イランとの停戦に向けた、トランプ米大統領の出口戦略に齟齬を来しかねない不測の事態が、また起こった。これではようやくイランとの協議の、見えかかっていた糸口が、またもなくなってしまったのではないか。
イスラエル軍は3月27日、イラン西武アラクの重水炉と中部ヤブドのウラン抽出施設を空爆したと発表した。南部のブシェール原子力発電所や各地の電力関連施設への攻撃も確認された。これに対し、イランの革命防衛隊はイスラエルや近隣諸国にある米軍基地を報復攻撃した。米国側は、攻撃中止を10日間延長するはずだったのに、イスラエルとの間で統制の不備が露呈した形だ。
トランプ氏は26日、イランの発電所やエネルギー施設への攻撃中止を10日間中止すると表明していた。これを見る限り、トランプ氏は、イスラエルのネタニヤフ首相との間で、明らかにきちんと戦力上のすり合わせができていないと言わざるを得ない。あるいはトランプ氏がネタニヤフ氏の”暴走”をコントロールできていない。
この点、イランのアラグチ外相は27日、「米大統領の期限設定と矛盾する」とSNSに投稿している。
イラン戦闘終結へ 米15条件, イラン5条件
イラン戦闘終結に向けて、米国はイランに対し15項目、イランは米国に対し5項目の条件をそれぞれ提示した。だが、これを見る限り、相互に本当に終戦の意思があるのか?と疑われるような、これまでの経緯から、お互いがいずれも絶対に譲れないと思われるような、ハードルの高い項目が複数含まれている。
米国がイランに対し提示したのは①イランの核施設の解体②ホルムズ海峡の封鎖解除③親イラン武装組織への支援停止ーーなど15項目。一方、イランが米国に提示したのは①侵略や暗殺行為の完全停止②戦闘再開を防ぐ仕組みの確立③賠償金支払いの保証④親イラン武装組織を含む地域全体の戦線での戦闘終結⑤ホルムぞ海峡で主権を行使する権利の承認ーーの5項目。
無論、この協議は第1段階で、これから協議を重ねて絞り込んでいくことになるのだろうが、現時点では、これが出口戦略の第一弾になるとは、とても思えない。決裂必至で、協議の行方は極めて不透明だ。
大阪市内のシカ捕獲 県外へ出たら保護対象外
奈良県・奈良公園からきたとみられた”迷いジカ”(鹿)の大阪市街地での”放浪紀行(?)”が3月25日決着した。およそ3週間ぐらいか?の放浪に疲れたか、奈良公園で人馴れしているからか、シカは大阪市内の迷い込んだ警察施設でおとなしく、誘導されるまま自らの意思でオリの中に入り、捕獲された。このシカは大阪市内の施設での受け入れが決まったという。
大阪市の市街地に一頭のシカが現れた。大阪市都島区内で目撃した人から最初に110番に通報があったのは3月22日午前。区内の公園で草木を食べるなどしていた。大阪府警などによると、シカは24日に都島区内の団地などにいたが、夕方には旭区に移動したという。同じ個体かどうかは分からないが、市内では鶴見区や城東区でもシカが目撃されていた。
シカの目撃情報は11日以降、大阪府下の東大阪市内で相次いでいたが、大阪市に移動してきたとみられた。
奈良公園のシカが増えすぎて、エサを求めて園外へ出たとの見方が有力だった。このことから、大阪市は奈良県と協議するとしていた。奈良県の山下知事は25日、対応を検討したが、奈良市内ではシカは国の天然記念物だが、奈良公園・奈良県外へ出たシカは、もはや保護の対象にはならないというのが結論で、奈良県へ戻すことはできない旨、横山市長および吉村知事に文書で回答したーーと語っていた。
飛鳥寺出土品と百済王宮跡で発見の甲 酷似
日本の研究G 謎の文明「ディムルン」王墓発見
飛鳥・甘樫丘で官僚邸宅か 天武・持統朝の塀跡
奈良県明日香村教育委員会は3月18日、同村の甘樫丘(あまかしのおか)遺跡群で、7世紀後半に造られたとみられる塀跡が見つかったと発表した。今回見つかったのは1辺約1.2mの方形の柱穴5カ所。昨年度の調査結果分も合わせると南北15m以上、東西7.2m以上の敷地を区画する塀があったとみられる。
専門家は律令国家の成立を目指していた天武・持統両天皇の時期の甘樫丘は官僚層の住宅施設があった可能性を指摘する。また、ここは有力豪族らの政争の場でもあった。
「日本書紀」によると、飛鳥時代前半の有力豪族で、天皇を凌ぐほどの権勢を誇った蘇我蝦夷(えみし)と息子の入鹿(いるか)が甘樫丘に邸宅を築いているが、中大兄皇子、中臣鎌足(後の藤原鎌足)らによる645年の「乙巳(いっし)の変」で、その豪壮な邸宅は焼き払われたとされる。
日米首脳会談で残されたホルムズ海峡 具体策
高市首相は3月19日(日本時間20日)、トランプ米大統領との会談など一連の訪米日程を終えて、政府専用機で21日、帰国した。
トランプ氏との会談は冒頭、友好的かつ穏やかな雰囲気でやり取りが交わされ、緊迫化する中東情勢、世界の政治家、有識者らが注目する中、非常に微妙な時期での首脳会談だったが、日本の立場で言えば成功裏に終わったーーと見る向きが多い。。
ただ、今回の会談の主な要点の一つ、イランにより事実上封鎖されているホルムズ海峡の航行の安全確保に向けた、日本の対応策の検討が積み残された。高市氏は当初、トランプ氏が日本などに求めたホルムズ海峡への艦船派遣については、法的にできることと、できないことがあることを言明、理解を求めた。
これに対し、トランプ氏からはそれ以上、具体的な言及はなかったが、事態の早期沈静化のため、原油輸入の全体の90%以上を中東に依存する日本の立場を踏まえ行動するよう促された。難しい”宿題”が残された。
今後、トランプ氏は出口戦略を探る中、アジアを始めとする世界のエネルギーの安全保障を巡り、同盟国、日本にも新たな役割を具体的に求めてくる可能性がある。
その際、法的にぎりぎりどのような役割、作業まで果たせるのかを徹底して考え、シミュレーションしておくことが必要だろう。そして、そうした内容を変化する中東情勢を見据え、いつ、どの時点で表明するかも重要だ。
イラン 世界遺産など文化財56カ所に被害
出口戦略めぐり米, イスラエルに温度差
イラン戦争の出口戦略を巡り、仕掛けた米国・トランプ大統領、イスラエル・ネタニヤフ首相の両氏に温度差が見えてきた。
ネタニヤフ氏はイランの体制転換を掲げ戦争継続を主張する。これに対し、トランプ氏は11月の中間選挙を控え、長期化は避けたいというのが本音。そもそも今回のイラン軍事作戦は、複数の訴訟案件を抱えるなど課題山積の国内情勢から国民の目を逸らせ、中間選挙を控え点数稼ぎのはずだったのだ。
このイラン軍事作戦、米国民の支持率が30数%に対して、不支持率40数%に上り、戦禍の長期化にはより否定的だ。したがって、体制転換などの当初の思惑には全くこだわらず、撤収の機会をうかがう。もうネタニヤフ氏に引きずり込まれることなく、一定の区切りがついた時点で、作戦の”終了”を宣言するシナリオという。トランプ氏の現在の心境は、それなりの”大義”達成を装って、できるだけ早期の収束の機会を模索する。
イラン モジタバ師は革命防衛隊の”操り人形”か
イラン戦争の主要な争点の一つとなってきたホルムズ海峡の封鎖について、同国の新しい最高指導者に選出されたモジタバ・ハメネイ師が「戦争の圧力の手段として、封鎖を継続する」との声明を初めて公表し、徹底抗戦する意思を表明した。だが、一向にその姿を表さない。
この事情について、①モジタバ師は米国、イスラエルの空爆により負傷し、容姿も損なわれているのではないか②今やイランの主要な軍事部隊として約19万人を擁している「革命防衛隊」が同国を主導、モジタバ師の名前を使い、声明を出しているのではないかーーとの見方さえある。すなわち、モジタバ師は革命防衛隊の”操り人形”状態にあるというのだ。
こうした様々な憶測が飛び交うのは、同国の宗教指導者として、初代・ホメイニ師、二代・ハメネイ師の域には達していないことから、威厳を持って国民の前に出で演説する形は取れないということなのか。
いずれにしても、今のままではイラン国民ですら、誰が指揮を取っているのか分からなくなっている。元々、ハメネイ師の次男だけに、モジタバ師と革命防衛隊とは親密な関係にあり、いずれか一方が支配する関係ではないのかも知れない。だが、国民の立場からは国の最高指導者の顔がはっきりと見えないことがどこか不安で、国を挙げて徹底抗戦、とのまとまりを欠く要因になっているのではないか?
東大寺二月堂・修二会”籠松明” 火の粉 夜空舞う
事態収拾遠のくイランの新最高指導者選出
イランの「専門家会議」(聖職者88人で構成)は3月8日、イランの新しい最高指導者に、故ハメネイ師の次男で対米強硬派、モジタバ・ハメネイ師(56)を選出した。国営イラン放送などイランメディアが9日未明、一斉に報じた。
ただ、これがイラン国内や、今回の戦端を開いた米国、イスラエルなどにスムーズに受け入れられるかは不透明で、極めて疑問だ。というのも、①今年に入ってイラン全国で激しい反政府デモが繰り広げられ、当局の武力鎮圧により数千人の死者が出ている②米国とイスラエルはイランの体制転換を公言している。
ところが、専門家会議が選出した後継指導者は、今回の緊急事態を収拾に向かわせるものとはかけ離れたものだ。従来の内政・外交路線を堅持することの決意表明とも取れる。
これらのことを考え合わせると、新指導者がハメネイ体制の継承者にすぎないと目される人物では、理解や納得感が全く得られず、少なくとも事態の早期沈静化にはつながらず、新たな”火種”になる可能性さえある。
天武朝 中央官庁跡か 飛鳥・石神遺跡で塀跡
中東諸国から早急な在留邦人退避・退去を
米国とイスラエルによるイラン攻撃、そしてイランによる報復攻撃で戦火が湾岸の周辺諸国へ拡大している。軍事施設だけではない。民間人が往来する様々な施設も戦禍に巻き込まれる可能性が大きくなっている。そこで、まず早急に検討されなければいけないのが同地域に居住する邦人の退避・退去だ。
米国務省は3月2日、中東地域の15カ国・地域に滞在する米国民に直ちに退避するよう勧告した。イランによる報復攻撃に備えるものだ。イランによるドローン(無人機)攻撃を受けてサウジアラビアとクウェートの2つの米大使館はすでに閉鎖された。
米国務省の中東地域に滞在する米国民への退避勧告は、トランプ政権が予定する大規模攻撃を始める前の差し迫った警告の可能性がある。
日本政府も、これに呼応して在留邦人の早期退避・退去を促すべきではないのか。海外在留邦人調査統計によると、2025年10月現在、中東地域における在留邦人数はアラブ首長国連邦(UAE)5,300人、イスラエル1,010人、イラク99人、オマーン97人、カタール702人、クウェート142人、サウジアラビア718人、バーレーン188人、ヨルダン212人、トルコ1,754人で、このほかイランに約200人がいる。
現地の邦人居住者は不安な毎日を過ごしていることだろう。爆撃の激化で退避ルートがなくなってからでは遅い。犠牲者が出てからでは取り返しがつかない。
出口戦略不鮮明 イランの体制転換困難?
米国とイスラエルによるイラン攻撃による戦火は、アラブ湾岸諸国への報復攻撃で広がりをみせている中、イラン戦争の先行き、決着点がほとんど見えなくなってきた。
今回の軍事作戦の目標は、イランの①核開発、ミサイル開発の阻止②体制の転換、親米政権の樹立ーーなどが指摘されていた。このうち、トランプ米大統領が空爆初日に敢行したハメネイ師の爆殺後、今回の有力な攻撃目標の一つとして挙げていたイスラム宗教者を国の最高指導者に置く、イランにおける「イスラム体制の転換」を全く口にしなくなったからだ。これは当初、意図していた体制の転換が、イランにおける政治のあり方や官僚体制のあり方から極めて困難と判断したとみられ、にわかに出口戦略が不鮮明になったのだ。
とはいえトランプ氏は3月2日、ホワイトハウスでメディアを前に、イランでの軍事作戦について「4〜5週間を予測していたが、すべての目標が達成されるまで期限を設けず、継続する」姿勢を強調した。そして、「これから”大きな波(大規模作戦)”がくる」と攻撃の強化・拡大方針を明らかにした。
しかし、鮮やかな作戦のもと成功したベネズエラのマドゥロ大統領捕縛作戦とは違い、イランはハメネイ師殺害計画こそ成功したものの、イスラム社会の事情、イラン国民の心情は複雑で、目標の一つでもある、”親米政権誕生”の絵は容易に描けない。そこで不本意ながら、長期戦を覚悟しなければ…との思いが去来するのか?
11月の中間選挙を有利に運ぶために、米国におけるトランプ相互関税の還付、後手に回る物価高対策など内政不人気から国民の目を反らせるため、格好の材料としてイラン攻撃に取り組んだはずだった。
だが、この特別作戦、事前に議会などに全く諮っておらず、トランプ氏が独断専行したもの。したがって、米国では圧倒的に「支持しない」とする人が多い。その意味では、政権の人気を落とす結果となっている。
戦況も順調と強調しているが、当初の思惑通りには運べていないもようだ。イランの出方により変わってくるだろうが、トランプ氏はイラン戦争の実りある決着点を、果たして見出だせるのか?
東大寺二月堂のお水取り 練行衆の本行始まる
高市首相の「国民会議」とは”まやかし”
2月8日投開票された衆院選で、野党の求める減税政策との”争点外し”に使われ、自民党と高市内閣の物価高対策の一つとして掲げられた「2年間に限って食料品の消費税を”ゼロ”とする」ことを協議するはずだった「国民会議」が始動、2月26日、第1回目の会合が開かれた。
しかし、この国民会議、野党からはごく一部の党が参加するだけで、一般有権者が選挙期間中に受け止めた内容とは大きくかけ離れたものだった。幅広い党や関係者らが参加するものではなく、国民会議とは名ばかりの会合だった。選挙を前にしての”まやかし”だった。
国民会議に対する一般有権者の理解は、当然のことながら、与党はもちろん全野党が参加し、有識者や場合によっては税の専門家も含めて参加して行われるものと思われた。ところが、参加を呼びかけられた野党は中道改革連合、国民民主党、チームみらいの3党のみ。参政党、共産党、れいわ新選組などは排除されている。
このうち、国民民主党、中道改革連合は①この国民会議で、何を、いつ、どこまで協議するのか、②透明性重視の観点から協議・内容の議事録を残すのかなどが明確でないーーなどから出席したのはチームみらいだけだった。
今のままの、まやかしの国民会議なら要らないのではないか。政府・与党が幅広い人たちから、様々な意見を聞きたいのであれば、タウンミーティングを開けばいい。でなければ、新たに国民会議など設けず、国会で時間をかけて協議すればいいのだ。
自民党は歴史的大勝利から第1回目の会合まで3週間近くの時間があったわけだから、この期間に日本維新の会を合わせた与党内で今回の国民会議で協議すべき内容や、スケジュールを含めた論点整理など叩き案をつくればよかったのだ。
ただでさえ、年度末まで時間がないのだから、新年度予算の年度内成立を目指したいなら、選挙公約で掲げた以上、何を置いてもやるはずだと思う。だが、それを全くやらず、いわば国民会議に丸投げしているのは、本気ではなく、自民党内も1枚岩ではないということだ。
食料品だけとはいえ、2年間の消費税「ゼロ」に反対し、この公約を疑問視している議員もいるということで党内ではまとめにくい。そこで野党も会議に組み込んでおけば、有権者の手前、進捗が遅れても与党だけが有権者の非難を受けずに済むからだ。
衆院選でかつてない3分の2の議席を獲得した与党の、数の力と人気の高さを背景に、国会審議を軽視して強引にことを進めようとする姿勢には、高市内閣のずる賢い、横暴さが垣間見れる。
太宰府天満宮で「曲水の宴」平安絵巻さながら
奈良市の聖武天皇陵, 多聞城跡を初調査
ロシア人 ”命の重さ”に地域差?死亡者偏重
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が、2月24日で4年を経過した。プーチン大統領が短期間に決着させると豪語した”特別軍事作戦”だったはずだが、和平協議が停滞する中、消耗戦の終わりは全く見えない。
この間、ロシアは、ウクライナを大幅に上回る軍事力を使い、兵士の死傷者を出しながら、そして、ウクライナの数多くの民間人に対する殺戮を繰り返しながら、誇れるほどの成果はほとんど得ていない。また戦況もウクライナ・ドンバス地区など一部占領状態にはあるが、膠着は打開できていない。これでは、ロシアは何のために戦争を始めたのだ?と問われても答えられまい。
生活インフラの多くを絶たれながら、ウクライナは国を挙げて必死に対抗しているが、ロシア人は一つになっていないのだ。メディアなどの報道によれば、モスクワやサンクトペテルブルブなど都市部では、平常時とほとんど変わらない生活ぶりがうかがわれる。
この一端を示す、ロシア人のウクライナとの戦争に対する、地域で大きな格差がある興味深いデータがある。ウクライナとの戦争による死者の出身地をみると、地方出身者が圧倒的に多いのだ。大都市のモスクワやサンクトペテルブルグとくらべると、少数民族が多いトゥワ共和国、ブリヤート共和国など、シベリアや極東地域の出身者が15〜40倍に上る。
これだけ地域差があるとなると、とても全国民が等しく国を挙げてとは表現できない。厳然と”命の重さ”に地域差があると言わざるを得ない。これはプーチン大統領の兵士確保に向けた雇用条件・好待遇につられ、所得水準の低い、あるいは貧困な状況に置かれている地方の人たちが、数多く募集に応じているためだ。
このことは裕福な、あるいは富裕層の多いモスクワやサンクトペテルブルグに居住する人たちとの、戦争に対する向き合い方が違うからだ。結果として同じロシア国民でありながら、地方の人たちが数十倍も血を流し、命を落としているというわけだ。
豊臣秀長 大和郡山城拝領時の書状発見
公正・公平のスポーツが”不可解”判断で幕
ミラノ・コルティナ五輪ノルディックスキー・ジャンプ最終種目で、今大会から採用された新種目、男子スーパーチーム団体で2月16日、原則アスリートファーストで、”公正・公平”なはずのスポーツの世界にも、時として不可解な判断が下されることがあるのだという現実を思い知らされた。
その最悪の場面は、日本の二階堂連が3回目の、順位を2位に引き上げた138.5mのビッグジャンプが出た後、小林陵侑が準備に入ろうとしたときだった。降雪量が増えてきたのだ。そこで競技は中断。様子見となった。そして、3回目が急遽、打ち切りとなったのだ。
待機していた小林陵侑は「あの気象の雲のレーダーをみれば、雪は絶対にやむと分かっていた」。それでも「5分後にやむと知っていても、(3回目は恐らく)しなかった」と小林は、早すぎた打ち切りの判断に疑問を呈している。
アスリートなら誰もが目指す五輪であればこそ、公正・公平を標榜するなら、降雪量の多さなどで簡単に競技を打ち切るのではなく、小康状態なるまで、絶対にもう少し待つべきだった。事実、打ち切りを決めた直後に降雪量は小康状態になったのだから。
それは、二階堂、小林の2人の大ジャンプを期待してテレビに釘付けになっていたほとんどの日本人が感じたことではなかったかと思える。何故、ここで打ち切りなんだ?と。それは”後味の悪さ”どころではない。
もっと穿(うが)見方をすれば、欧州勢、2回目を終えて1位〜3位の上位に着けたオーアストリア、ポーランド、ノルウェー3カ国の総意に沿って行われた閉鎖的な、全くスポーツの世界にはふさわしくない幕切れだった。気象条件にかこつけた不正・不祥事とも言える内容の、3回目競技の打ち切りの判断だった。
アジアで1万年前の人類最古ミイラ”燻製”処理
トランプ氏に振り回される国際基準・秩序
トランプ米大統領がまたしても世界を驚かせる国際基準・秩序破りを断行した。トランプ氏の国際ルール・秩序破りはもう決して珍しいことではないとはいえ、今回の自動車の排ガス規制撤廃の発表は、世界の首脳・政治家や科学者らを憤慨させた所業ではなかったか。
トランプ氏は2月12日、遂に自動車の温室効果ガスの排出規制を撤廃したと発表した。世界最大の温室効果ガス=二酸化炭素排出国の米国で、排ガスの規制がなくなるのだという。
地球温暖化のもととなる温室効果ガスについては、世界の科学者らが科学的に立証・認定しているにもかかわらず、トランプ氏は一方的にこれを受け入れようとせず、これまで、温室効果ガスが及ぼす気候変動や人体の健康への影響などについて、「全く科学的根拠はない」と言明。
国際世論に耳を傾けることを拒否し、頑なに、脱炭素に向けた国際的な認識をもとにした気候変動対策に徹底して背を向け、国連気候変動枠組み条約、パリ協定からの離脱を表明している。
これを受け、ゼネラル・モーターズ(GM)やフォードなど自動車メーカーはどう動くのだろうか?確かに排ガス規制にとらわれずに生産できることは歓迎だろうが、これまで徹底した排ガス対策へ向け投資してきたはずだ。いまさら時代に逆行する、規制撤廃してもらってもと困惑しているというのが本音ではないか。
トランプ氏の任期が終わったら、今回の措置がどうなるのか、全く不透明だ。しかも規制が撤廃された分、目先は製品の値下げを求められるとなると、とても手放しで喜べない。
大手メーカーは当然、海外事業の比重も大きい。輸出はもとより海外でもものづくりでは当然、それぞれの国情に合わせた規制のもとで対応しなければならないのだ。
今回の措置にとどまらない。トランプ氏は”米国第一主義”の旗の下、すでに66の国際機関の脱退、離脱を表明している。世界はまだまだ同氏に振り回されることになりそうだ。
「さっぽろ雪まつり」閉幕 253万人来場
秀吉の書状など愛知の旧家が史料1,300点寄贈
ロシア 戦費調達へオンラインカジノ合法化案
ロシアのプーチン政権でいま、オンラインカジノ合法化案が検討されているという。ウクライナ侵略戦争継続の大きな資金源だったロシア産の石油・ガス収入が、原油安や米欧の対露経済制裁の影響で大幅に減少しているためで、国の威信をかけ、もうなりふり構っていられないというわけだ。
ロシアでは税収増を図るため、日本の消費税に相当する付加価値税(VAT)を引き上げたばかりだが、それだけではとても追い付かず、戦費調達に躍起になっているのだ。
そこで浮上したのがオンラインカジノの合法化だ。ロシアのマスコミ大手紙が1月27日付のトップで、政府の財務大臣がプーチン大統領にオンラインカジノの合法化を提案したと報じた。
ロシアでは2009年に賭博禁止令が施行され、旧ソ連崩壊後に広がったカジノが一斉に摘発された。これを主導したのは当時首相だったプーチン氏。ギャンブルが絡む犯罪の増加に歯止めをかけようとカジノは極東地区やバルト海沿岸に限って認めている。
現在認可されたブックメーカーがスポーツ賭博を運営。しかし、現実は認可外の違法サイトが乱立し、取引額は年間3兆ルーブル(約6兆円)超と推計される。そこで、ロシア財務省は今回オンラインカジノを解禁し、事業者の収益に少なくとも30%課税することで、年間1,000億ルーブル(約2,000億円)の税収を見込んでいるという。
大阪W選の無効票 58万票余 28億円無駄遣い
衆院選とともに2月8日投開票された大阪府知事、市長のダブル選挙で、有権者の間でこの時期に”全く必然性のない選挙”と指摘されたことを反映して、無効票が異例の多さに上ったことがわかった。
28億円もの費用をかけ、大阪府政、大阪市政の職責をほぼ放棄し、職権を半ば私物化した、大阪維新の会の代表、吉村氏、副代表、横山氏が仕掛けた所業だった。今回のやり方は、どう考えても府民・市民の”怒り”を買ったことは間違いない。
その結果、知事選は前回の無効票の6.2倍の41万6,783票、市長選は3.1倍の17万620票に及んだ。大阪府民・市民にとっては必要性を感じない、いわば府民・市民の想いを無視した選挙だったことを浮き彫りにした。
今回のダブル選挙は、大阪維新の会が急遽、3度目の大阪都構想の住民投票を実施したいからと、党内部でも協議したことさえないまま、まさに吉村知事と横山市長の2人が暴走、ほぼ独断で進めた企みだった。
このため維新以外の主要政党は、ダブル選を「今やる大義が全くない」などとして、いずれも候補者の擁立を見送った。また、実施に伴って発生する28億円もの費用の無駄遣いが指摘されていた。
自民党勝たせすぎ?リスク潜む有権者の”甘さ”
衆院選で高市自民党が316議席を獲得、連立を組む日本維新の会の36議席と合わせ与党として352議席となった。自民党が、若い世代をはじめすべての年代で高い支持を集めたという。
ただ、これではあまりにも有権者の判断が、高市人気・ムードに流され過ぎていないか。もっと端的にいえば高市自民党に甘すぎないか。かつての自民党の、民意とはかけ離れた政策の”暴走”のリスクがあることを、覚悟して置かざるを得ない。
公示前は、高市人気に好意的な見方をしている人でも、そうはいっても”政治とカネ”の問題は、政治献金の処理を含め、何も決着していないし、果たしてこのままでいいのか?と指摘する人はいた。ところが、この結果だ。これなら参院で否決されても、今回3分の2以上の議席を獲得したことで、衆院で再可決すれば法案が通せるようになる。
これで自民党内では裏金議員らも「”禊(みそぎ)”は終わった」とばかり、野党との十分な協議や審議も行わず暴走する場面も出てくるに違いない。
一時は”解党的出直し”を掲げながら、実際には何も改革などに着手もしていない自民党に、表紙がこれまでとは違う女性の高市氏変わったとはいえ、ここまで勝たせては自民党に、どうぞお好きにと、”白紙委任状”を与えたに等しい。
今回の選挙では、高市内閣の高い支持率に乗じ、自民党は前回選挙では公認せず落選した裏金議員を救済すべく、旧統一協会とのつがりのあった、少々”グレー”がかった人も含め、すべて公認、大挙して候補者を擁立した。これが奏功し、一気に大幅な議席回復、いや歴史的勝利につながった。日本の有権者の民度や意識の低さに付け入った、高市自民党の作戦勝ちだった。
野党にとっては手も足も出ない今。驕り高ぶることのない、今後の”責任ある積極財政”を掲げる高市氏の政権運営の真の実力、生活者目線に立った政策や、法案の審議プロセスなどにその本気度が試される。注視したい。
”モームリ”破綻? 劣悪な職場ある限り業務は残る
退職代行サービス「モームリ」を運営するアルバトロス(本社:横浜市)の谷本社長とその妻が、退職希望者を弁護士に紹介し、報酬を受け取った弁護士法違反容疑で逮捕された。
アルバトロスは昨年10月にも家宅捜索を受けていた。元従業員によると、社長らは、このビジネスモデルの違法性を認識しながら、社員らに口止めしていた可能性があるという。
この業界は決してイメージが高くない。それでも、このサービスを必要とする人たちは確実に存在する。
退職代行を担う事業者にも悪徳業者がいれば、追い詰められた人を救う事業者もいる。当然のことながら、どんな事情があっても違法行為は許されない。だが、一方で劣悪な職場が亡くならない限り、このサービスは生き残り続けるのではないか。
「さっぽろ雪まつり」開幕 3会場で雪・氷像
許されない!露 アフリカで”求人”戦闘員勧誘
ウクライナ侵略を続けるロシアが、戦闘員確保のため、貧困ににあえぐ国が多いアフリカで、”求人”を装って勧誘し、その後に強制入隊させ、戦地に送り込んでいる。ロシアにとって、そんな決して露わになってはいけない、そして決して許されない実態が明らかになった。まさに悪魔の所業だ。
貧困国をターゲットに、運転手などの出稼ぎと偽って渡航させ、入隊契約に署名させられ、強制的に参戦させる手口だという。すでにケニアからは200人以上が渡航したといわれるほか、タンザニア、ウガンダ、ナイジェリアなども狙いとされている。
ロシアはこれまで戦時体制に入ってから、海外で破格の高優遇条件で戦闘員募集をかけたりしてきたが、資金的にもそうした方法はもう取れなくなっているのだろう。昨年から北朝鮮兵士の戦闘員が加わり、大幅に強化されたはずだったが、それも消耗戦で費消してしまったか。
かといって、ウクライナ・ドンバス地方の領土拡大のためには、兵員確保は不可欠な要請。でなければ、何のためにこの戦争を仕掛けたのか?わからなくなる。米国を仲介役とする停戦協議・交渉を有利に運ぶためにも、兵員不足で戦闘行為に支障を来すような状況にあることは、決して他に覚らせない。そのための時間稼ぎの備えともいえる。
ウクライナでの戦争維持・継続のためとはいえ、こんなことが果たして許されるのか?
物価高対策のメインが消費税減税でいいのか?
衆院選で長引く物価高への対処策として、「チームみらい」を除き、自民党を含む主要政党が説得力ある代替財源を明示しないまま、消費税減税を打ち出している。高市首相(自民党総裁)は衆院選が表立って語られることがなかったときは、消費税減税には極めて慎重で、自ら触れることは全くといっていいほどなかった。ところが、おそらく自身が解散を決断してからだろう。
野党のほとんどが消費税減税や消費税廃止を物価高対策のメインに掲げたこともその要因だろうが、対抗して「2年間に限り食料品の消費税ゼロ」を打ち出した。そして、いまや高市氏自身が消費税減税へ”前のめり”な姿勢だ。これが今回の限られた選挙期間に、多くの有権者には最も伝わりやすいメッセージだと判断したからに他ならない。そんな様子に制度設計や財源も見通せていないだけに、政府・自民党内から懸念の声が出ているほど。
ところで、物価高対策として消費税減税が政策として本当に的を射ているのか?そうではないだろう。物価高への正しい処方箋は、企業活動で生産性と収益力を高め、高い賃上げを実現することのはずだ。したがって、ずばりいえば消費税減税は物価高対策の本筋ではないはずだ。
この論拠は①消費税は日本の場合、医療、介護、年金など社会保障の基幹財源である②減税により需要を増やすことは物価を押し上げる要因になる③投資家に財政健全化が後退したと受け止められれば円安を一層加速させる懸念があるーーなどのためだ。
とはいえ、2024年、2025年と2年連続で5%を上回る高い賃上げを実現したにもかかわらず、長引く物価高には追いつかず、実質賃金はマイナス基調のまま4年近くにもなる。今春闘は長いトンネルを抜け、実質賃金をプラスに転換させるべき局面だ。
大企業の業績はトランプ政権による高関税政策の悪影響をはねのけ、おおむね堅調だ。賃上げ余力は大きい。そこで、ポイントになる雇用の7割を占める中小企業に賃上げを波及させるため、原材料や人件費の上昇分を取引価格に円滑に反映=転嫁できるよう、政府の強力なサポートが求められる。それがなくては、中小企業はどこまで行っても救われない。
大阪有権者はW選 28億円無駄遣いを直視せよ!
大阪の府知事と市長を務める、大阪維新の会の吉村代表と横山副代表が仕掛けた、衆院選に合わせた大阪ダブル選挙が1月28日スタートした。
異例の、そしてハプニング的な衆院選日程に合わせた、急遽、発表された府知事・市長のダブル選挙は過去2回行われ、いずれも大阪住民に「NO!」を突きつけられた「大阪都構想」の是非を問う、3回目の住民投票を実施したいからだという。
何故?といえば、日本維新の会がマニフェストに掲げる「副首都構想」を進めるには必要だからだとか?それなら順序が全く違っているのではないか。まだ、国政で前提となる副首都構想の審議が全く進められていない今、なぜ?
そもそも東京一極集中に疑問を投げかける副首都構想が必要という論拠には、何の違和感もない。ただ、大阪以外にも福岡市など手を挙げている候補地もあるほか、南海トラフ巨大地震では首都圏と同じように大被害が予想される大阪が、その候補地の一つとして相応しいのかチェックし、問いかけることも求められる。
しかも、吉村氏が強行しようとした段階で、決して十分に準備されたものではなく、その思いは事前に周囲に全く知らされていなかった。それは党内内部の大阪維新の会所属の大阪府議、大阪市議に共通の認識で、吉村、横山両氏の2人だけが”暴走”して決めたものだった。府議、市議を合わせた全体会議では、出席者のほぼ全員から「反対」、「それは今ではない」と反対の意思表示があったという。
それなのに吉村氏らはダブル選挙を中止することなく強行した。このダブル選挙実施に伴う大阪府市の負担額は計約28億円に上る見込みだ。有権者からは税金の無駄遣いだと指摘されている。大阪維新の会の総意を無視し、本来、大阪府・市政の今後を決める、厳粛に行使しなければならないはずの決断を、大幅に前倒しで吉村氏らは自己都合で、個人の判断で進めてしまったのだ。
ならば、今回のダブル選挙に要する費用は彼らが負担すべきではないのか。大阪府議、市議の皆さん、吉村氏らの暴走を許したら、あなた方も同罪になるのではないですか。いずれにしても、これによって恥ずべき税金の無駄遣いを強行した大阪維新の会は、多くの有権者の支持が離れていくことを覚悟すべきだ。
英は何故”中国メガ大使館”建設を承認した?
英国スターマー政権がロンドン中心部の旧王立造幣局跡地、サッカーコート3面分に相当する広大な土地に、中国政府が進める”メガ大使館”建設計画を承認した。同地は中国が民間企業から総額357億円で購入したという。
この巨大な大使館建設計画については、「中国の国際スパイ活動の欧州拠点になる」との見方がある。事実、中国政府は香港の国家安全維持法成立前後、”1国2制度”の旗印のもと、多くの民主派活動家が行った活動を弾圧し、違反、国家反逆罪として告発。
それらの英国などに亡命している元民主派活動家を監視、摘発、そして拘束する拠点になる可能性が高いといわれる。こうした様々なダーティな部分に使われるとの懸念や指摘があり、前保守党政権は認可することはなかった。
では何故、労働党の現スターマー政権はこの疑惑に満ちた大使館建設計画を、前政権から一転、承認したのか?狙いは中国との関係改善を図るためだといわれる。
英メディアはスターマー首相が1月中にも訪中するとの見方を伝えている。EUを離脱した英国が、EUのルールに縛られない、中国を含めたグローバル市場での独自の経済協力を模索するのか。保守党政権のもとではできなかった新たな展開の方向性が注目される。
インドネシア・ムナ島で世界最古の手形壁画
インドネシア国立研究革新庁とオーストラリア・グリフィス大学などの調査で、インドネシア中部・ムナ島の洞窟にある手形の壁画が、6万7,800年以上前に描かれたことが分かった。成果は1月21日付の英科学誌ネイチャーに掲載された。これまで最古の壁画と考えられてきたスペイン・アルタミラの洞窟壁画より1,000年以上遡ることになり、世界最古とみられる。
壁画があるのは、ムナ島の奥行き23m、高さ8mのメタンドゥノ洞窟。内部には馬に乗って狩りをする人物や鳥など400点以上の絵が褐色の顔料などで描かれているのが見つかっており、今回の手形は2015年に発見された。壁面に手を置き、顔料を吹き付けて制作したステンシル画と考えられる。
研究チームは2023年以降、手形の上に形成された炭酸カルシウムの堆積物を分析した。人物や鳥などは、より新しい年代に描かれていた。
時代錯誤! 米のグリーンランド領有の野心
北極圏のデンマーク自治領グリーンランドを巡る情勢がにわかに緊迫化してきた。トランプ米政権が領有に意欲を示し、国際規範を無視し、圧倒的な軍事力を背景に圧力をかける一方で、「購入」を通じた取得も選択肢に挙げている。
しかし、こんな強引な振る舞いは19世紀に、列強が資源や権益を求めて植民地獲得を競った帝国主義を想起させるもので、21世紀の現在、時代錯誤の野心にすぎない。全くあきれるばかりだ。
こうしたトランプ政権の姿勢に、デンマーク側は「グリーンランドは売り物ではない!」と強く反発。デンマーク外相やグリーンランド自治政府外相らはホワイトハウスでバンス副大統領らと会談したが、隔たりは埋まらなかった。また、トランプ政権は米国の領有に強く反対する欧州8カ国に2月1日から10%の追加差関税を課す措置を発表している。
米国が、埋蔵するレアアース(希土類)を念頭に経済や、ロシアや中国を意識した安全保障面でグリーンランドへの影響力を強めたいのなら、あくまでも辛抱強く平和的な交渉を通じて、現地の人々の理解を得る必要がある。いや、それしか方法がないと認識すべきだ。
衆院選解散”大義なし”,支持率高の”今”だから
高市首相1月19日、会見し、衆院の23日解散を表明、27日公示ー2月8日投開票の日程を明らかにした。会見前は、昨年末から年始にかけてはそんな気配は全くなかったのに、「何故いま」解散なのか?「解散の大義」は?などの指摘が飛び交っていた。
そして、その答えはあったのかといえば、「NO」だった。会見での説明からは、解散が「今」である必要はなく、「新年度予算案の成立」後でもよかった。どうひいき目に見ても首相の自己都合、「内閣支持率の高い今」だから、としか言いようがない。
首相は衆院選の勝敗ラインについて、自民党と連立を組む日本維新の会の「与党で過半数」確保とした。前回選挙の議席からわずか3議席の上積みにすぎない。異常なほど高い内閣支持率を背景に、「自民党で単独過半数確保」を掲げるのかと思われたが、自民党の支持率が他党を大きく引き離しているものの、この間ほとんど変わっていないことからか、かなり抑さえ目のラインに設定された。
有権者は、これまでの様々な”しがらみ”だらけの順送り首相とは異なり、初の女性首相・高市氏には期待するが、これまでの経緯から、自民党には大きな期待はできないーーとの判断なのだろう。ただ、「与党で過半数」確保だけでは、さすがに説得力に乏しいと判断したか、高市氏はその選挙結果に「自身の進退をかける」と明言した。
だが、無難に設定した勝敗ライン(目標)を達成しただけでは、衆院解散の「大義」として強調した「政治の安定」にはつながらない。それを意識してか、会見では”覚悟”のほどを示すためか、若干、不似合いな、やや誇張した表現やワードが多かった。
党勢拡大が全て 民意無視の解散に大義はない
日本の政界は、自民党の相次ぐ選挙戦敗北による大幅な議席減で、昨年来の複数政党の横並びによる多党化、様々な連立政権への模索、そして過半数割れの政権の下で、政策ごとの与野党の丁寧な?協議で政治が前に進み出した。これがふと、連立政権の良さなのかもと思ったら、政権の軸・自民党が突如、「物価高対策が何より優先」といいながら、これをひっくり返すような奇襲に出た。
今回の衆院解散の”大義”はない。高市首相は高い内閣支持率を維持している間に解散、選挙で単一過半数を獲得したいとの思惑が露わになった。そこには数で”遮二無二”押し切る、かつての”悪夢”の自民党政治への回帰志向が強くのぞく。
だが、果たして高市氏の思惑通り、事が進むのか?異常なほど高市内閣支持率は高いが、自民党への支持率とは大きく乖離している。他党を大きく離しているが、決して高市人気に比例して高まっているわけではない。高市個人人気を加味して微増に終わることも考えられ、悪くすれば、ほとんど勢力図は変わらない可能性すらあるのではないか?
その根拠は①公明党との連立解消で、これに代わる支援がない②自民党の改革は全く進んでおらず、基本的に党内体質は何も変わっていない③未決着の政治とカネーーなどの現状からだ。
まず、前回の選挙で公明党の手堅い固定票で当選を果たした、当落選上にあった議員の敗北予想だ。現在の連立相手の日本維新の会は、そんな選挙協力は一切しない党だ。また、石破前首相に詰め腹を切らせた折、自民党内では口々に”解党的出直し”が必要といっていたにも拘わらず、その後は相変わらず表紙(総裁)を変えるだけで、抜本的な党内改革の動きは全くなく、実際は何も変わっていない。
有権者は”移り気”とはいえ、それができなければ容易に参政党や国民民主党など他党へ移った有権者は戻ってこないはずだ。この点のカバーは、高市氏の異常ともいえる人気に頼るのみだ。今回も参政党や国民民主党は多数の候補者を擁立する構えで、さらに議席を大きく伸ばしそうな情勢だ。
最後に、政治とカネの問題は何も決着がついていない。思い起こしてほしい。高市氏自身、総裁選に打って出た際、推薦人の多くが、数多くの裏金議員を出した派閥、旧安倍派議員だったことを忘れてはいけない。他候補より突出して裏金議員に担がれた要素は大きかったのだ。
有権者の中では自民党から、何も納得できるだけの説明を受けていないとの認識のはずだが、高市氏は”禊(みそぎ)”は終わったとばかりに、すでに萩生田議員を幹事長代行に起用している。これは萩生田氏だけにとどまらない。高市氏にはもう処理済みの案件になっているのだ。
そして今後、高市氏が、自民党の旧派閥の重鎮クラスの議員の意向なども汲み、有権者が望むような踏み込んだ企業献金の”規制”や”縛り”の意見に与(くみ)することは、自身の高額献金問題などもあり、まず考えにくいのだ。
となると、これらのことを有権者が忘れていなければ、何もかも目をつぶって自民党候補者への投票行動につながらならないはずだ。その結果、”喜びも半ば”の結果に終わるはずだ。今こそ党勢回復の最大のチャンスと期待を最大限に膨らませても、それほど簡単ではない。単独過半数など夢のまた夢となることも考えておかねばならない。
維新”大義なき狂気”のダブル選強行を発表
誰が見ても理解に苦しむ、どれだけ非常識で”理”のないことをやろうとしているのか?このままでは、大阪の恥、”大義なき””狂気の沙汰”だ。子どもの”駄々っ子”のような今の吉村氏を、誰かきちんと諭して、思いとどまらせる人はいないのか?
任期途中の大阪府の吉村知事。大阪市の横山市長が1月15日、記者会見し、3度目の「大阪都構想」の住民投票実施に向け、辞職して出直しダブり選挙に臨む考えを明らかにした。衆議院選に乗じてトップダウンで突如下された吉村氏の独断的判断に、同日夜開かれた地域政党・大阪維新の会の全体会議でも地元議員からは批判が相次いだ。
出席した議員によると、吉村、横山両氏はダブル選挙への理解を求めたが所属議員からは「今ではない」「大義がない」「正当性がない」などの声や批判が相次ぎ、会議は予定時間の30分を大幅に上回る1時間半に及んだという。
今回の吉村氏の独断ぶりは、目に余るものがある、同日の全体会議では「事前に聞いていた議員はおらず、党内は蜂の巣をつついたような騒ぎ」だった。今後の大阪維新の会の運営を考えると、今の吉村主導体制では所属議員が困惑、また維新にシンパシーを感じていた人や、これまで支持してきた有権者も今回の独断的な暴挙で、さすがに離れていくのではないか。大阪の有権者には良識ある判断を求めたい。
島根県 江戸期の竹島地図 資料71点取得
島根県は1月13日、江戸時代に描かれたとみられる竹島(所在地:島根県)の絵図「松島之図」や、鳥取県米子市の商家、村川家が竹島で漁などをしていたことを記した「村川家文書」など資料71点を取得したと発表した。島根県は「竹島が古くから日本児9んの活動の場であったことを示す第一級の史料」としている。
松島之図は17世紀末から18世紀初めのものとみられ、島の形状など地理的特徴が」詳細に描かれ、島の周囲と現在の隠岐諸島までの距離なども記されている。今回個人から購入した。
村川家文書は、村川家とともに幕府の許可を得て、竹島や竹島に近い韓国東部・鬱陵島(ウルルンド)でアシカ猟やアワビ漁をしていた米子市の商家、大谷家(おおやけ)との間で、漁の収益について取り決めた文書など69点。島根県が個人から寄贈を受けた。このうち「竹島松島の絵図」は鬱陵島や隠岐諸島、竹島が描かれている。
経済的威圧で緊張を高めているのは中国
日本政府や経済界は日中友好が大事で、対中関係の安定を望んでいる。ところが、台湾有事を巡る高市首相の昨年11月の国会答弁を機に暗転、中国側は一気に反日に転じ、順次、攻勢を強めている。今回、レアアースの関連製品の禁輸に踏み込んだようだ。
自分たちの意に沿わない相手に対し、一方的に威圧を強め、譲歩を迫る中国の常套手段だ。とはいえ、経済を武器に使った不当な措置は断じて容認できない。
高市首相の国会答弁を受け、”大過剰”反応、これを悪用し、中国商務省は禁輸の理由について、日本の指導者が公然と台湾海峡への武力介入の可能性を暗示したとする談話を発表。日中関係を悪化させている責任は、高市首相=日本にあると印象付けようとしているのだ。
また中国には、日本が太平洋戦争を想起させる形で、実態とは全く異なる、軍事力を強化していると、国際社会に訴える意図がうかがわれる。そうした悪質な戦略に沿って、日本を貶(おとし)めるための宣伝戦のレベルを着実に引き上げつつあるといえる。
台湾を包囲する形で大規模な演習を繰り返す中国軍の行動は、まさに”力による現状変更”を迫るものだ。日本に対する威圧もその延長線上にあるといっていい。地域の緊張を高めているのは中国自身ではないか。
中国政府はかねて自由貿易体制を擁護すると強調している。ところが、実際には政治的な意図から対日貿易を制限する暴挙に出ている。こうした対応は中国の国際的な信用を損ねるだけだ。
米 パリ協定など66国際機関・条約脱退へ
米国のトランプ大統領は1月7日、国連気候変動枠組み条約や国連人口基金など計66の国際機関・条約からの脱退や資金拠出停止を指示する大統領覚書に署名した。国連レベルの世界共通の認識に背を向ける形で、化石燃料を重視するトランプ政権は「パリ協定」を1月27日に正式に離脱する予定だ。気候変動枠組み条約からも脱退すれば世界で初となる。
このほか、脱退の対象は①温暖化対策で科学的知見を評価する「気候変動に関する政府感パネル(IPCC)」②東京に本部を置く国連大学、横浜市に本部を置く国際熱帯木材機関、福岡市にアジア太平洋地域の本部がある国連人間居住計画③ジェンダーの課題に取り組む国連女性機関ーーなども含まれる。
「米国第一」を掲げるトランプ氏の外交路線を拡大した形で、多国間協力への米国の関与が低下し、中国の存在感や影響力が高まる可能性が高い。ホワイトハウスは声明で、「米国の独立性を損ない、非効率で敵対的な計画のために納税者のお金を無駄にする国際機関への参加を終わらせる」と主張している。
8世紀 長岡京 南北55m建物跡 京都・向日
京都府埋蔵文化財調査研究センターは1月8日、京都府向日市の長岡京(784〜794年)跡で、南北55.6mの大型建物跡が見つかったと発表した。都の中心、長岡宮内で確認された建物のうち最も長大で、都を造営した桓武天皇が政務を行った大極殿などを見下ろせる丘陵上にある。専門家は「天皇が利用した宮殿や役所だった可能性がある」としている。
建物跡は、宮の西端付近にあり、地面の穴に柱を立てる掘っ立て柱構造。柱穴は1辺1.3〜1.8mの方形で、天皇の住まいの内裏正殿などと同規模だった。穴の深さは1.25〜1.9mほどで、内裏正殿より深く、背の高い建物だったと推測される。
南北に長い建物では、平城京(奈良)の離宮「西池宮」跡で約86mの建物跡が見つかっているが、礎石の上に柱を立てる構造だった。柱穴の規模は今回見つかった長岡宮の建物の方が大きい。
重大 浜岡原発の不正 原発再稼働に”水”
中部電力が、浜岡原子力発電所(所在地:静岡県御前崎市)の再稼働に向けた、原子力規制委員会の安全審査で、不適切なデータを用いた疑いがあると発表した。想定される地震の揺れの大きさを過小評価していた可能性があるという。
これを受け、原子力規制委員会は1月7日、再稼働に向けた審査を停止する方針を決めた。山中伸介委員長は記者会見で「安全に関わる審査データの捏造(ねつぞう)案件。極めて重大で、安全規制に対する暴挙」とし、審査を白紙に戻す考えを示した。
予想される地震の揺れや、津波の高さを計算することは、安全審査の出発点だ。それを基に、原発の建屋や施設が揺れに耐えられるかどうかの審査に入っていたが、その前提が崩れたことになる。
これは、原子力発電所の安全性に対する評価を根本から覆しかねない重大な不正だ。これによって浜岡原発の再稼働はさらに遠のいた。中部電力の社長自身が「事業の根幹を揺るがしかねない事案だ」と述べた通り、極めて深刻な事態だといえよう。
今回の不正が、全国各地で続く原発再稼働の動きに”水”を差すことにならないか、憂慮される。
ナウマンゾウ化石のDNA解析に初めて成功
山梨大や国立科学博物館などのチームは、日本でかつて生息したナウマンゾウのDNA解析に初めて成功したと発表した。科学誌アイサイエンスに論文が掲載された。
ナウマンゾウは「パレオロクソドン属」と呼ばれる絶滅したゾウで、アフリカから世界に進出した仲間のうち、最も古い約105万年前に分かれた系統だと判明した。パレオロクソドン属は、高さが最大4m超ある大型哺乳類。そのうちナウマンゾウは高さ2〜3m程度と小型。その祖先は数十万年前の氷河期に海面が低下した際、大陸と陸続きになった日本へ渡った。
ナウマンゾウは2万〜3万年前に日本で絶滅したとされ、国内300カ所で化石が発見されているが、遺伝的系統は不明だった。
今回チームは、青森県東通村で発掘された4万9,000年前と3万4,000年前のナウマンゾウの奥歯の化石から、母から子に伝わる「ミトコンドリアDNA」を抽出し、配列を調べることに成功。その結果、ナウマンゾウは約105万年前に分岐した古い系統であると判明した。アフリカから進出した初期の集団が祖先である可能性が高まった。
米国 ベネズエラ政権転覆は正当化できるか?
米軍が南米ベネズエラの首都への攻撃を断行、反米政権を転覆させた。今回の武力行使をトランプ政権は、ベネズエラ経由の麻薬流入を「米国への武力行使にあたる」として正当化するつもりだろう。だが、国連憲章は自衛権を行使すべき差し迫った脅威があった場合を除き、原則として他国への武力行使を禁じている。
今回の攻撃について、トランプ政権は国連はおろか米議会にも事前に通告していない。このため、攻撃は権力の乱用にあたるとの指摘が米国内でも出ている。国連の安保理は緊急会合を開く。米国は説明責任を果たさねばならない。
ベネズエラは原油埋蔵量が世界一ともいわれる。トランプ氏は反米政権下で失われた米国の石油権益を取り戻すと公言している。中国、ロシアは今回の米国の攻撃を「国際法違反」などとしてそれぞれ非難している。その両国が一方で、ロシアはウクライナ侵略を続け、中国は武力による台湾統一を否定していない。いずれも自国の権益拡大のためだ。
ただ、米国は今回のベネズエラへの軍事攻撃で”法の支配”を大きく逸脱した、”力による現状変更”という今回の一連の行動により、”同じ穴のムジナ”として、ロシアや中国の姿勢や行動をまともに非難、チェックできなくなるのではないか。
米国、中国、ロシア」などの軍事大国が勢力争いを激化させ、国際法より軍事力を優先して他国の主権を脅かすことになれば、国際秩序は崩壊する。
京都・下鴨神社で新春恒例”蹴鞠初め”
京都・八坂神社で恒例の「かるた始め式」
中国の台湾周辺での大規模軍事演習は暴挙
中国軍で台湾を担当する「東部戦区」が12月29、30日、台湾を取り囲む形で5カ所に演習区域を設け、大規模な軍事演習を実施した。目的は台湾の「独立派」と見做して敵視する台湾の頼清徳政権に加え、名指しは避けながらも、日本や米国を牽制することにある。
日本の高市首相の発言が気に入らないからといって、地域の安定を脅かす行為は筋違いであり、軍事力で威嚇するのは言いがかりに過ぎない。緊張を高めているのは中国であることを自ら証明しているようなもの。こうした身勝手な振る舞いは、日米など関係国の不信を招き、国際社会で中国の異様さを際立たせていることを認識すべきだ。
中国が台湾に武力侵攻する事態となれば、日本の南西諸島にも危険が及ぶことは避けられない。すでに沖縄県・尖閣諸島周辺では、中国海警局の船が領海侵入を常態化させている。今回の大規模軍事演習、とても他国のことと、安閑とはしていられない。