高槻市・芥川山城跡で”天下人”三好長慶の居城の”櫓”遺構

戦国武将、三好長慶(1522~1564年)の居城、芥川山城跡(所在地:大阪府高槻市)で、”櫓(やぐら)”とみられる塼列(せんれつ)建物が確認された。塼は瓦と同じ素材の板状のもので、それを建物の礎石の周囲に巡らせていた。この遺構周辺で家臣が住み、長慶が政務を執った裏付けとなる建物も多数見つかった。長慶が一時、近畿を制した政権の中枢が芥川山城だったことがうかがわれる。
三好長慶は、織田信長に先駆けて近畿エリアを制圧し、事実上”天下人”となったとされる武将。高槻市文化財課が2020年11~12月、芥川山城の主郭(本丸)の一段下にある第3郭の平地60㎡を発掘調査した。
発掘された建物は地面に焼土があり、1556年に記録のある火災後に建てられた、長慶の在城(1553~1560年)後半期の遺構と考えられる。このほか、約200点に及ぶ遺物も出土した。縁に煤(すす)がついた燈明皿、穴があくまで使い込まれたものなど3点の硯(すずり)、茶の湯に使う天目茶碗などが見つかった。

福井・大野市で国内最古級の哺乳類の化石を発見 新種の可能性も

福井県立恐竜博物館(所在地:福井県勝山市)は2月7日、同県大野市との共同調査で、同市の約1億2,700万年前の地層「手取層群伊月層」から哺乳類の一種で突起がある歯を持つ「真三錐歯類(しんさんすいしるい)」の国内最古級の化石を発見したと発表した。
同類の化石はこれまでに国内で3種類(石川県白山市で2種、福井県勝山市で1種)見つかっているものの、そのいずれとも違いがあり、新種の可能性があるという。このほか、同じ場所から爬虫類から哺乳類への進化段階にある草食動物「トリティロドン類」の化石も発掘したことを明らかにした。

奈良・春日大社で非公開で「節分万灯籠」灯籠1/3に減らし

奈良市の春日大社で2月2日夕、家内安全などを祈願して境内の灯籠(とうろう)の明かりを灯す恒例の「節分万灯籠」があった。今年は節分が例年より1日早く、2日に実施されるのは124年ぶりとなった。新型コロナウイルス感染拡大防止のため点灯する灯籠を例年の約3分の1の1,000基に減らし、非公開で実施された。節分万灯籠は、1888(明治21)年に再興された行事。

京都・醍醐寺が宇宙に寺院開設へ 2/8に初の平和祈る「宇宙法要」

真言宗の醍醐寺(所在地:京都市伏見区)は2月1日、京都市内の人工衛星開発企業と協力して宇宙に寺院を開くため実行委員会を発足したと発表した。2年後の2023年に打ち上げ予定の衛星に本尊や曼荼羅(まんだら)など仏教の心の拠りどころとする。2月8日に宇宙の平和と安全を祈る「宇宙法要」を初めて行い、今後も定期的に実施する予定。

徳川家康らの直筆花押、若冲作品など集め相国寺で美術品展

京都市上京区の相国寺承天閣美術館で1月31日から、同寺に伝わる掛け軸や屏風、書状など美術品およそ50点を集めた展示会が開催されている。この展示会は一部の作品を入れ替えながら4月18日まで開かれる。
主な美術品は16世紀後半の資料で、豊臣秀吉が伏見大光明寺の再建を呼びかけた際、寄付に応じた122名の武将の名前が記された「伏見大光明寺勧進帳」には、徳川家康や石田三成などの名だたる武将たちの直筆の花押を見ることができる。
このほか、「群鶏蔬菜図押絵貼屏風」は江戸時代の画家、伊藤若冲の作品で、野菜と一緒に描かれた鶏(にわとり)のコミカルな表情を楽しめる。

聖徳太子の1400年遠忌法要 4/3~5 奈良・斑鳩町 法隆寺

聖徳太子ゆかりの奈良・斑鳩町の法隆寺は、4月3~5日に太子の1400年遠忌の法要を営むと発表した。法要は金堂や五重塔がある西院伽藍で営まれ、神輿の行列や、雅楽団体による舞楽の奉納などがある。
このほか、4月1日~5月18日に夢殿で救世観音像(国宝、飛鳥時代)の特別開扉、4月1日~6月30日には大宝蔵殿で1400年遠忌を記念した特別展示などが予定されている。