国宝・松本城 耐震工事へ 市が19年度着工めざす

国宝・松本城 耐震工事へ 市が19年度着工めざす

長野県松本市は、国宝・松本城が震度6強から7の地震が起きた場合、天守の一部に倒壊の恐れがあることが分かり、耐震工事や避難誘導の計画を策定することになった。着工は2019年度内を目指し、工期は数年間にわたる見込み。
同市は文化庁の指針に基づいて耐震診断に乗り出し、同市から委託を受けた「文化財建造物保存技術協会」(東京)が実施した。
松本城は築城から400年以上経過しているとされる。16年度は約99万人が訪れ、有力観光スポットの一つとなっている。

古代中国貨幣「貨泉」3枚淡路島で出土 弥生期に伝来

古代中国貨幣「貨泉」3枚淡路島で出土 弥生期に伝来

兵庫県南あわじ市教育委員会は5月18日、紀元14~40年にかけ中国古代国家の「新」「後漢」で鋳造されたとされる貨幣「貨泉」3枚が、同市八木入田稲荷遺跡で見つかったと発表した。
貨泉は、今回を含め国内で179枚見つかっているが、今回のように複数枚が重なった状態で発見されるのは珍しいという。3枚は直径2.27~2.32㌢、重さは1.45~2.53㌘。重さから、後漢初頭に造られた可能性が高いと判断した。
同市教委は、古代中国の貨幣が伝わったのは弥生時代後期に淡路島が海上交易の要衝だったことを示す貴重な史料-と話している。

平城京跡で2棟の大型建物跡 貴族の邸宅か

平城京跡で2棟の大型建築物跡 貴族の邸宅か

奈良市教育委員会の発掘調査によると、奈良市の平城京跡で貴族の邸宅だったとみられる大型の建物跡が見つかった。
場所は平城京の中心地の東側にあたる、奈良市法蓮町のマンション建設予定地。塀に囲まれた全長18㍍と12㍍の、2棟の大型建物の柱の跡が見つかった。
2つの建物は南北に接するように建てられ、北側の建物は外側に庇(ひさし)が張り出していて、南側の建物と床が内部でつながり、一体として使われていたと考えられている。こうした建物の利用のしかたは位の高い貴族の邸宅などでみられるという。

国宝・重文いぜん164件所在不明、7件確認 文化庁

国宝・重文いぜん164件が所在不明、7件確認 文化庁

文化庁は5月17日、国宝や国の重要文化財(重文)指定の美術工芸品約1万件のうち、昨年度末時点でいぜんとして164件(うち国宝2件)が不明のままだと発表した。
一昨年度末時点で不明だった172件のうち7件の所在が確認できたほか、1件について「所在情報」が寄せられた。今回確認された7件は、金襴手花鳥文瓢形大瓶(きんらんてかちょうもんひょうけいたいへい)(東京都)、太刀「銘 景光(かげみつ)」(島根県)、蘆屋霰地真形釜(あしやあられじしんなりかま)(大阪府)、埴輪馬(東京都)などですべて重要文化財。現所有者が所有者変更の届け出などして分かったという。
文化庁は国宝、重文の所在不明のものが多数判明したため2014年以降、継続的に調査結果を発表している。

家光供養の不明の法華経2巻見つかる 徳川美術館

家光供養の不明の法華経2巻見つかる 徳川美術館

徳川美術館(名古屋市東区)は5月17日、三代将軍・徳川家光の17回忌のために作られた法華経33巻のうち、所在不明になっていた2巻が見つかったと発表した。
今回発見されたのは僧侶・俊海筆の「化城喩品(けじょうゆほん)」と、公家・園基福(そのもとよし)筆の「法師功徳本(くどくほん)」で、金を使った豪華な経典。経典は一巻ずつ、当時の一流文化人の手で書かれた。経文は紺色の紙に金泥で書かれ、見返し部分も金泥で釈迦と弟子たちが描かれている。巻物の軸に水晶を使い、先の部分を葵をかたどった金具で飾ってある。
これらは徳川美術館で開催中の特別展「金と銀の国 ジパング」で5月18~28日、一般公開される。

新緑の都大路で「京都・葵祭」華やかに平安絵巻

新緑の都大路で「京都・葵祭」華やかに平安絵巻

京都三大祭の一つ、「葵祭」が5月15日、行われた。雅な平安装束に身を包んだ、祭の主役・斎王代はじめ、およそ500人の行列が新緑の都大路を練り歩いた。沿道には警察発表でおよそ5万人の観光客らが見守り、ひととき華やかな”雅の世界”に浸っていた。
祭のスタートは上京区の京都御所で、下鴨神社を経由して、出発からおよそ5時間後に上賀茂神社に到着した。今年は斎王代を同志社大学2年、宮田紗代さん(19)が務めた。
葵祭はおよそ1400年前、欽明天皇が五穀豊穣を祈って馬を走らせたのが始まりとされている。