大阪・枚方市の禁野本町遺跡で奈良・平安期の都市の”道路跡”出土

大阪府枚方市によると、同市の奈良時代から平安時代初期の遺跡「禁野本町遺跡」の発掘調査で幅12mと推定される”道路跡”が見つかった。この遺跡は国の史跡「百済寺跡」の北側に奈良時代から平安時代初期に栄えた古代都市の遺跡。朝鮮半島の古代国家、百済の王族の子孫百済王氏が築き、南北900m、東西450mの範囲の碁盤の目のように道路が整備されていたことが分かっている。
この道路跡は、都市の中央を南北に走っていたメインストリートと考えられ、市は「当時では異例ともいえる整備された都市の姿が明確になった」としている。市は一帯の住宅開発に先立って9月から10月にかけて行った発掘調査の結果見つかったという。

東大 白亜紀の草食恐竜の食性の時代変化を解明 歯の傷の分析で

白亜紀(約1億5,000万年前から6,600万年前)の草食恐竜はどんな植物を食べていたのか?東大と、沖縄科学技術大学院大学、英国リンカーン大学のメンバーを含めた国際共同研究グループは世界で初めて、白亜紀の生態系で重要なメンバーであった鳥脚類恐竜の食性変化を明らかにした。これは歯の微細な傷(マイクロウェア)を分析し、歯の摩耗を促進させる植物を食べるような変化があったことを調べ上げたもの。この成果は、12月1日に古生物学の学術誌『Palaeontology』に掲載された。
今後、同様の手法を鳥脚類以外の草食恐竜にも適用することで、恐竜と被子植物がどのように関係しながらも、進化してきたのかを、明らかにできると期待される。

羽田空港アクセス線 工事予定地で「高輪築堤跡」石垣発見

東京都港区教育委員会などによると、「羽田空港アクセス線」工事予定地で国内初の鉄道の線路敷設のため、明治時代に築かれた「高輪築堤跡」の一部とみられる石垣が見つかった。これは同建設予定地で文化財などが確認するために2022年から2023年6月にかけて試験的に行った発掘調査の結果、分かったもの。田町の駅近くで高輪築堤跡の一部とみられる石垣が見つかったという。これを受け都教育委員会は10月、文化財保護法に基づき「埋蔵文化財包蔵地」に指定した。
高輪築堤は明治5年、新橋ー横浜間に開通した国内初の鉄道の線路を敷設するため、盛り土や石垣で築かれたもので、明治の文明開化を象徴する重要な遺構として国の史跡に指定されている。

2030年万博 リヤド開催を決定 BIE 投票で釜山・ローマを凌ぐ

博覧会国際事務局(BIE、本部:パリ)は11月28日、パリ近郊で開かれた総会で、2030年国際博覧会(万博)をサウジアラビアのリヤドで開催することを決めた。リヤドでは「変化の時代共に先進性のある明日へ」をテーマに、2030年10月1日〜2031年3月31日まで万博を開催する予定。
総会では韓国・釜山、イタリア・ローマを含めた3カ国による誘致に向けた最終プレゼンテーションが行われ、その後、BIE加盟国による投票の結果、3分の2を超える119票を集めたリヤドに決まった。

滋賀・栗東市で古墳時代築造の7つの古墳新たに見つかる

滋賀県文化財保護協会が、栗東市六地蔵の農地で2022年11月から行った発掘調査の結果、これまで存在が知られていなかった古墳時代の古墳が新たに7つ見つかった。このうち1つは直径22mの円墳、残る6つは1辺の長さがおよそ7mから15mの方墳。いずれも土を盛り上げて造られた墳丘や被葬者を納める埋葬施設は失われていて、墳丘の周囲をめぐる溝が確認されたという。また溝からは埴輪の破片や土器が見つかっていて、これらの特徴などから古墳時代の前期から後期にかけて造られた、地域の集落の有力者の墓と考えられるという。

飛鳥宮跡で塀の跡見つかる 最初の宮殿「飛鳥岡本宮」の遺構か

奈良県立橿原考古学研究所の調査によると、奈良県明日香村で7世紀後半につくられた天武天皇や持統天皇の宮殿跡より、さらに古い時期、7世紀前半の舒明天皇の時期の塀の跡が見つかった。天武・持統天皇のころのものと異なる方位に向いて建てられているという。見つかったのは天皇の住まいがあった「内郭」と呼ばれる区域で、長さおよそ35mの塀の跡。研究者はこの場所につくられた「飛鳥岡本宮」の塀の可能性が高いと注目している。