山梨大学や理化学研修所などの研究チームは、宇宙のほぼ重力のない環境でも、マウスの受精卵が着床前の「胚盤胞」と呼ばれる状態まで成長できることを突き止めた。哺乳類が宇宙でも繁殖できる可能性を示した最初の研究成果という。
この研究はJAXA(宇宙航空研究開発機構)の協力で、凍結したごく初期の受精卵720個を2021年、国際宇宙ステーション(ISS)に運び、星出彰彦宇宙飛行士が解凍し、実験した。受精卵半分ずつをそれぞれ、微小重力の環境下と、ISS内にある地上と同じ重力を発生する装置の中で培養した。この実験後、地球に戻った受精卵を確認した結果、分かったもの。
第75回「正倉院展」初出展の6件含め59件展示 奈良国立博物館
奈良市の奈良国立博物館で10月28日、奈良時代の聖武天皇ゆかりの宝物を公開する「第75回 正倉院展」が始まった。今年は初出展の6件を含め59件が展示されている。正倉院展は11月13日まで。
今回注目されるのは「九条刺納樹皮色袈裟(くじょうしのうじゅひしょくのけさ)」。縦およそ1.5m、幅およそ2.5mの僧侶が身に付ける袈裟で青や黄色に染められた絹の断片が細かく縫い付けられている。聖武天皇が亡くなった後、妻の光明皇后が遺品を東大寺に納めた際、目録の筆頭に掲げ、仏教を厚く信仰した聖武天皇を象徴する宝物の一つ。また、「平螺鈿背円鏡(へいらでんはいのえんきょう)」は、直径40cmほどの銅鏡で、背面は夜光貝や琥珀を使った豪華な花の文様で彩られた歴史上最高峰の鏡の一つとされている。