インド・ニューデリーで開催中の国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の政府間委員会は12月11日、すでに登録された無形文化遺産に、日本が追加することを申請している行事や技の計6つを登録することを正式に決めた。
ユネスコ無形文化遺産の日本からの登録数は23件で変わらない。2026年は、新規登録候補の「書道」が審査される見込み。
追加される行事と技は以下の通り。【和紙】越前鳥の子紙(福井県越前市)【山・鉾・屋台行事】常陸大津の御船祭(茨城県北茨城市)、村上祭の屋台行事(新潟県村上市)、放生津八幡宮祭の曳山・築山行事(富山県射水市)、大津祭の曳山行事(滋賀県大津市)【伝統建築工匠の技】手織中継表(ておりなかつぎおもて)製作。
人類の火起こし5万年前→40万年前に遡る
土師の里遺跡で国内最古級の角杯土器出土
本質議論”無視”の衆院議員定数削減法案
自民党と日本維新の会が、衆院議員の定数削減の段取りを定めたプログラム法案を国会に提出した。これは、”身を切る改革”を訴える維新が、自民との連立条件として求めていたもの。ただ、両党には微妙に温度差がある。自民には”問答無用”のこの法案提出に慎重論もあった。しかし、少数与党の現状、連立維持を優先させた。
その結果、国会や選挙のあり方など本質的な議論が全くなされないまま、維新に引きずられた、その根拠も明確になされないままの結論”むき出し”の、しかも欠陥だらけの乱暴な法案となった。
なんと衆院の協議会が1年以内に削減方法を決めなければ、自動的に小選挙区25、比例選20の計45議席を減らすという条項が盛り込まれている。期限までに与野党が合意できなければ、有無を言わさず定数を減らすというやり方は、ほとんど脅しに等しいものだ。
政治とカネの問題が相次ぎ、政治家への不信が国民の間にあるのは確かだが、だからといって定数を減らしても問題解決にはならない。今こそ定数だけに捉われず、難しい課題だが、民意を的確にくみ取る選挙制度の構築に向け、与野党挙げた真摯な議論が求められる。
米国はロシアの”やった者勝ち”を許すな!
ロシアのプーチン大統領が、モスクワを訪問した米国のウィトコフ特使らと会談した。米国側は、ウクライナを巡る最新の和平案を提示したが、プーチン氏は受け入れず、協議は継続となった。
ウクライナ国民にとって1日も早い戦闘終結が望みとはいえ、今は仲介人たる米国、トランプ大統領に何より優先、堅持してほしいことがある。それは、侵略戦争を始めたロシアに決して”戦果”を与えてはいけないということだ。
ウクライナに侵略戦争を仕掛けたロシアに、戦果を与えてしまっては、国際秩序は根底から崩れてしまう。”やった者勝ち”になってしまうのだ。冷静に第三者の視点でみれば、プーチン氏は戦争を仕掛け、何十万人ものウクライナの無辜(むこ)の人々の命を奪った、断罪されるべき国際的な”極悪犯罪人”のはずだ。
トランプ氏が、侵略された側のウクライナを屈服させて戦争を強引に終わらせれば、力による現状を認めることになる。それでは、外交で成果を挙げて、来年秋の中間選挙での勝利や、自身が狙いとするノーベル平和賞の受賞には、決して繋がらない。”平和の立役者”どころか、まかり間違えれば”平和の破壊者”の汚名を残すことにもなりかねないことを念頭に置いて、和平協議にあたることが求められている。
最終和平案の詳細は公表されていないが、とにかくトランプ氏は、プーチン氏に振り回されすぎる。ロシアに対する融和姿勢というより、ロシアに寄り添った姿勢には心底呆れるばかりだ。決して安易な妥協は許されない。
地方の税収 偏在是正へ税制見直しを
総務省の有識者検討会が地方税制に関する報告書をまとめた。税収の多い東京と、税収不足に悩む地方の格差が広がっているとし、国に対策を講じるよう求めている。
東京都の税収はどれくらいで、他の46道府県とどれくらい違うのか?2023年度の地方税全体に占める都の税収は、実に17.6%に上っている。税目別でみると、企業に課税する地方法人税では22.5%、土地の固定資産税では25.1%がそれぞれ都に入っている。
地方法人税は、地方に支店があっても、本社のある自治体に多くが入る仕組みとなっている。こうしてみると、東京に多く税収が集まるのは、一向に歯止めがかからない「東京一極集中」の進行という構造的な問題でもあるのだ。
総務省によると、人口1人あたりの地方税収額を比べると、都は最も少ない長崎県の2.3倍に上る。都が独自の施策を行う場合、住民1人あたり年28万円の予算を充てられるが、他の道府県では平均8万円にとどまるという。
こんな潤沢な税源をベースに、都の行政サービスは目を見張る物がある。子育て支援では、18歳以下に1人あたり月5,000円を給付している。今夏には水道の基本料金を4カ月間、無償とした。
自治体間の税源の不均衡を是正する措置としては交付税がある。だが、交付税措置だけでは、行政サービスを維持するのが難しくなっている自治体もある。算定方法を見直し、小規模自治体にも手厚い措置を講じる必要があろう。
地方が疲弊し続ける悪循環を断ち、国全体の活力を維持するため、時代の変化に合わせ、税源の偏在を早急に改めるべく、税制のあり方を見直すことが求められている。