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和歌山・広川町で20回目「稲むらの火祭り」

江戸時代、1854年の安政南海地震の際、現在の和歌山県広川町に津波が押し寄せたとき、豪商・濱口梧陵が収穫された田んぼの稲わらに火を付けて津波の襲来を村人に知らせ、高台まで避難させたという逸話にちなんだ「稲むらの火祭り」が10月22日、広川町で行われた。同町ではこの濱口梧陵の故事を語り継ごうと2003(平成15)年から開催、今年で20回目を迎えた。
祭には中学生以上の子どもや町民ら約400人が参加。町役場前から、当時の村人が避難した高台の神社まで約2kmを、ひとり一人が手に持った松明(たいまつ)の火を掲げながら、道を照らし歩いた。

京都「時代祭」3年ぶり都大路に衣装姿の大行列

葵祭(5月)、祇園祭(7月)とともに数えられる京都三大祭の一つ「時代祭」が10月22日行われた。この祭りは明治維新を先頭に、計20ブロックの隊列が平安時代まで時代を遡る形で編成。それぞれの時代の衣装を身に着けたおよそ2,000人が京都御所から平安神宮までの約4.5kmを練り歩く「時代祭行列」が呼び物となっている。新型コロナウイルス禍で2020、2021年は中止され、3年ぶりの開催となった。
今回は、20ブロックごとの代表的な人物、坂本龍馬、織田信長、羽柴秀吉、楠木正成、皇女・和宮などが登場した。見物客らは各時代のファッションや髪型などに見入っていた。

「はやぶさ2」試料から宇宙由来のガス成分確認

宇宙航空研究開発機構(JAXA)や九州大学などの研究チームは10月21日、探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」で採取した試料に、46億年前の太陽系誕生以前のガスが含まれていたとする分析結果を発表した。小惑星由来の気体を直接確認するのは初めて。
チームは計16種類の試料を最高約1,800度まで加熱して、ガス化したヘリウムや、ネオン、アルゴンなどを調べた。これらのガスの一部は太陽系誕生以前に存在したことを示す特徴を持っていた。これらのガスを含んだダイヤモンドなどが材料となって、りゅうぐうのもとになった「母天体」を形成。その後、母天体に小天体が衝突し、生じた破片が集まってりゅうぐうができて以降もガスは残り続けたと、同チームは推定している。
ガスの分析から、りゅうぐうが比較的地球に近い今の位置に来たのは約500万年前と考えられることも初めて分かったという。

奈良公園・鹿苑で「シカの角切り」3年ぶり公開

奈良の秋の風物詩「シカの角切り」が10月8日、奈良市・奈良公園の鹿苑(ろくえん)で行われた。新型コロナウイルス禍でシカの角切りが公開されるのは3年ぶり。9、10日も公開される。
成長し長く伸びた角に縄をかけようと追い込む勢子(せこ)衆と、人の背丈ほども飛び跳ね、逃げ回るシカとの迫力あるシーンに訪れた観客から歓声が上がった。
シカは秋に発情期を迎え、気が荒くなり攻撃的になる。その際、不意に近寄る人を、成長した角で襲い、傷つけることを防ぐために、江戸時代初期から約350年続く恒例行事とされている。勢子は、角に縄を引っ掛けて押さえ付けたシカの角を、のこぎりで素早く切り落としていた。

正倉院で「開封の儀」 10/29〜11/14まで正倉院展

奈良市の正倉院で10月6日、年に1度の宝庫の扉を開ける「開封の儀」が執り行われた。12月2日まで約9,000件の宝物の点検や調査を実施する。
10月29日から11月14日まで開催の奈良国立博物館(所在地:奈良市)の「正倉院展」で、宝物の一部が公開される。
校倉造りで知られる正倉院には、奈良時代の聖武天皇ゆかりの品や、シルクロードを経て大陸から伝わった歴史的宝物が数多く保管されている。

ノーベル生理学・医学賞にスバンテ・ペーボ氏

今年のノーベル生理学・医学賞にドイツのマックス・プランク進化人類学研究所のスバンテ・ペーボ博士が選ばれた。同氏は沖縄科学技術大学院大学教授(非常勤)も兼任している。
選考理由は、3万〜4万年前に絶滅したネアンデルタール人の骨に残っていた遺伝情報を詳しく解析し、現代の人類、ホモ・サピエンスと比較。その結果、ホモ・サピエンスはネアンデルタール人のの遺伝情報の一部を受け継いでいることを突き止め、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人とで種が交わっていた可能性を明らかにし、人類の進化に関する研究で貢献した点が評価された。