平成5年、滋賀県多賀町で見つかったおよそ180万年前の日本固有種のゾウの化石「アケボノゾウ化石多賀標本」が国の天然記念物に指定されることになった。文化庁によると、陸上の哺乳類の化石が国の天然記念物に指定されるのは初めてという。
この化石は頭部や体、足の部分と全身のおよそ7割がバランスよく見つかっていて、保存状態もよく、部位が特定されていない骨も含めると191点と、国内のゾウの化石の中でも群を抜いて多い。アケボノゾウは、日本の環境に合わせて独自の進化を遂げて小型化していて、「多賀標本」は行動生態や進化の過程を研究するうえで、学術価値が極めて高いと評価された。