大阪府堺市の文化観光施設「さかい利晶の杜」は、同市出身の歌人、与謝野晶子の代表作『君死にたまふことなかれ』に込められた思いを世界の人々に知ってほしいと、15の言語に翻訳、紹介した企画展を開いている。同企画展は6月16日まで。
日露戦争(1904〜1905年)当時、与謝野晶子は生まれ育った実家、商家の跡継ぎとなるはずの、激戦地にいる弟の身を案じて「あゝをとうとよ 君を泣く 君死にたまふことなかれ」と、どうか戦死だけはしないでほしいとの心情を切々と詩に詠み上げた。企画展ではこの詩をウクライナ語、ロシア語、ヒンディー語、韓国語など15の言語に翻訳し、パネル展示している。
世界各地で激しい戦闘が続く中だけに、戦争の悲惨さを痛切に訴える言葉として読む人の心に”刺さる”のではないか。
騎馬武者による福島「相馬野馬追」2カ月前倒し開催
1,000年以上の歴史を誇り、甲冑(かっちゅう)姿の騎馬武者が戦国絵巻さながらの光景を繰り広げる行事「相馬野馬追」(5月25〜27日)が5月25日、福島県相馬市で開幕した。例年7月に開催されていたが、2023年に猛暑の中、熱中症で馬2頭が死ぬなどしたため、今年から猛暑を避け、2カ月前倒し開催となった。
25日は相馬市の相馬中村神社から武者行列が出陣。騎馬武者は沿道から声援や拍手を受けながら、さっそうと市内を練り歩いた。26日には「甲冑競馬」や「神旗争奪戦」が行われる予定。
相馬野馬追は、相馬市の遠祖とされる平将門が放った野馬を敵に見立てて軍事演習したことが起源とされ、国の重要無形民俗文化財に指定されている。
京大 iPS細胞から精子, 卵子のもと大量作製成功, 医療応用
京都大学高等研究院の斎藤通紀教授らのグループは5月21日、ヒトのiPS細胞から卵子、精子のもとになる細胞を大量につくり出す方法を開発したと発表した。これにより、将来的に不妊治療など医療への応用が期待される。
グループはヒトのiPS細胞から生殖細胞のもとになる細胞をつくり、さらに卵子のもとになる「卵原細胞」に変化させる方法を開発しているが、できる細胞の数が少ないことが課題だった。今回グループは、様々な細胞の分化を助ける働きをする「BMP」というタンパク質を加えて培養したところ、課題だった「卵原細胞」を大量に作製することに成功したという。細胞の数は4カ月の培養期間でおよそ100億倍に増えた。また、同じ方法で精子のもとになる細胞も大量に作製することができたとしている。