奈良文化財研究所は、奈良・平城京の跡で見つかった国宝などの木の札、木簡について理解を深めてもらうため、木簡の高精細なデジタル画像の公開を始めた。同研究所などが所属する独立行政法人 国立文化財機構は、保有する文化財の高精細なデジタル画像をインターネット上のデータベースで公開する取り組みを3年前から進めている。
このデータベースに12月から、同研究所が所蔵する、墨で文字が書かれた木の札、木簡の画像およそ200点が新たに加わった。内容は様々で、当時の役人の仕事の連絡事項を書き留めたもの、都に運ばれた物品の荷札として使われたものなどが説明文付きで公開されている。中には、国宝に指定されている貴重なものもある。
京都・金閣寺の舎利殿の屋根の18年ぶり葺き替え工事完了
“黒いあごひげ”の足利義満 新たな肖像画発見 狩野派の絵師作か
室町幕府の隆盛期をつくった第3代将軍、足利義満の異例の姿を描いたとみられる肖像画が新たに見つかった。黒々としたあごひげや若々しい表情などが特徴。見つかった肖像画は縦1m余り、横40cmほどの、僧侶の姿をした人物が畳に座ったもの。
東京大学史料編纂所などが調査したところ、顔つきや衣装などから、足利義満の出家後の姿を描いたと判断された。また、肖像画の布地の絹や押された印の特徴から義満の死後150年ほど経過した1550年前後に狩野派の絵師が描いたとみられるという。
義満の肖像画として広く知られているのは、京都・鹿苑寺(金閣寺)所蔵のもの。これと比べると別物で、黒々としたあごひげや、顔のしわが少なく若々しい表情など、一気に若返った義満だ。