文化庁は5月26日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産として日本が推薦していた「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道と青森・岩手・秋田の3県)について、ユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス)が、「登録が妥当」とユネスコに勧告したと発表した。
7月16~31日にオンラインで開催されるユネスコ世界遺産委員会で登録が決定される見通し。正式に決まれば、日本国内の世界文化遺産は20件目となる。
縄文遺跡群は、縄文時代を代表する大規模集落跡「三内(さんない)丸山遺跡」(青森県)、大規模なストーンサークルとして知られる「大湯環状列石」(秋田県鹿角市)、地面に竪穴を掘り、その土を周囲に積み上げた「キウス周堤墓(しゅうていぼ)群」(北海道千歳市)-など17遺跡からなる。約1万年間続いた縄文時代に、狩猟、採集、漁労による定住生活が確立し、発展していった過程を伝えている。
イコモスは「先史時代における農耕を伴わない定住社会、複雑な精神文化を示している」と評価している。
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「リュウグウ」に惑星誕生時の物質存在 立教大チームが分析
立教大などの研究チームは5月25日、英科学誌「ネイチャー・アストロノミー」(電子版)に、探査機「はやぶさ2」が探査した小惑星「リュウグウ」に惑星が生まれたころの状態が残っているとみられる物質が存在すると発表した。
はやぶさ2が2018年~2019年にリュウグウを探査した際、中間赤外カメラなどで観測したデータを分析した。その結果、直径9mのクレーターの中心に、周囲より高温の部分があった。クレーター中心部には水に浮くほど密度が小さな、ふわふわの物質があることが分かった。別の直径20mのクレーターにも、さらに密度が小さな物質が確認された。
太陽系で最も初期の姿に近い天体と考えられている彗星の密度に近く、熱や衝突の影響をほとんど受けていない微惑星の状態が残る物質と考えられるという。
はやぶさ2が持ち帰った物質にも含まれている可能性が高く、太陽系がどのようにつくられたのかという謎の解明につながるとみられる。
祇園祭山鉾「鷹山」約200年ぶり22年復帰へ 9月に試し曳き
奈良 世界遺産 金峯山寺の国宝・仁王門の解体修理で起工式
藤原京で豚肉食されていた 便所跡から国内最古級の寄生虫卵
奈良県立橿原考古学研究所の発掘調査によると、飛鳥時代、藤原京(694~710年)にあった便所の遺構で、豚肉を食べると感染する寄生虫の卵が見つかった。卵は豚肉食の科学的な証拠だとし、国内最古級発見例という。
藤原京が造営される少し前の7世紀後半、朝鮮半島では百済や高句麗が相次いで滅び、多くの人々が日本列島へ渡ってきたと考えられている。同研究所では豚食文化のあるこうした人々が藤原京でブタを食べていた可能性があるとみている。
今回土壌から発見されたのは、豚肉を食べて感染する寄生虫(有鉤条虫=ゆうこうじょうちゅう)の卵とみられる。サナダムシの一種で、卵殻の状態で5個検出された。同様の寄生虫の卵は”古代の迎賓館”と呼ばれた「鴻臚館(こうろかん)」(福岡県)跡や秋田城跡(秋田市)の便所遺構からも見つかっている。