京都市東山区の、平安初期の貴族、小野篁(たかむら)ゆかりの六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)で5月4日、篁を題材にした能「篁(たかむら)」が500年ぶりに復活、せりふを奉納する「謡(うたい)奉納」が行われた。
能「篁」はおよそ500年前の室町時代に上演が途絶えたとされていたが、能楽師でつくる京都観世会が当時の文献などをもとに、2年かけて復活させた。鎌倉時代に隠岐に流された後鳥羽上皇の前に、小野篁が霊になってあらわれ、逆臣たちを地獄へ落とすという物語。同日は口元を布で覆った5人の能楽師が篁の像の前で、後半のせりふの一部を独特の節回しで力強く謡い上げ、奉納した。