自動車の国内大手8社が6月29日発表した5月の世界生産台数は前年同月比77.4%増の162万4,834台となった。前年同月が新型コロナ禍で多くの工場が操業停止した反動で大幅増となった。ただ、コロナ流行前の2019年5月の水準には及ばなかった。世界的な半導体の供給不足が、今後の生産動向・伸長の足かせとなっている。
三菱電機 不正検査35年 鉄道空調で架空データ
三菱電機が鉄道車両向け空調機器の製造過程で、35年にわたり出荷前に必要な検査を怠ったり架空のデータを記入していたことが発覚した。同社は「安全性に問題はない」としているが、詳しい社内調査や顧客への説明に着手した。
空調機器は長崎製作所(所在地:長崎県時津町)で製造し、JRや私鉄など全国の鉄道会社に納入されていた。不正は少なくとも1985年から続いていたもよう。社内調査は現在使われている数百件以上が対象になるとみられる。
同社は今年6月中旬に不正を把握。実態を確認するため社内調査を始めていた。検査の不備が疑われる空調機器の出荷をすでに停止し、JRなど一部の納入先へ説明するとともに、経済産業省にも報告している。
エーザイ 香港で不眠症治療薬「デエビゴ」発売
エーザイ(本社:東京都文京区)は6月30日、香港の医薬品販売子会社Eisai(HongKong)Co.,Ltd.が、自社創製のオレキシン受容体拮抗薬「Daybigo(R)」(一般名:レンボレキサント、日本製品名:デエビゴ(R))について、成人の不眠症の適応で新発売したと発表した。2021年2月28日に香港で承認を取得しており、今回の新発売はアジア地域(日本を除く)における最初の発売となる。
デエビゴは日本、米国、カナダで販売されている。豪州、ブラジル、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、台湾、タイで申請中で、引き続き申請国を拡げていく予定。
全世界で成人の約30%が不眠症の症状があると推定され、香港では成人の35%以上の人が不眠症といわれる。
トヨタ 5月の世界生産83.4%増 コロナ禍の反動で
トヨタ自動車が6月29日発表した5月の生産・販売・輸出によると、世界生産台数は前年同月比83.4%増の67万1,097台だった。コロナ禍で前年同月は工場が稼働停止したため、その反動で大幅増となった。9カ月連続で前年同月を上回ったが、コロナ流行前の2019年5月(80万2,592台)の水準には回復していない。2021年5月の海外生産は93.0%増の46万9,429台、国内生産は64.3%増の20万1,668台だった。
三井化学 アールプラスジャパンに資本参加
三井化学(本社:東京都港区)は6月25日、アールプラスジャパンに資本参加したと発表した。同社は気候変動と石油系プラスチック問題を一体として取り組むべき重要な社会課題と捉え、使い捨てプラスチックを巡る課題に対して、バリューチェーン全体を視野に入れた①リサイクル戦略②バイオマス戦略に注力している。アールプラスジャパンおよび参加企業と連携し、使用済みプラスチックの再資源化に取り組み、PET樹脂等のリサイクル戦略の推進を図っていく。