米探査車が火星着陸に成功 土壌を調べ生命の痕跡を探す

米航空宇宙局(NASA)は日本時間2月19日、探査車「パーシビアランス」が火星に着陸したと発表した。探査車の大きさは小型車ほどで、重さ約1トン。母船とともにカプセルに入った状態で、秒速5km超の猛スピードで火星の大気圏に突入。パラシュートを開いて減速した後にカプセルを離れ、母船はエンジンを逆噴射して降下し、ひもでつながった探査車を下した。
火星は数十億年前には温暖で液体の水があり、微生物が生きられる環境だったと考えられており、土壌を調べて生命の痕跡を探す。探査対象は北半球にある直径45kmのクレーター。流水で土砂が堆積したような地形から、35億年前は湖だったとみられる。NASAの探査車や探査機で火星着陸に成功したのは9件目。

豊臣期の大坂城の石垣公開 1615年の落城時の火災の痕跡確認

大阪城(所在地:大阪市中央区)で2月19日、豊臣秀吉時代の石垣の一般公開が始まった。石垣は1615年、大坂夏の陣で豊臣家が滅亡、大坂城が落城した後、豊臣家の栄華の痕跡の一端だけに、これを消し去りたい徳川幕府によって地中に埋められた。
大阪市教育委員会などの発掘調査で、この焼け焦げた石垣の存在が明らかになり、400余年前の落城時の火災の痕跡を確認できる。大阪市は2023年春に現地で展示施設の開館を目指している。

薬師寺・東塔竣工式 解体修理は110年ぶり 心柱・基壇を補強

2009年に始まった奈良・薬師寺の国宝・東塔(高さ約34m)の解体修理が完了し2月15日、竣工式が営まれた。東塔は約1300年前の創建当初から残る唯一の建物で、解体修理は約110年ぶり。式には僧侶や土木工事関係者ら約60人が出席し、花びらを模した紙片「散華」を撒いて完成を祝った。
今回の修理では、南海トラフ巨大地震などに備え、塔を貫く心柱(しんばしら)や塔の土台・基壇を補強した。2020年4月に落慶法要の予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期されていた。

秀吉の創建時の方広寺築地塀の礎石見つかる 古文書を裏付け

京都市埋蔵文化財研究所は2月10日、豊臣秀吉が桃山時代に建立した方広寺(ほうこうじ、所在地:京都市東山区)の旧境内で、創建時の築地塀(ついじべい)の礎石を見つけたと発表した。この礎石は、京都国立博物館・明治古都館の免震工事に伴い、2020年9月に始まった調査で見つかった。
築地塀は1596年の慶長伏見地震で倒壊し、秀吉の死後に子の秀頼が回廊に造り替えた。秀頼時代の回廊跡は1990年代からの発掘で確認されていたが、文書や絵図のみで知られていた創建時の姿が今回の調査で裏付けられた。
秀吉時代には、奈良・東大寺大仏殿を上回る南北約88m、東西約54m、高さ約48mの大仏殿を築地塀が囲んでいた。大仏殿は1602年に焼失し、秀頼により1614年に再建されたが、1798年落雷で焼け落ち、現在は残っていない。

翼竜「ヒタチナカリュウ」の化石 実は国内最大級スッポンの骨

ミュージアムパーク茨城県自然博物館(所在地:茨城県坂東市)などの研究によると、2002年に茨城県ひたちなか市で見つかり、翼竜の骨とされてきた化石が、実は太古のスッポンの骨だったことが分かった。
化石は当時、翼竜の肩甲骨と鑑定され、「ヒタチナカリュウ」と命名されて、新種の可能性にも言及されるなど話題となった。白亜紀のスッポンの化石では国内最大級と推定された。