琵琶湖疏水施設 国宝に 土木構造物の国宝は初めて 文化審

文化審議会は5月16日、琵琶湖の水を京都に引き込む運河「琵琶湖疏水施設」(所在地:滋賀県大津市、京都市)のうち南禅寺水路閣などを国宝に、大津運河などを重要文化財に指定するよう答申した。
琵琶湖疏水施設は、舟運や発電、水道の水源などの機能を持つ、明治日本における都市基盤施設の金字塔とされる。近代の土木構造物が国宝となるのは初めて。

「太陽の塔」重文指定へ 70年万博の”顔”スピード指定

文化審議会は5月16日、1970年大阪万博のシンボルで、芸術家の岡本太郎が手掛けた「太陽の塔」(所在地:大阪府吹田市)を重要文化財(建造物)に指定するよう、文部科学相に答申した。高度経済成長期のレガシー(遺産)として評価された。55年を経て大阪で再び万博が開催される中、大阪府が動き出してわずか4年での「スピード指定」となった。

京都・葵祭 御所→下鴨神社→上賀茂神社を平安絵巻行列

京都三大祭の一つ、葵祭が5月15日、京都市内で行われた。華やかで彩り豊かな平安装束姿の祭のヒロイン、輿に乗った斎王代ら約500人が参加。フタバアオイの葉の飾りを身に着けた武官や女官役、約40頭の牛馬などでつくる王朝さながら、全長約1kmに及ぶ優雅な平安絵巻行列が、京都御所ー下鴨神社ー上賀茂神社の約8kmを歩いた。

気象庁 ”黒潮大蛇行 終息に向かいつつある” 7年9カ月の湾曲

気象庁は5月9日、2017年8月から続いていた、黒潮の流れが大きく湾曲する「黒潮大蛇行」と呼ばれる現象がようやく終息に向かいつつあると発表した。ただ、終息までにはさらに3カ月ほどかかる見通しだという。船舶や衛星による観測などから元の流れに戻りつつあるという。
黒潮は、日本の南岸を列島に沿うように北東へ流れる暖流で、2017年8月、紀伊半島から東海地方にかけての沖合で南に大きく湾曲する流れに変わった。以降、7年9カ月にわたりこの現象が続いていた。

幻の1940年”東京万博”の回数券使えます 万博の歴史継承

日本国際博覧会協会(万博協会)は5月5日、日中戦争の影響で急遽、中止となった1940年「東京万博」の回数券と、大阪・関西万博の入場券の引き換えを始めた。1970年大阪万博や2005年愛知万博でも同様の対応が取られたことで、今回も「万博の歴史を継承したい」としている。
東京万博は神武天皇の即位2600年を記念し、日本初の万博として東京を主会場に計画され準備が進められていたが、日中戦争の激化で中止された。正式名称は「紀元2600年記念日本万国博覧会」で、”幻の万博”とも呼ばれる。1冊12枚綴りの回数券は、戦時中の混乱で払い戻しされなかったケースも多く、1970年大阪万博や2005年愛知万博では招待券との引き換え措置が取られた。

「日本国宝展」絵画, 仏像, 土器など135点展示 4/26開幕

大阪市立美術館(所在地:大阪市天王寺区)で4月26日から、先人から受け継がれてきた日本の国宝を集めた「日本国宝展」が始まった。6月15日まで。
大阪・関西万博の開催と同館のリニューアルオープンを記念した特別展。絵画、仏像、土器など歴史の教科書にも登場するような国宝135件を入れ替えながら展示する。縄文時代から近世にかけての”厳選された美”に触れる格好の機会となりそうだ。
中国・後漢王朝の皇帝から贈られた「金印『漢委奴國王』」(きんいん かんの・わの・なの・こくおう)、「袈裟襷文銅鐸」(けさだすきもんどうたく)はじめ、「火焔型土器」(かえんがたどき)はおよそ5,000年前の縄文時代中期を代表する土器だ。江戸時代に活躍した絵師、伊藤若冲の代表作「動植綵絵 群鶏図」などは出色。