札幌市で発見のクジラ化石 世界初の新種と判明

札幌市博物館活動センターによると、2008年に札幌市南区で発見されたクジラの化石が、約900万年前のもので、新属新種のセミクジラの一種であることが分かった。世界初の発見。同センターによる17年にわたる調査と研究の結果分かり、海外の学術誌に発表された。学名はメガバラエナ・サッポロエンシスで、和名はサッポロクジラと名付けられた。

奈良 弥生期の唐古・鍵遺跡から斧状鉄器出土

奈良県田原本町などは8月21日、弥生時代の代表的な環濠集落跡の唐古・鍵遺跡から、斧(おの)状の鉄製品(紀元前1世紀末〜後1世紀)が出土した。
同町によると、鉄製品は長辺約7.7cm、短辺約3.7cm、厚さ約0.6cm。全体がサビに覆われていた。エックス線写真を観察すると、2カ所で刃の部分を確認した。鋳造鉄斧の破片を再加工し、新たに刃をつくり出したとみられる。鉄製品は井戸の遺構から見つかった。

堺市の大山古墳 上空からの観光気球 10/4から運行

大阪府堺市は8月21日、世界遺産で国内最大の古墳「大山古墳(仁徳天皇陵)」を上空から一望する観光気球を10月4日から運行すると発表した。料金は居住地で分け、一般は市民に比べ3割前後高く設定する。
気球は30階建てのビルに相当する地上1,000m程度まで約15分かけて上昇・下降する。運行は年中無休で、午前10時から午後6時まで。

261年ぶり大阪に”朝鮮通信使船”万博に合わせ復元

大阪・関西万博に合わせて復元された”朝鮮通信使船”が大阪にやってきた。江戸時代に朝鮮王朝の外交使節団として日本を訪れた朝鮮通信使。実に261年ぶりのことだ。日本と韓国の関係者たちの熱意で実現したこの航海で新たな歴史が刻まれた。
朝鮮通信使は、徳川家康が江戸に徳川幕府を開いて間もない1607年から1811年までの間に12回来日。このうち1764年までの11回は総勢で最大500人が、当時の「大坂」を経由して江戸へ向かった。通信使は楽隊を中心に文化人や武芸に優れた人たちで構成。これに通訳も同行、”文化交流”の役割も担い、両国の平和構築に大きく貢献した。

京都 お盆伝統行事「五山送り火」古都の夜空照らす

京都のお盆に迎えた先祖の霊を送る伝統行事「五山送り火」が8月16日行われ、京都市内各所で送り火を見る多くの人でにぎわい、写真に収めたり、幻想的な情景に見入っていた。
午後8時に点火が始まると、山の斜面に「大」の文字が浮かび上がる。そして「妙法」、「船形」、「左大文字」「鳥居形」の順に火が灯される。燃え上がる炎が古都の夜空を照らした。
五山送り火は,京都盆地を囲む5つの山々に文字や形が炎で描かれ、古都の夜空を照らす恒例の伝統行事。

縄文期の食習慣 稲作伝来の弥生期も継続していた

奈良文化財研究所の庄田慎矢・国際遺跡研究室長はこのほど、米国の科学誌に、縄文時代の食習慣は稲作伝来後のコメ、アワ・キビなどの穀物栽培が朝鮮半島から日本列島にもたらされた弥生時代も維持・継続していたとする研究結果を発表した。
考古生化学が専門の庄田さんが、土器に染み込んだ脂質を分析し、その土器で調理された動・植物を判別する研究に取り組んでいる。
論文は、英国のケンブリッジ大やヨーク大との経堂研究成果として7月21日(現地時間)に米国科学アカデミー紀要電子版に掲載された。