の大きさから全長約10~15mの恐竜のものと推測される。勝山市で発掘された竜脚類「フクイティタン」と同程度か、より大きい可能性があるという。