戦時中の幻の「陶貨」50万枚発見 発行前に終戦, 流通せず

造幣局は10月9日、京都市東山区の製造工場跡地近くの倉庫から、戦時中の金属不足により製造された陶器の貨幣「陶貨」50万枚超が見つかったと発表した。陶貨は、発行前に終戦を迎えたため流通せず、「幻の貨幣」とされ、これだけ大量に見つかるのは初めてという。
陶貨は1945年、委託先の京都市、愛知県瀬戸市、佐賀県有田町の民間の3工場で約1,500万枚が製造された。しかし、終戦で金属不足が落ち着き、廃棄が決定。国の命令で多くが粉砕処分されたとみられるが、流出した一部が各地の資料館などで展示されている。今回見つかったのはいずれも直径15ミリの「1銭陶貨」。表面には富士山と、反対側には桜が描かれている。

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