新潟大学の研究チームは9月18日までに、江戸時代初期の17世紀前半に北海道を襲ったとされる巨大津波について、北海道南部の勇払平野(所在地:苫小牧市)に残る痕跡の分布範囲を明らかにした。結論は、地中の津波堆積物は現在の海岸線から内陸約2kmにとどまり、2020年4月、内閣府の有識者会議が公表した、沿岸から最大約10km、100㎡超の浸水想定より大幅に狭いーとの見解。
調査は2019〜2022年度に実施。計86地点から最深で約1.5〜2mの地層を引き抜き、過去3,000年間の堆積物を調べた。17世紀の地層からは津波によって海から運ばれた海洋性の植物プランクトンを発見。CT分布を追跡したところ、海岸から約2km以遠で確認できなくなったという。