国宝「十二天屏風」など50点余を展示 東寺で名宝展

京都の東寺(京都市南区)の宝物館が開館して55年になるのを記念して、所蔵する貴重な文化財などを公開する名宝展が9月20日から始まった。宝物館の会場には、屏風や経典など50点余りが展示されている。11月25日まで。
国宝「十二天屏風」は鎌倉時代のもので、帝釈天など12の守護神が描かれている。平安時代の平面的な描き方とは異なり、線は強弱がつけられ、守護神の体に角度や動きなどの躍動感があるのが特徴。2019年1月に本坊の蔵から見つかった「鑑査状」には「美術上の模範になるべきものと認定する」との評価が書かれている。
鑑査状は、明治時代に当時の宮内省が発行した古典美術の評価を等級付けした証書。この作業の際、美術評論家の岡倉天心やフェノロサなどが調査員として派遣されたとの記録が残っている。

全国から城好き大集合 滋賀・大津市で初のイベント

全国から城好きの人たちが集まるイベントが集まるイベントが滋賀県大津市で9月20日開かれた。このイベントは毎年横浜市で開催されているが、今年は初めて大津市でも開かれることになった。
会場のびわ湖ホールで来場者は、専門家の講演や全国の城の写真や模型の展示を楽しんだ。講演会は定員を半分の350人に制限して、入れ替え制で開かれた。講師の滋賀県立大学の中井均教授が近江八幡市に築かれた観音寺城などの山城について講演した。イベントは21日も開かれた。

盗まれたガリレオ、ニュートンの著書をルーマニアで発見

ルーマニアの地元メディアによると、3年前に英国で盗まれた17世紀に科学者ガリレオ・ガリレイやアイザック・ニュートンが著した書籍の初版本などおよそ200冊が、ルーマニアの住宅の床下から見つかった。
英国では同じ手口による貴重な文化財を狙った窃盗事件が相次いでいて、警察はこれまでにルーマニアの犯罪集団の13人を逮捕・起訴している。これらの本は3年前、英国のオークションにかけられるため、ロンドン西部の倉庫で保管されていたところ、屋根に穴が開けられ、侵入者を探知するセンサーをかいくぐる形で盗まれたという。
警察は被害額について、盗難に遭った書籍類は250万ポンド、およそ3億4,000万円相当の価値があるとしている。

「百鬼夜行絵巻」京都・大徳寺真珠庵で9/19から特別公開

様々な妖怪の行列などを描いた「百鬼夜行絵巻」が、京都市北区の大徳寺真珠庵で9月19日から特別公開されている。この絵巻は国の重要文化財で、室町時代の絵師・土佐光信が描いたとされる。長さがおよそ8mあり、赤鬼や青鬼のほか草履や傘などの日用品に手足が生えた妖怪などが、躍動感あふれるタッチで描かれている。
特別公開は2回に分けて行われる予定で、前期は9月19~10月14日まで、後期は10月24~11月23日まで。

大英博物館 葛飾北斎の未公開作103点をオンライン公開

英国の大英博物館は9月3日、江戸後期の浮世絵師・葛飾北斎の未公開作品103点を収蔵し、同日よりオンラインで公開を始めると発表した。これらの作品は1829年に「万物絵本大全図」という本の挿し絵として描かれたが、その本自体は出版されなかったという。
これらは代表作「富嶽三十六景」を手掛ける2年ほど前の作品だが、大英博物館は「北斎のキャリアの転換点で、実際には新たな創造性を発揮していたことを示している」として、作品の発見が北斎の生涯を見直す契機になる可能性があると指摘している。

地球への隕石衝突は定説より5億年古い44億年前か 広島大など

広島大学などの研究グループは、太陽系が形成される中であったとされる、地球や月などに多数の隕石が降り注いだ「後期重爆撃期」が、これまで考えられていたよりも最大で5億年ほど古く、生命が誕生する前のおよそ44億年前だった可能性があると公表した。
これは後期重爆撃期に衝突があったと考えられる小惑星からきた隕石の元素を最新の分析方法で測定した結果、分かったもの。これにより、生命が誕生した前後の地球の初期の歴史を見直すことにつながるとしている。