江戸期 大坂ー京都・伏見結ぶ三十石船10/13一日限定で復活

江戸時代、淀川を通って大坂ー京都・伏見(約40km)を往来した三十石船が10月13日、一日限定で復活する。開幕まで半年となる2025年大阪・関西万博周知、PRおよび観光振興のクルーズイベント「淀川クルーズFESTIVAL」の一環。枚方から上流で水深が浅い場所が複数あったが、国土交通省近畿地方整備局が川底を掘り下げ、上流を安全に航行することが可能となった。
13日に使用する一本松海運(所在地:大阪市北区)の観光船「辨天(べんてん)」(定員60人)は全長約16mで、三十石船を模した構造・大阪・八軒家浜船着場から、途中の枚方、八幡で乗客を入れ替えながら伏見まで航行する。
江戸時代、かやぶき屋根を備えた三十石船は上り約12時間、下り約6時間かけて往来。往時には1日320便を運航し、9,000人を運んだとされる・

正倉院「開封の儀」天平期の宝物57点を正倉院展に展示

聖武天皇の遺愛品など天平期の宝物約9,000件を収蔵する奈良市の正倉院で10月2日、宝物の点検や手入れなどのために年1度、勅封を解いて宝庫の扉を開ける「開封の儀」が行われた。
宝物のうち、「鹿草木夾纈屏風(しかくさききょうけちのびょうぶ)」や「紅牙撥鏤尺(こうげばちるのしゃく)」など57件は、10月26日〜11月11日に奈良市の奈良国立博物館で開催される「第76回正倉院展」に出展される。なお、手入れなどを終えた後、11月29日に「閉封の儀」が行われる。

若冲・応挙の合作”国宝級”屏風見つかる ”鶏”と”鯉”がコラボ

江戸時代中期に活躍した絵師、伊藤若冲(1716〜1800年)と、円山応挙(1733〜1795年)が合作した屏風が見つかった。この作品が展示される予定の大阪中之島美術館が10月2日、東京都内で記者発表した。今回見つかったのは、金地に水墨で描かれた屏風で、右側と左側に分かれており、それぞれの高さは1m66、幅は1m78。若冲の署名のある左側の「竹鶏図(ちっけいず)屏風」(1790年以前作)には、虫食い穴のある竹の葉や、尾羽が力強くしなる鶏が描かれている。一方、応挙が手掛けた右側の「梅鯉図(ばいりず)屏風」(1787年作)は、筆の勢いを感じさせる大胆な梅と、緻密にうろこが描き込まれた鯉が表現されている。紙の継ぎ目が揃っていることなどから、「二曲一双」と呼ばれる一対の作品とみられる
この2人、同時期に京都にいながら、これまで直接のつながりを示す資料はほぼなかった。確認した美術史家山下裕二・明治学院大教授は「若冲と応挙の接点を示す初めてで唯一の作品。両者の個性が遺憾なく発揮され、非常に基調な発見」と評価している。

10月7日は「引き揚げの日」京都・舞鶴市役所で企画展

終戦後の1945年10月7日に京都府舞鶴市の舞鶴港に最初の引き揚げ船が入港した日にちなみ、同市が条例で定めている「引き揚げの日」を広く知ってもらおうと、同市役所で企画展が開かれている。展示は11日まで。
同展は引き揚げの日を知ってもらい、平和について改めて考えてもらおうと開かれているもの。市役所1階のロビーには、引き揚げ者の多くの人が経験した「シベリア抑留」をはじめ、遭遇した様々な過酷な生活や状況を紹介したパネルなど11点が展示されている。

JAXA はやぶさ2の探査予定の小惑星「トリフネ」探査へ

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月25日、小惑星探査機「はやぶさ2」が2026年7月に探査予定の小惑星「2001CC21」の名称について、「トリフネ」に決まったと発表した。この名称は日本神話に登場する神で、神が乗る船の名前でもある「天鳥船(アメノトリフネ)」にちなんだ。
小惑星リュウグウの試料を地球に持ち帰ったはやぶさ2は現在も宇宙を飛行。2001CC21は小惑星を識別する記号、最終目的地に向かう途中にある。

竹中工務店に「ダ・ヴィンチ賞」創業200年超 老舗企業団体

創業200年を超える老舗企業でつくる国際団体「エノキアン協会」(本部:パリ)は9月25日、今年の表彰企業として竹中工務店(本社:大阪市中央区)に「レオナルド・ダ・ヴィンチ賞」を授与した。ダ・ヴィンチ賞は、文化的価値や固有の技術を保持し、革新を通じて次世代につなぐと判断される企業に贈られるもの。
同協会の総会が9月24〜27日、京都市と奈良市で開かれている。海外企業の約40人を含め総勢約80人が参加。25日は文化庁長官の都倉俊一氏と奈良県出身の映画監督、河瀨直美氏による講演もあった。同協会の日本国内での総会開催は2014年の東京に次いで2回目。