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マンモスの細胞核移植で反応確認 近畿大G

マンモスの細胞核移植で反応確認 近畿大G

近畿大学などの研究グループはこのほど、9年前ロシア・サハ共和国の永久凍土の中から見つかった、いわば氷漬けのマンモスの細胞核をマウスの卵子に移植したところ、細胞分裂に向けた反応が始まり、マンモスの遺伝子が活動する力を保っていることを世界で初めて確認できたと発表した。
この研究グループは、和歌山県にある近畿大学の生物理工学部や先端技術総合研究所、ロシアの科学アカデミーなどでつくるチーム。9年前、永久凍土の中からおよそ2万8,000年前の姿をほぼとどめた状態で見つかり、「YUKA(ゆか)」と名付けられた子どものマンモスを使って、比較的状態の良い細胞から、遺伝子が入った細胞核を取り出し、マウスの卵子およそ40個に移植した。
その結果、およそ半分でマンモスの遺伝子が働いて特殊なたんぱく質が蓄積したほか、5つの卵子では細胞分裂の直前にみられる「紡すい体」と呼ばれる構造も観察されたという。
マンモスは象の仲間で、ユーラシア大陸から北アメリカ大陸まで広く棲息していたが、およそ1万年前に絶滅したと考えられている。

世界遺産 原城二ノ丸跡から一揆当時の砲弾・銃弾出土

世界遺産 原城二ノ丸跡から一揆当時の砲弾・銃弾出土

長崎県南島原市は3月8日、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成要素の一つ、原城跡(南島原市南有馬町)で、島原・天草一揆(1637年=島原・天草の乱)当時のものとみられる鉄製の砲弾や鉛製の銃弾が二ノ丸跡から出土したと発表した。このほか、破片の陶器や磁器、瓦と古銭も出土した。
原城二ノ丸跡の調査は2018年から2022年度までの5カ年計画で進められており、その後、三ノ丸跡の発掘にも取り掛かる予定。本丸跡の発掘は1992~2006年度に実施されている。

奈良・薬師寺東塔の「水煙」一般公開

奈良・薬師寺東塔の「水煙」一般公開

奈良市の薬師寺の国宝・東塔で、創建当初から屋根の上にある「水煙」と呼ばれる飾りが新調され、元の水煙とともに一般公開されている。
新しい水煙は富山県高岡市の工房がおよそ1年かけて鋳造したもの。高さが1.9mあり、銅製の板に飛天が笛を吹く姿や舞い降りたりする姿が、透かし彫りで表現されている。
薬師寺の東塔は寺が創建された1,300年前から残る高さ34mの国宝の三重塔。現在110年ぶりに大規模な修理中。新しい水煙は3月中には屋根の上に設置されるため、間近で見られるのは今回が最後という。この水煙の一般公開は3月10日まで。

徳島・若杉山遺跡から従来を500年遡る最古の坑道跡

徳島・若杉山遺跡から従来を500年遡る最古の坑道跡

徳島県教育委員会と徳島県阿南市は3月1日、古代の人々が宗教的な儀礼などに使っていた赤い色の顔料となる鉱物「辰砂(しんしゃ)」が、古代から採取されていた若杉山遺跡(徳島県阿南市)の坑道跡が、今回新たに見つかった横穴から出土した5点の土器片の年代から弥生時代後期(1~3世紀)の遺構と確認されたと発表した。
国内最古の坑道はこれまで、奈良時代前半(8世紀)の長登(ながのぼり)銅山跡(山口県)とされていた。今回の確認により、500年以上遡ることになる。

奈良の唐古・鍵遺跡のARアプリ完成 弥生時代の姿再現

奈良の唐古・鍵遺跡のARアプリ完成 弥生時代の姿再現

弥生時代の大規模な集落跡として知られる奈良県田原本町の唐古・鍵遺跡で、当時の姿をAR(Augumented Reality=拡張現実)の技術を活用して、スマートフォンなどで楽しめるアプリが完成。2月28日から無料でダウンロードし、ARを楽しめるようになった。
これは同遺跡を訪れ、このアプリをダウンロードしたタブレット端末やスマートフォンのカメラを、同公園にある大型建物の柱の跡に向けると、当時この遺跡にあった建造物や、巫女たちが舞いを披露する様子が、ARの技術を使って画面上に現れる。また、人の顔に向けると弥生時代の呪術師や、戦士の飾りが顔の周りに表示され、写真を撮ることもできるという。
このアプリは英語や中国語など5カ国語に対応しており、外国人旅行者も楽しめる。

定家、芭蕉、夢二など「うた」テーマに京都・嵐山で特別展

定家、芭蕉、夢二など「うた」テーマに京都・嵐山で特別展

京都市右京区の嵯峨嵐山文華館で「うた」をテーマにした作品およそ60点を紹介する特別展が開かれている。この特別展は作品の一部を入れ替えながら5月12日まで開かれる。
展示されているのは、百人一首を選んだ歌人、藤原定家の書や松尾芭蕉の俳句、美人画で知られる竹久夢二、伊藤若冲らの絵画などが展示されている。いずれも平安貴族の社会はじめ、中世から近代にかけての作品群が「うた」との調和の中で紹介されている。
例えば、平安時代の歌人が夜明けの雪景色を詠んだ和歌を、定家が自ら筆で記した色紙は百人一首のもととなった現存する数少ない作品の一つという。また、竹久夢二の油絵「青春譜」は、悩める若い男女に差し伸べられた希望を表現したとされている作品だ。