京都・東寺 今年最後の縁日「終い弘法」正月用品求め賑わう

京都市南区の世界遺産、東寺で12月21日、1年を締めくくる2021年最後の縁日、「終い弘法」が開かれ、賑わった。主催者によると、新型コロナの影響で21日に出店しのは、例年の6割ほどのおよそ800店にとどまった。だが、境内には大勢の人が訪れ、正月を前に松飾りや漬物、餅などを買い求めていた。また、来年の干支(えと)、寅の置物などを扱う店もあり、縁起物の品定めをする人も含め、境内は師走の賑わいをみせていた。

ゾウの化石「アケボノゾウ化石多賀標本」国の天然記念物に指定

平成5年、滋賀県多賀町で見つかったおよそ180万年前の日本固有種のゾウの化石「アケボノゾウ化石多賀標本」が国の天然記念物に指定されることになった。文化庁によると、陸上の哺乳類の化石が国の天然記念物に指定されるのは初めてという。
この化石は頭部や体、足の部分と全身のおよそ7割がバランスよく見つかっていて、保存状態もよく、部位が特定されていない骨も含めると191点と、国内のゾウの化石の中でも群を抜いて多い。アケボノゾウは、日本の環境に合わせて独自の進化を遂げて小型化していて、「多賀標本」は行動生態や進化の過程を研究するうえで、学術価値が極めて高いと評価された。

「赤穂義士祭」2年ぶりに規模縮小し実施 高校生が赤穂城跡で

「忠臣蔵」として知られる兵庫県赤穂市の「赤穂義士祭」が12月14日、2年ぶりに規模を縮小して行われた。2年ぶりの開催となった今年は、市民が街中を練り歩くパレードを取りやめるなど規模を縮小。今回は県立赤穂高校の生徒たちが四十七士に扮して赤穂城跡を練り歩いた。
行列は、大石内蔵助役の生徒が打ち鳴らす太鼓の音に合わせておよそ200mの道のりを30分かけて一歩一歩ゆっくりと練り歩き、大石神社の鳥居の前で「えい、えい、おー」と”勝どき”をあげた。
赤穂義士祭は300年余り前の江戸時代、徳川五代将軍綱吉のころ、播州赤穂藩の四十七士が主君、浅野内匠頭の敵を討つため、吉良邸へ討ち入りしたことに因むもの。その12月14日に毎年行われているが、昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となっていた。

奈良・法隆寺で”お身拭い”新年前に仏像のほこり落とす

奈良県斑鳩町の世界遺産、法隆寺で12月8日、新年を前に仏像に積もったこの1年のほこりを払い落す”お身拭い”が行われた。作業に先立ち、古谷正覚住職ら10人の僧侶が国宝の金堂に入り、安置されている仏像を前にお経を唱えた。この後、マスク姿の僧侶たちが、仏像に傷がつかないよう、竹の先に和紙の束をつけた特別なはたきや刷毛をを使って作業を開始。本尊で国宝の釈迦三尊像などの仏像には、頭や肩にうっすらとほこりが積もっていて、僧侶たちは丁寧にほこりを払い落していた。

奈良明日香村の古代庭園遺跡 新たに見つかった遺構公開

奈良県立橿原考古学研究所が行った、奈良県明日香村の国内最古とされる本格的な庭園遺跡「飛鳥京跡苑池」の発掘調査で池と近くの水路をつなぐ溝が新たに見つかり、12月4、5日の2日間、一般公開された。
今年度の発掘調査で、庭園の池からあふれた水を近くの水路に流すために設けられたとみられる溝が新たに見つかった。1,300年余り前の飛鳥時代の建築技術や文化の一端がうかがわれる。2日間に多くの考古学ファンや地元の人たちが見学に訪れ、石を積み上げて溝が造られている様子をじっくりと眺めて写真に収めて、古代の風景に思いを馳せていた。

「指月伏見城」の石垣の基礎 新たに発見 規模・構造見直しへ

京都市埋蔵文化財研究所は、京都市伏見区のJR桃山駅前の整備に伴う発掘調査で、長さおよそ18m、幅2m、深さ70cmの溝に大きな石が埋め込まれた石垣の基礎の跡を見つけたと発表した。
これは、豊臣秀吉が安土桃山時代の文禄3(1594)年に築き、地震で2年後に倒壊したため”幻の城”ともいわれる「指月伏見城」の石垣の基礎の跡とみられるという。この場所はこれまで考えられてきた指月伏見城の敷地のおよそ100mほど外側にあり、同研究所は城の規模や構造を見直す貴重な発見だとしている。そして、指月伏見城はシンプルな城ではなく、堀や石垣を複数巡らせた複雑な構造だった可能性も出てきたと話している。