東京都内で3月23日開かれた文化庁の検討会で、奈良県明日香村のキトラ古墳について、石室の壁をエックス線を使って分析したところ、十二支の「巳(み)」とみられるヘビをかたどった像など3つの壁画が描かれていたことが新たに確認されたことが明らかにされた。
今回十二支の「辰(たつ)」と「巳(み)」「申(さる)」にあたる場所に、顔料の成分とみられる水銀や銅の反応が検出されたという。東京大学の増記隆介准教授は「泥の下にあるものが、よくここまで形として把握できたと思う。キトラ古墳の壁画がどういったものかを考える重要な成果だ」と話している。
キトラ古墳は7世紀末から8世紀初めのころの飛鳥時代に築造されたとされる円形の古墳。40年前(1983年)の調査で石室の内部に極彩色の壁画が描かれていることが分かった、高松塚古墳に続く国内2例目の古墳。