奈良市の平城宮跡資料館で、奈良時代の文字が書かれた木の板「木簡」を紹介する展示会が開かれている。「地下の正倉院展」と題されたこの展示会は、奈良文化財研究所が毎年この時期に開いているもの。
今年は当時の生活様式を窺わせる木簡など、国宝3点を含むおよそ50点が2回に分けて展示される。このうち、奈良時代に送検された奈良市の西大寺の井戸の跡で見つかった木簡には、寺の食事についてウリやナスなど野菜が中心だったことが記されている。ただ、同じ井戸の跡から当時、僧侶が食べてはしけないとされていたイワシやコイなどの骨が見つかったことも紹介され、木簡だけでは読み解けない当時の食生活を想像させる展示になっている。
この展示会は11月7日まで開かれている。