キリシタン大名・高山右近に国内外で関心 大阪で式典へ

キリシタン大名・高山右近に国内外で関心 大阪で式典へ

禁制下の江戸時代に国外追放されたキリシタン大名・高山右近(1552?~1615年)を、キリスト教カトリックの崇敬対象「福者」と称える式典が2017年2月にも大阪で開かれる見通しだ。その式典を控え国内外の右近ゆかりの地では、多くのキリシタン戦国大名が棄教した中で、地位や財産を捨て、信仰に殉じた右近の生きざまに関心が高まっている。
織田信長、豊臣秀吉の事実上の治政下、安土桃山時代に右近が12年間にわたり、城主を務めた大阪府高槻市。カトリック高槻教会では信徒が今年4月から、右近の生涯と信仰について学ぶ連続講座を開いている。
今年1月21日、バチカンが右近を「福者」と認定したことを受け、高槻市も右近ゆかりの地を紹介するパンフレットを作製し、観光資源としてPRに乗り出した。
イタリア人女性映画監督のリア・ジョバナッツイ・ベルトラミさん(48)は、ドキュメンタリー映画『右近サムライ 剣の道、十字架の道』(イタリア版43分、英語版37分)を製作した。この中で戦国武将だけでなく、カトリック信仰を死守する一方、茶道など日本の文化にも通じていた文化人、右近の姿が描かれている。DVD化されて、イタリア国内で9月1日から発売される予定。

宮城・多賀城内内館跡 空撮で室町後期の屋敷跡発見

宮城・多賀城内内館跡 空撮で室町後期の屋敷跡発見

宮城県多賀城市教育委員会によると、同市南宮の内館館跡(うちだてたてあと)で、室町時代後期の堀に囲まれた屋敷跡が見つかった。航空写真の分析で見つかった農地のクロップ(農作物)マークが発見のきっかけとなった。埋没していた遺構の影響で農作物の生育に違いが出ており、その場所を調べるとマーク通りに堀の跡が見つかった。
クロップマークは、JR東北線陸前山王駅から北西約1.5㌔の水田で確認された。航空写真では幅2~3㍍の二重の堀に囲まれた隣接する2区画の形がうっすらと浮き上がって見えた。堀の内側にあった井戸跡などからは漆器の椀(わん)、すり鉢型の土器、木製の下駄、ひしゃくなどの生活用品が出土。このほか、柱を立てた穴も数カ所確認され、有力者の屋敷跡と推定された。
多賀城西部は、鎌倉時代の陸奥国府留守所(るすどころ)の長官の子孫で、代々この地を治めた「留守氏」の屋敷跡がある。内館館跡は、室町時代後期の武将、留守顕宗(るすあきむね、1519~86年)が隠居後に暮らした地とされている。

平等院鳳凰堂の屋根の木材はコウヤマキ

平等院鳳凰堂の屋根の木材は創建時のコウヤマキ

京都府宇治市の国宝で世界遺産、平等院鳳凰堂で保管されていた屋根の木材が、このほど調査の結果、平安時代の創建当時のものであることが分かった。
この木材はコウヤマキで、変色して古びているが、傷みがほとんどなく保存状態が良かったという。今回調査された木材は明治時代に鳳凰堂の屋根から取り外された ものと伝えられていたが、詳細な研究はされていなかった。このため、鳳凰堂は総ヒノキ造りとされていたこれまでの説は覆された。
平等院鳳凰堂はおよそ1,000年前、栄華を誇った関白・藤原頼通によって建立されたと伝えられる。

松尾芭蕉直筆の連句・画、書簡16点見つかる 柿衞文庫

松尾芭蕉直筆の連句・画、書簡16点見つかる 柿衞文庫

俳諧に関連した収集品を展示する「柿衞(かきもり)文庫」(兵庫県伊丹市)は6月2日、江戸時代前期の俳人、松尾芭蕉(1644~1694年)直筆の連句・画、書簡など16点が京都府や愛知県の個人宅で見つかったと発表した。
連句は1685(貞享2)年3月、『野ざらし紀行』の旅で水口(現在の滋賀県甲賀市)を訪れた時のもの。芭蕉は3番目に「三股(みつまた)の桜にのぼる人有(あり)て」と詠んでいる。「三股」は川の合流地点を指すとみられ、近くに咲く桜を船から観賞する人たちの様子をみて、表現したものだ。
芭蕉が詠んだ句に自ら描いた画を添えた、句自画賛「朝顔に」も確認された。これまで偽物しか見つかっていなかった。1682(天和2)年に詠んだ「朝顔にわれはめし喰(くう)おとこ哉(かな)」(私は朝顔が咲く早朝に食事している、きちんとした男だ、の意)の句に、生け垣にはう朝顔や月が描かれている。
柿衞文庫によると、芭蕉の画は約40点残っているが、晩年の作品が中心。今回見つかった画は40~42歳ごろ描いた初期の作品とみられるが、この時期の作品は他に2点しか知られていないという。
このほか、芭蕉が亡くなる2年前の1692(元禄5)年、門人で膳所(ぜぜ)藩士の怒誰(どすい)に宛てた書簡なども見つかった。

奈良で「万葉蹴鞠の宴」飛鳥時代の華麗な足技披露

奈良で「万葉蹴鞠の宴」飛鳥時代の華麗な足技披露

奈良市の春日大社などで5月29日、「万葉蹴鞠の宴in飛火野」(奈良公園)が開かれた。これは、飛鳥時代の衣装を身にまとった人たちが蹴鞠の華麗な足技を披露するもので、当時の蹴鞠の試合を再現した万葉蹴鞠競技や体験会も行われ、多くの観光客でにぎわった。
万葉蹴鞠は鹿革のボールを蹴り合い、相手の陣地にボールを落とすことを競い合う競技。日本書紀などに蹴鞠をシことなどが記され、軍事教練の一環としても行われていたとされる。

三浦春馬ら17年大河「おんな城主 直虎」キャスト発表

三浦春馬ら17年大河「おんな城主 直虎」キャスト発表

女優の柴咲コウさん(34)が主演する2017年のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」のキャスト発表会が5月26日、東京都内で行われた。
戦国時代に男の名前で家督を継ぎ、知恵と負けん気で井伊家を守った”おんな城主”の生涯を描く。井伊直虎の許婚者(いいなずけ)である井伊直親役で三浦春馬さん(26)が出演する。三浦さんは2003年の「武蔵」、2006年の「功名が辻」に続く3回目の大河となる。
このほか、貫地谷しほりさん、杉本哲太さん、高橋一生さんらが出演する。