北大など ティラノサウルス新種 モンゴル白亜紀の地層から

北海道大とカナダ・カルガリー大などの国際研究チームは6月12日付の英科学誌『ネイチャー』にモンゴルの白亜紀後期(約9,000万年前)の地層から、肉食恐竜ティラノサウルスの新種を発見したと発表した。
全長は約4mで、大型ティラノサウルス類の共通祖先にあたる。新種恐竜はモンゴル語で「王子の龍」という意味を持つ「カンクウルウ」と命名された。体重は500kg未満で、細身の体つきで、ティラノサウルスの幼体と似た特徴を持っている。

6/10「時の記念日」大津・近江神宮で恒例の”漏刻祭”神事

6月10日は「時の記念日」。1,300年以上前の飛鳥時代に、天智天皇が流れる水の量で時間を把握する「漏刻(ろうこく)」という水時計を、現在の滋賀県大津市に設置した日とされている。この故事にちなみ同日、ゆかりのある近江神宮で恒例の神事が行われた。
神事には時計の製造や販売などに携わるおよそ250人が参列。神前には腕時計の新製品17点が供えられ、舞楽が奉納され、業界の発展を祈願した。

奈良・唐招提寺で鑑真しのぶ「開山忌」和上坐像 特別公開

奈良市の世界遺産、唐招提寺で6月5、6の両日、同寺を開いた中国の名僧、鑑真をしのぶ法要「開山忌」が営まれ、国宝の「鑑真和上坐像」が特別公開されている。境内の御影堂で国宝の鑑真和上坐像を収めた厨子の扉が特別に開けられ、僧侶が御経を唱える中、茶道の家元がたてた茶が像に備えられた。
堂内は日本画家、東山魁夷が鑑真の故郷などを描いた、連なったふすま絵で囲まれた、さながら異空間の佇まい。そんな中、訪れた参拝者らは次々と焼香して像の前で静かに手を合わせていた。鑑真和上坐像などは7日まで公開されている。

ノルウェーで柏原京大教授のアーベル賞授賞式 日本人初

京都大学数理解析研究所の柏原正樹特任教授(78)に対する、「数学のノーベル賞」とも呼ばれる「アーベル賞」の授賞式が5月20日、ノルウェーの首都オスロで行われた。柏原氏は、ノルウェーのハラルド国王からガラス製の盾を渡され、にこやかな表情で握手を交わした。
アーベル賞は、優れた業績を挙げた数学者にノルウェー政府が贈る国際的な賞。賞金は750万ノルウェー・クローネ(約1億円)。今年は代数解析学の分野で「D加群」と呼ばれる理論を構築するなどした柏原氏が、日本人として初めて選ばれた。
受賞スピーチで柏原氏は、21歳のときに出会った恩師・佐藤幹夫氏から教わった「数学において、新しいものを創造することの大切さ」を挙げ、「これが私の研究自生の重要な指針となった」と感謝の思いを述べた。

琵琶湖疏水施設 国宝に 土木構造物の国宝は初めて 文化審

文化審議会は5月16日、琵琶湖の水を京都に引き込む運河「琵琶湖疏水施設」(所在地:滋賀県大津市、京都市)のうち南禅寺水路閣などを国宝に、大津運河などを重要文化財に指定するよう答申した。
琵琶湖疏水施設は、舟運や発電、水道の水源などの機能を持つ、明治日本における都市基盤施設の金字塔とされる。近代の土木構造物が国宝となるのは初めて。

「太陽の塔」重文指定へ 70年万博の”顔”スピード指定

文化審議会は5月16日、1970年大阪万博のシンボルで、芸術家の岡本太郎が手掛けた「太陽の塔」(所在地:大阪府吹田市)を重要文化財(建造物)に指定するよう、文部科学相に答申した。高度経済成長期のレガシー(遺産)として評価された。55年を経て大阪で再び万博が開催される中、大阪府が動き出してわずか4年での「スピード指定」となった。