奈良文化財研究所などによると、奈良市の「平城京」跡で宮殿などの修理や工事を担ったとされる役所、”修理司”の文字が記されたとみられる瓦が見つかった。出土した現場は、東大寺と並ぶ規模を誇った「西大寺」のある一帯で、専門家は「大規模な開発が行われていたことを示す大きな発見」としている。
この瓦は、奈良市の元興寺文化財研究所が2022年行った発掘調査で見つかった。サイズは長さ21cm、幅17cm。出土現場の西大寺付近に修理司の拠点が置かれていたと考えられるという。瓦は7月15日から橿原市の奈良県立橿原考古学研究所の附属博物館で展示される。
文科省 本年度は見送り「飛鳥・藤原」「彦根城」世界遺産推薦せず
宇宙望遠鏡「ユークリッド」打ち上げ 100億光年先の銀河を観測
宇宙空間を飛行しながら観測を行い、宇宙がどのように進化してきたのかを探ろうと、100億光年先までの銀河を観測する宇宙望遠鏡「ユークリッド」が日本時間、7月2日午前0時過ぎ、米国南部フロリダ州から打ち上げられた。ユークリッドはESA(ヨーロッパ宇宙機関)が中心になって開発された宇宙望遠鏡で、口径が1.2mあり、可視光と遠赤外線を観測できる2種類の装置を備えている。
ユークリッドは、これらの装置で100億光年先までの銀河を観測して巨大な地図をつくり、宇宙の大規模な構造の進化の過程や、宇宙の膨張が時間の経過とともにどう変化してきたのか、明らかにすることを目指す。今後4週間ほどかけて地球からおよそ150万km離れた地点まで移動し、およそ3カ月後に観測を開始する予定。