文化庁は3月17日、東京で開かれた専門家の検討会で、奈良県明日香村で50年前に発見された高松塚古墳の国宝の壁画を保存・修復し、研究成果などを発信するための新たな施設を設置する方針を決めた。
7世紀末から8世紀初めの飛鳥時代に造られた高松塚古墳は、「飛鳥美人」として知られる極彩色の壁画などが50年前に発見され、考古学ブームを巻き起こした。しかし、時間の経過とともに大量のカビの発生や修復のために使われた薬剤の影響などで劣化が急速に進んだことから、15年前に古墳の石室は解体され、壁画が描かれた石材は700mほど離れた仮の施設に運び込まれている。
新施設には調査・研究や情報発信を行う展示設備も設けられる予定で、現在壁画が保管されている仮の施設の周辺に、8年後の完成を目指すという。