care のすべての投稿

奈良県明日香村のキトラ古墳の壁画 国宝に指定へ

奈良県明日香村のキトラ古墳の壁画 国宝に指定へ

文化審議会は3月18日、およそ1300年前の飛鳥時代に造られた奈良県明日香村のキトラ古墳で見つかった極彩色の壁画を国宝に指定するよう文部科学相に答申した。
今回国宝に指定されるキトラ古墳の壁画は①石室の東西南北の壁に描かれた方角の守り神「四神(しじん)」②顔が干支(えと)の動物で、体が人の姿をした十二支③天井に描かれた「天文図」。古墳に描かれた極彩色の壁画は高松塚古墳と並んで国内で2例しかなく、日本の古代の絵画史を考えるうえで不可欠な作品例と評価された。
キトラ古墳の壁画は、カビなどによる劣化のため石室からはぎ取られ、修復が進められていたが3年前その作業が終わり、2018年に国の重要文化財に指定されたばかり。文化庁によると、1年で国宝に格上げされるのは極めて珍しいという。

「日本天文遺産」に藤原定家の「明月記」など2件

「日本天文遺産」に藤原定家の「明月記」など2件

日本天文学会は、天文学や暦学に関する国内の貴重な史跡や文献を「日本天文遺産」として認定する制度を今年から始める。そして、このほど第1回目の対象に、京都市にある冷泉家時雨亭文庫が所有する藤原定家の日記「明月記」と、福島県会津若松市にある江戸時代の天文台跡、「会津日新館天文台跡」の2件を選んだ。
定家の明月記は鎌倉時代に書かれたもので、恒星が大爆発を起こす「超新星爆発」や日食などが詳しく記載されていて、当時の時代認識とともに古い時代の天文現象を知ることができる貴重な資料となっている。

和歌山で肉食恐竜「スピノサウルス類」の歯の化石発見

和歌山で肉食恐竜「スピノサウルス類」の歯の化石発見

和歌山県立自然博物館は県内のおよそ1億3,000万年前の地層から、大型の肉食恐竜「スピノサウルス類」の歯の化石が見つかったと発表した。
今回見つかったのは長さ1.4cmほどの円すい形の歯の化石。東京都市大学の中島保寿准教授が分析したところ、縦方向に筋が入っていることや表面のエナメル質が厚いことなどから、スピノサウルス類のものと分かったという。
この歯の化石はスピノサウルス類としてはアジアで最も古い部類だということで、進化の過程を解明するうえで重要な手がかりになるとみている。スピノサウルス類の化石が見つかるのは3例目で、西日本では初めて。
スピノサウルス類を代表する恐竜、スピノサウルスは体長が15mにも達する最大の肉食恐竜といわれ、映画『ジュラシック・パーク3』にも登場している。

大和郡山市の「平城京南方遺跡」で新たに道の跡「小路」か

大和郡山市の「平城京南方遺跡」で新たに道の跡「小路」か

大和郡山市教育委員会の発掘調査によると、同市の「平城京南方遺跡」で細かく区画整備された、東西に延びる幅およそ6mの道の跡が見つかった。
この遺跡は、平城京の南の端とされる九条大路と、それより南にある「十条大路」とも指摘される大規模な道の跡の間にある。このため同市教委は、今回見つかったのは、当時の都でみられたのと同様に、細かく区画整備された「小路」と呼ばれる道ではないかとみている。近くには都の正門、羅城門などがあることから、それらと一体的に道が整備された可能性があるとしている。
現地説明会は3月16日に行われる。

富岡鉄斎の奈良題材の水墨画など作品展

富岡鉄斎の奈良題材の水墨画など作品展

近代を代表する文人画家、富岡鉄斎が奈良を題材に描いた水墨画などおよそ50点を集めた展覧会が、奈良市大和文華館で開かれている。展覧会は4月7日まで。
会場には、春の吉野山を題材にした「華之世界図」や、たき火を囲んで月ヶ瀬の梅を楽しんでいる様子を描いた「名士観梅図」など、いずれも奈良にゆかりのある作品が展示されている。
鉄斎は明治から大正にかけて活躍した文人画家で、儒学や仏教に根差した作品を1万点以上残している。

東大寺二月堂”お水取り”で「籠松明」

東大寺二月堂”お水取り”で「籠松明」

奈良に春の訪れを告げる東大寺二月堂の伝統行事「修二会(しゅにえ)」(通称:お水取り)は3月12日夜、修行僧らの満願を迎え、「籠松明」と呼ばれる長さ8m・重さ60kgの大きな松明が焚かれ、夜空に火の粉が舞いあがった。
飛び散った火の粉を浴びると健康に過ごせるといわれ、集まった見物客らは二月堂の欄干から僧が、燃え盛る大きな籠松明を威勢よく振って降り注ぐ火の粉に大きな歓声をあげていた。
修二会は僧侶らが国の安泰などを願って修行する行事で、奈良時代から1200年以上続いている。3月1日から毎晩「お松明」が行われていて、12日夜は籠松明と呼ばれる大きな松明が焚かれる。