奈良・唐招提寺で鑑真しのぶ「開山忌」和上坐像 特別公開

奈良市の世界遺産、唐招提寺で6月5、6の両日、同寺を開いた中国の名僧、鑑真をしのぶ法要「開山忌」が営まれ、国宝の「鑑真和上坐像」が特別公開されている。境内の御影堂で国宝の鑑真和上坐像を収めた厨子の扉が特別に開けられ、僧侶が御経を唱える中、茶道の家元がたてた茶が像に備えられた。
堂内は日本画家、東山魁夷が鑑真の故郷などを描いた、連なったふすま絵で囲まれた、さながら異空間の佇まい。そんな中、訪れた参拝者らは次々と焼香して像の前で静かに手を合わせていた。鑑真和上坐像などは7日まで公開されている。

ノルウェーで柏原京大教授のアーベル賞授賞式 日本人初

京都大学数理解析研究所の柏原正樹特任教授(78)に対する、「数学のノーベル賞」とも呼ばれる「アーベル賞」の授賞式が5月20日、ノルウェーの首都オスロで行われた。柏原氏は、ノルウェーのハラルド国王からガラス製の盾を渡され、にこやかな表情で握手を交わした。
アーベル賞は、優れた業績を挙げた数学者にノルウェー政府が贈る国際的な賞。賞金は750万ノルウェー・クローネ(約1億円)。今年は代数解析学の分野で「D加群」と呼ばれる理論を構築するなどした柏原氏が、日本人として初めて選ばれた。
受賞スピーチで柏原氏は、21歳のときに出会った恩師・佐藤幹夫氏から教わった「数学において、新しいものを創造することの大切さ」を挙げ、「これが私の研究自生の重要な指針となった」と感謝の思いを述べた。

琵琶湖疏水施設 国宝に 土木構造物の国宝は初めて 文化審

文化審議会は5月16日、琵琶湖の水を京都に引き込む運河「琵琶湖疏水施設」(所在地:滋賀県大津市、京都市)のうち南禅寺水路閣などを国宝に、大津運河などを重要文化財に指定するよう答申した。
琵琶湖疏水施設は、舟運や発電、水道の水源などの機能を持つ、明治日本における都市基盤施設の金字塔とされる。近代の土木構造物が国宝となるのは初めて。

「太陽の塔」重文指定へ 70年万博の”顔”スピード指定

文化審議会は5月16日、1970年大阪万博のシンボルで、芸術家の岡本太郎が手掛けた「太陽の塔」(所在地:大阪府吹田市)を重要文化財(建造物)に指定するよう、文部科学相に答申した。高度経済成長期のレガシー(遺産)として評価された。55年を経て大阪で再び万博が開催される中、大阪府が動き出してわずか4年での「スピード指定」となった。

京都・葵祭 御所→下鴨神社→上賀茂神社を平安絵巻行列

京都三大祭の一つ、葵祭が5月15日、京都市内で行われた。華やかで彩り豊かな平安装束姿の祭のヒロイン、輿に乗った斎王代ら約500人が参加。フタバアオイの葉の飾りを身に着けた武官や女官役、約40頭の牛馬などでつくる王朝さながら、全長約1kmに及ぶ優雅な平安絵巻行列が、京都御所ー下鴨神社ー上賀茂神社の約8kmを歩いた。

気象庁 ”黒潮大蛇行 終息に向かいつつある” 7年9カ月の湾曲

気象庁は5月9日、2017年8月から続いていた、黒潮の流れが大きく湾曲する「黒潮大蛇行」と呼ばれる現象がようやく終息に向かいつつあると発表した。ただ、終息までにはさらに3カ月ほどかかる見通しだという。船舶や衛星による観測などから元の流れに戻りつつあるという。
黒潮は、日本の南岸を列島に沿うように北東へ流れる暖流で、2017年8月、紀伊半島から東海地方にかけての沖合で南に大きく湾曲する流れに変わった。以降、7年9カ月にわたりこの現象が続いていた。