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奈良明日香村の古代庭園遺跡 新たに見つかった遺構公開

奈良県立橿原考古学研究所が行った、奈良県明日香村の国内最古とされる本格的な庭園遺跡「飛鳥京跡苑池」の発掘調査で池と近くの水路をつなぐ溝が新たに見つかり、12月4、5日の2日間、一般公開された。
今年度の発掘調査で、庭園の池からあふれた水を近くの水路に流すために設けられたとみられる溝が新たに見つかった。1,300年余り前の飛鳥時代の建築技術や文化の一端がうかがわれる。2日間に多くの考古学ファンや地元の人たちが見学に訪れ、石を積み上げて溝が造られている様子をじっくりと眺めて写真に収めて、古代の風景に思いを馳せていた。

「指月伏見城」の石垣の基礎 新たに発見 規模・構造見直しへ

京都市埋蔵文化財研究所は、京都市伏見区のJR桃山駅前の整備に伴う発掘調査で、長さおよそ18m、幅2m、深さ70cmの溝に大きな石が埋め込まれた石垣の基礎の跡を見つけたと発表した。
これは、豊臣秀吉が安土桃山時代の文禄3(1594)年に築き、地震で2年後に倒壊したため”幻の城”ともいわれる「指月伏見城」の石垣の基礎の跡とみられるという。この場所はこれまで考えられてきた指月伏見城の敷地のおよそ100mほど外側にあり、同研究所は城の規模や構造を見直す貴重な発見だとしている。そして、指月伏見城はシンプルな城ではなく、堀や石垣を複数巡らせた複雑な構造だった可能性も出てきたと話している。

大阪「鴻池組旧本店」洋館・和館など5件が国の有形文化財に

国の文化審議会はこのほど、大阪府内の建造物5件を国の有形文化財に登録するよう答申した。大阪市此花区の明治43年に建てられた「鴻池組旧本店」の洋館と和館、高槻市で現在、レストランなどに使われている「旧京都大学高槻農場」など合わせて4件の建物と、柏原市にある安田家住宅母屋も新たに登録されることになった。
鴻池組旧本店の洋館の外壁は、白いモルタルに赤いレンガでラインを巡らせたモダンなデザインが特徴。玄関ホールにはクジャクやバラをモチーフにしたステンドグラス、応接室の暖炉や棚には当時流行していたアール・ヌーボーの装飾が施されている。また、和館は屋根が瓦葺きで軒下は漆喰(しっくい)が塗り込められ、重厚な町家のつくりとなっている。

京都・南座の顔見世興行前に「まねき上げ」年末恒例

京都の南座(所在地:京都市東山区)で行われる年末恒例の顔見世興行を前に11月25日、舞台に立つ歌舞伎俳優の名前を書いた看板を掲げる、伝統の「まねき上げ」が行われた。
まねきあげは独特の書体「勘亭流」で、出演する歌舞伎俳優の名前が書かれた「まねき」と呼ばれる」板を、劇場の正面に飾る伝統行事。夜のうちに設置された板を合わせて54枚のまねきが掲げられ、劇場の関係者が塩をまいて興行の成功と無事を祈願した。南座の顔見世興行は12月2日から23日まで行われる。

大阪・道修町 少彦名神社で「神農祭」健康,コロナの終息願う

江戸時代から薬の問屋が建ち並ぶ、薬の町として知られる大阪市中央区道修町の少彦名神社で11月22、23日、健康を祈願する「神農祭」があった。家族の無病息災や新型コロナウイルスの終息を願って多くの人が訪れた。
神農祭はおよそ200年前の江戸時代末期、コレラが大流行した際、薬問屋などが薬やお守りを人々に配ったことが始まりとされる。大阪では1年を締めくくる祭りという意味で「とめの祭り」とも呼ばれ、この祭りが終わると、大阪は一気に年末の雰囲気が深まるとされる。

大阪・堺市 仁徳天皇陵で多数の埴輪の破片など見つかる

宮内庁と堺市が10月から調査を進めている、国内最大の前方後円墳「仁徳天皇陵」として管理されている世界遺産、大山古墳から多数の埴輪の破片などが見つかり、11月19日、報道陣に公開された。古墳の最も内側の第1堤の10カ所で、縦2m、横は最大で13.5mの調査区域を設け、30cmほど掘り起こして行った調査結果が示された。
今回の調査では、堤の内側で円筒埴輪などの破片が見つかった。3年前に初めて行った調査で、堤の外から同様の発見があったことから、宮内庁は堤の内外両側に花輪が並べられていた可能性があるとしている。また、木製の埴輪が立っていたと推測される穴や、こぶし大の石を敷き詰めた石敷きも見つかった。
調査は12月上旬までで、堺市は史料の一部を博物館などで公開することを検討している。