トヨタ自動車は10月12日、温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラル実現に向け、産業技術総合研究所、豊田中央研究所と共同で、エネルギー・環境領域における先端技術の共同研究の検討を開始すると発表した。
”地球にやさしく、いつまでも安心して使えるエネルギー”を、社会で共有することを目指し、一つのエネルギーや技術に絞るのではなく、ひとり一人の暮らしや個々の企業活動に応じた様々なエネルギーや活用技術の選択肢を広げる研究に取り組んでいく。
ユーグレナとJR貨物 次世代バイオディーゼル燃料の使用開始
ユーグレナ(本社:東京都港区)と日本貨物鉄道(本社:東京都渋谷区)は10月13日、JR貨物越谷貨物ターミナル駅(所在地:埼玉県越谷市)で、ユーグレナが製造・販売する次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を使用することで合意し、10月1日より同駅構内コンテナ移送トラックで使用を開始したと発表した。
ユーグレナは2005年に世界で初めて石垣島で微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功し、ユーグレナ等の微細藻類を活用した食品、化粧品等の開発・販売を行うほか、バイオ燃料の商業生産に向けた研究開発を行っている。JR貨物はバイオディーゼル燃料を導入することで、CO2排出量が最も少ない貨物輸送モードの優れた環境特性をより活かし、「JR貨物グループ長期ビジョン2030」で掲げた「グリーン社会の実現」という価値の提供に取り組む。
両社はこれからも双方が持つ強みを活かしながら、地球環境に配慮した活動を推進し、持続可能な社会の実現に取り組んでいく。
ヤンマー 23年度に船舶向け燃料電池システムを商用化
ヤンマーホールディングス(本社:大阪市北区)は10月13日、グループ会社のヤンマーパワーテクノロジー(本社:大阪氏北区、以下、YPT)が、2023年度に水素を燃料にした船舶向けの燃料電池システムを商用化すると発表した。
これに先駆けこのほど、燃料電池システムを搭載した実証試験艇を用いて、世界初となる船舶への70MPa高圧水素充填を行い、大阪・関西万博会場予定地と市内沿岸部の観光地を結ぶ航路での航行試験を実施した。
今回の70MPa高圧水素充填は、豊田通商と共同で、特別に許可を得た高圧充填設備と新たに試作した長尺の水素充填ホース設備を使って実施した。これまでの充填方式と比べて航続時間は3倍以上となり、より実運用に近い航行が可能であることを確認した。得られた結果は、今後の水素燃料電池システムの実用化と舶用水素インフラの検討に活用していく。
YPTでは、トヨタ自動車製の燃料電池モジュールを活用した300KW級の舶用燃料電池システムの開発を進めている。今後は様々な船種へ搭載できるように、船級協会の型式承認を取得し2023年の市場投入を目指す。
三菱UFJ銀行 インド・ラジャスタン州投資促進局と業務提携
三菱UFJ銀行は10月13日、インドラジャスタン州投資促進局(BIP)との間で、同州における日系企業の進出支援の協働と促進に関する相互協力の念書を締結したと発表した。
BIPは、ラジャスタン州への投資誘致の役割を担う同州政府の主要機関で、とくに外国企業の投資に関する相談や認可取得に関する各種申請の受付等を行っている。BIPが外国銀行と相互協力の念書を締結するのは初。
ラジャスタン州はインド国土の約10%を占める面積で最大の州で、デリー・ムンバイ間の産業大動脈の中間に位置する産業・物流上の要所。インドで初の日系企業専用工業団地が同州ニムラナ地区に建設され、多くの日系企業が進出している。
ホンダ 新型ジェット構想を発表 大型化で米大陸横断可能に
ホンダ(本社:東京都港区)は10月12日、米国の航空機事業子会社、ホンダエアクラフトカンパニー(本社:米国ノースカロライナ州グリーンズボロ市)が手掛けるビジネスジェット機「ホンダジェット」を大型化し、米国大陸を無給油で横断できるようにする新型機の開発構想を発表した。
米ネバダ州ラスベガスで開かれた世界最大のビジネス航空機ショー、ナショナル ビジネス アビエーション アソシエーション(NBAA)にコンセプト機を参考展示し、模型を披露した。
新型機の名称は「ホンダジェット2600」。現行機と比べ全長と全幅がそれぞれ約4割大きく、定員はパイロットを含めて11人と現行機の原則7人から増える。最大航続距離を約1.8倍の約4,862kmとし、ニューヨークとロサンゼルスを無給油で飛べるようにする。ただ、現時点では新型機の商業化、量産化は決まっておらず、展示会での反応などを通じて需要を見極め判断する。
阪和興業 中国の鋼材加工企業に21.05%出資 中国事業拡大
鉄鋼商社の阪和興業(大阪本社:大阪市中央区)は10月11日、中国江蘇省の鋼材加工メーカー、江陰市暁達金属製品製造股份有限公司(以下、暁達金属)に出資したと発表した。9日、上海市の同社の連結子会社、阪和(上海)管理有限司を通じて暁達金属の21.05%の持ち分を取得した。加工事業を含めた高付加価値路線を軸に、中国の特殊鋼市場への事業拡大を目指す。
暁達金属は、中国メーカーが生産する鍛造用鋼材の切断、ピーリング、研磨などの加工をメイン事業とし、保管・配送機能も含めて中国国内の現地系、台湾系、韓国系、日系などのユーザー向けに販売している。