シャープ(本社:大阪府堺市)は10月8日、中国スマートフォン大手、OPPO(オッポ)に対するすべての特許訴訟を取り下げると発表した。同社との間で、両社の通信技術の特許を含み、それぞれの端末製品の販売をカバーする、グローバルな特許クロスライセンス契約を締結し、協力図ることにしたもの。
両社間の特許関連訴訟紛争は、2020年より世界各地で展開されてきたが、今回のクロスライセンス契約の締結で、各地での訴訟取り下げに合意することで、両社の特許ポートフォリオの価値を認めることにつながる。
奈良・平城宮跡資料館で木簡紹介 当時の食生活窺わせる
奈良市の平城宮跡資料館で、奈良時代の文字が書かれた木の板「木簡」を紹介する展示会が開かれている。「地下の正倉院展」と題されたこの展示会は、奈良文化財研究所が毎年この時期に開いているもの。
今年は当時の生活様式を窺わせる木簡など、国宝3点を含むおよそ50点が2回に分けて展示される。このうち、奈良時代に送検された奈良市の西大寺の井戸の跡で見つかった木簡には、寺の食事についてウリやナスなど野菜が中心だったことが記されている。ただ、同じ井戸の跡から当時、僧侶が食べてはしけないとされていたイワシやコイなどの骨が見つかったことも紹介され、木簡だけでは読み解けない当時の食生活を想像させる展示になっている。
この展示会は11月7日まで開かれている。
奈良・興福寺の五重塔 120年ぶり大規模修理を前に一般公開
パナソニック 電動自転車の生産を増強 コロナと高齢化で
パナソニック(本社:大阪府門真市)は、電動アシスト自転車の国内生産体制を増強した。15億円超を投じ、大阪府柏原市の工場を刷新。心臓部となるモーターの生産能力を最大1.8倍に引き上げ、軽量化した新製品も開発した。車体の塗料を液体から再使用可能な粉末に切り替えるなど、環境にも配慮した。工場全体の生産能力は3割増の年間38万台となり、将来は一段の強化も見込む。
新型コロナウイルスの流行で、通勤時などに人との接触を避けられる自転車の人気が高まっているほか、高齢化の進展に伴う需要増にも対応する。
ソニー「SOLISS」宇宙から商用光地上局へのデータ通信成功
ノルウェーの衛星関連サービス会社、コングスベルグ・サテライト・サービシズ(以下、KSAT)とソニーコンピュータサイエンス研究所(以下、ソニーCSL)は10月7日、国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟に設置した小型光通信実験装置「SOLISS」(Small Optical Link for International Space Station)とギリシャに設置された世界初の商用光地上局までのダウンリンク確立に成功したと発表した。
同実験の成功は、小型で汎用性の高いレーザー通信端末同士による宇宙-地上間での通信の実現に向けた重要な成果で、今後の宇宙空間における地球周回軌道をはじめとした衛星間や地上との超高速・低遅延データ通信や、大容量リアルタイムデータ通信の社会実装が期待される。
SOLISSは、国立研究開発法人宇宙航空券開発機構(以下、JAXA)とソニーCSLが軌道上技術実証のために共同開発した、長距離空間大容量データ通信を目的とする小型衛星光通信システム。
岩谷産業 タイにヘリウムセンター開設 11月開業
岩谷産業は10月7日、100%出資子会社の泰国岩谷会社がバンコクガスセンター(所在地:サムットプラカーン県)を新たに建設し、2021年11月より開業すると発表した。同センターはヘリウムを主体とした工業ガスの充填拠点で、東南アジア域内でのヘリウム拠点はマレーシアに次いで2拠点目。同センターの面積は8,000㎡。ガスヘリウム、液化ヘリウムの充填・販売を手掛ける。
拡大する東南アジアの工業ガス市場で、ヘリウムを主体とした工業ガスの供給拠点を新設することで、工業ガスビジネスの拡大を図る。また、同地域での安定供給体制を強化する。