東大寺二月堂の「お水取り」の名で知られる伝統行事「修二会」について、同寺は新型コロナの感染急拡大に伴い、今年も「お松明」の一部を非公開にすることを決めた。
感染症の専門医などと対応を検討した結果、感染拡大防止のため、燃え盛る松明(たいまつ)を二月堂の欄干から突き出して振る「お松明」、3月1日から14日までの日程のうち、12日は非公開、それ以外の日は二月堂周辺への立ち入り人数を制限する方針。
修二会は、「練行衆」と呼ばれる僧侶たちがおよそ1カ月間にわたって国の安泰を願い、法要などを行う行事で、奈良時代から一度も途絶えることなく行われ、今年で1,271回目を数える。
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京都・三十三間堂で新成人らが2年ぶり「弓の引き初め」
京都の国宝・蓮華王院本堂、通称・三十三間堂(所在地:京都市東山区)で弓道の全国大会が2年ぶりに開かれ、競技に先立って、晴れ着姿の新成人たちが「弓の引き初め」をした。1月15日は昨年の成人を対象に、16日は今年の成人を対象に、2年ぶりに無観客で開催された。
三十三間堂では、鎌倉時代から江戸時代に、弓の名人たちが腕前を競い合った「通し矢」が行われていた。こうした歴史に因み、毎年この時期に弓道の全国大会が開かれてきた。だが昨年は、新型コロナウイルスの影響で中止となっていた。2年ぶりに行われた引き初めで、振り袖にはかま姿の新成人の女性たちが、60メートル先の直径1mの的に狙いを定め、次々に矢を放ち、緊張感の中にも華やかな雰囲気を醸し出していた。
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東北大・山口大・東大 三畳紀末の大量絶滅の実態を解明
東北大・山口大・東大の研究グループは1月13日、約2億年前の三畳紀末の大量絶滅の実態を解明したと発表した。同グループは堆積岩の加熱実験を行い、比較的低い温度では二酸化硫黄が、高い温度では二酸化炭素がより多く放出されることを明らかにした。さらに、大量絶滅を記録した地層から発見した加熱温度に制御されて生成する堆積有機分子の種類の変化から、火山活動が低温から高温へ移行したと推定した。
以上の結果から、三畳紀末の大量絶滅は次のプロセスで起きたことを提唱した。
①大規模火山活動のマグマが、比較的低温で堆積岩を加熱した結果、大量の二酸化硫黄が生成された②二酸化硫黄が成層圏に入り、硫酸エアロゾルを形成した③硫酸エアロゾルが太陽光を反射し、光合成阻害や地球寒冷化などにより生物の大量絶滅が起こった。
これを境に、それまで繁栄していたワニの先祖の大型爬虫類が絶滅し、恐竜の多様化が始まった。それまで小さく地味だった三畳紀の恐竜は三畳紀末の大量絶滅以後に急速に大型化して、ジュラ紀以降の繁栄につながった。
これまで大量絶滅を引き起こした大規模火山活動が、どのように環境変動を引き起こしたかは不明だった。
今回の研究の成果は、国際誌「Earth and Planetary Science Letters」に掲載されるのに先立ち、1月12日付電子版に掲載された。