滋賀県草津・黒土遺跡で日本最古級で最大規模の工房跡出土

滋賀県草津市は3月11日、飛鳥時代~室町時代の集落や官道跡が残る「黒土遺跡」(所在地:草津市南笠町)で、日本最古級の工房跡が出土したと発表した。同市は、飛鳥時代末期の大型の鍋や釜を鋳造していた鋳込み土坑や、炉内に風を送る羽口など、これまで発見されている同時期の遺跡の中では最大規模の、全国的にも珍しい遺構が見つかったとしている。
今回出土したのは深さ30cm~1m程度で円形に彫り込まれた土坑4基。土坑は金属製品の鋳込みや廃棄場所として使われたとみられる。このうち一つの土坑には、鍋や釜の鋳型の最下部とみられる直径1.4mの輪形の土塊が残っていた。子の鋳型で作る鍋や釜は口径1.15m以上で、鉄製の大型のものだったとみられている。

東大寺二月堂”お水取り”の「お松明」始まる

奈良に春の訪れを告げる東大寺二月堂の伝統行事「修二会(しゅにえ)」、通称”お水取り”の「お松明」が3月1日夜から始まった。
練行衆と呼ばれる僧侶たちが、長さおよそ6m、重さおよそ40kgの大きなたいまつの灯りに導かれ、石段を昇って二月堂に入る。そして「童子」と呼ばれる補佐役が燃え盛るたいまつを二月堂の欄干から突き出して勢いよく駆け抜けると夜空に火の粉が鮮やかに舞い上がる。
この火の粉を浴びると健康に過ごせるといわれ、今年は異例のマスクをした数多くの人たちが、ご利益に預かろうと歓声を上げながら集まる姿が見られた。このお松明あ3月14日まで毎晩行われる。

京都・北野天満宮で菅原道真しのぶ恒例の「梅花祭」

京都・北野天満宮(所在地:京都市上京区)で2月25日、菅原道真をしのぶ恒例の「梅花祭」が行われた。境内の50種類、およそ1,500本の梅は例年よりも2週間ほど早く開花、いまちょうど見ごろを迎えている。
今回は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、例年の3分の1ほどの1,000人に絞ったという参加者は、野点(のだて)でもマスク姿が目立ち、マスクを外しながらお茶を飲む、今年に限った異様な光景となった。境内の梅は3月中旬まで楽しめるという。
2月25日は、梅を好んだとされる道真の命日で、この日に例年「梅花祭」が行われている。

世界の記憶「白樺日誌」の保存状態を調査 京都府舞鶴市

京都府舞鶴市の舞鶴引揚記念館で2月20日、ユネスコの「世界の記憶」遺産として登録されている「白樺日誌」の保存状態を確認するための調査が始まった。白樺日誌は戦後、ロシア・シベリアに抑留された舞鶴市出身の男性が、現地の白樺の皮を紙の代わりにして、ふるさとへの思いを綴ったもので、5年前に「世界の記憶」に登録された。
文化財の保存に詳しい研究員らはマイクロスコープや赤外線カメラなどを使って、白樺の樹皮36枚が劣化していないかや、書かれた文字の色合いに変化が出ていないかなどを調べ、記録していた。調査は20、21の両日行われ、これを踏まえ白樺日誌の適切な保存方法を検討することにしている。