奈良市教育委員会埋蔵文化財調査センターは3月1日、奈良市の平城宮跡周辺に広がる佐紀古墳群にかつて、全長約200mの前方後円墳「佐紀池ノ尻古墳(仮称)」が存在していたと発表した。航空レーザー測量などから確認した。
この古墳は4世紀後半に築造された後、平城京造影で破壊されたとみられ、被葬者はヤマト王権の中枢を担った有力者の可能性があるという。
同センターが行った発掘調査で2023年8月、平城京造営に伴って整地された地層の下から大きな溝が見つかった。また、4世紀後半の鰭(ひれ)のような突起がある盾形埴輪なども出土し、古墳南端の周濠(幅約30m)と判断された。これらの研究成果を踏まえ、南北約260m、東西約200mの盾形の周濠を伴った大型前方後円墳があったと結論付けた。