塩野義 新型コロナワクチン臨床試験 年内にも最終段階へ

塩野義製薬(本社:大阪市中央区)の手代木功社長は9月29日、開発中の新型コロナウイルスの国産ワクチンについて、年内にも最終段階の臨床試験を始める方針を明らかにした。
初期段階の臨床試験では安全性に大きな問題は確認されなかったとして、10月下旬から次の段階の試験を行ったうえで、年内にも最終段階の大規模な臨床試験を開始する考えを示した。今後の試験で、すでに感染したことのある人なども含めて、安全性や有効性が確認できれば、国に承認の申請を行うとしている。
さらに、いわゆる「ブースター接種」として、別のワクチンで2回の接種を終えた人を対象に、3回目に開発中のワクチンを使うための臨床試験も検討している。

パナソニック ベトナムで天井扇,換気扇の新工場稼働

パナソニックエコシステムズは9月27日、4,500万米ドル(約50億円)を投じ、パナソニックライフソリューションズベトナム有限会社が、ベトナムのビンズオン省に新工場を建設し、10月13日から天井扇、換気扇の生産および出荷を開始すると発表した。ベトナムにおけるこの商品分野の工場は、パナソニックグループとして初めて。
新工場はホーチミン市中心部より北方に位置し、敷地面積4万9,995㎡で、延床面積2万4,066㎡の2階建て。生産は、ベトナム市場向けの天井扇から開始し、来年度にはベトナムおよびアジア、中東等へも輸出する換気扇へと拡大。東南アジアにおける室内空気質関連機器の主力生産拠点として展開する。これにより、同地域における2025年度の生産台数は約300万台と、2020年度の約1.5倍へ拡大する。また、2023年度には各国の生活様式とニーズに合った商品開発を行う室内空気質ソリューションの研究開発部門(R&D)を設置し、開発・製販一体型の向上を目指す。

JR西日本とソフトバンク BRT自動運転の隊列走行を実証

JR西日本(本社:大阪市北区)とソフトバンク(本社:東京都港区)は9月27日、自動運転で隊列走行するBRT(バス高速輸送システム)の実証実験を10月から始めると発表した。
JR西日本が滋賀県野洲市で保有する土地に、全長1.1kmのテストコースを建設。走行時速は60km程度で、大きさの異なる車両3台を通信でつなげ、後続車は10~20m後ろを走行する。総事業費は約20億円を見込む。
位置情報を読み取る衛星測位システムや道路上の磁気マーカーを読み取る方法などを試す。走行時に障害物を検知できるかなども確認する。ソフトバンクは車間の通信などで協力する。先頭車両は緊急時のみドライバーが運転し、後続車は完全無人とする形を想定。2020年代半ばの実用化を目指す。

日本ルツボ 中国江蘇省南通市に持分法適用会社設立へ

特殊耐火物メーカーの日本ルツボ(本社:東京都渋谷区)は9月28日、中国江蘇省南通市に地場企業2社と持分法適用会社「久精日坩(江蘇)新材料科技有限公司」を設立すると発表した。新会社の登録資本金は3,130万人民元(5億3,900万円)で、出資比率は日本坩堝33.5%、地場の啓東久精耐火材料有限公司61.7%、正英日坩燃焼設備有限公司4.8%。耐火物の生産・販売を手掛け、中国の耐火物市場に参入する。2021年12月設立、操業開始の予定。

JERA フィリピン電力大手に1,750億円出資 脱炭素で協業

東京電力ホールディングスと中部電力が合弁で事業展開する火力発電会社、JERA(本社:東京都中央区)は9月27日、フィリピンの財閥アボイティス・グループの電力大手アボイティス・パワー(以下、APC)の発行済み株式の約27%を約15億8,000万米ドル(約1,750億円)で取得すると発表した。投資額はJERAにとって最大規模。
具体的には足下のCO2排出量削減と、変動する再生可能エネルギーを支え、その導入量拡大に貢献していくため、LNGの活用等に取り組む。アボイティス・パワーとの間ではLNG to Powerプロジェクトの共同開発や、火力発電所における技術協力を進めていくことに合意。さらに同日、LNG調達の協業に関する基本合意書を締結した。

住友商事と西鉄 低炭素社会へ電気バスの導入拡大へ実証

住友商事(本社:東京都千代田区)、住友商事九州(本社:福岡市博多区)、西日本鉄道(本社:福岡市博多区、以下、西鉄)、西鉄バス北九州(本社:北九州市小倉北区)の4社は9月27日、西鉄バス北九州小倉自動車営業所および西鉄アイランドシティ自動車営業所で、電気バスを導入した実証実験を行うと発表した。
今回導入するのは中古の国産ディーゼルバスを電気バスに改造したレトロフィット電気バス」。この電気バスは、住友商事が2019年に出資参画した、台湾最大手の電気バスメーカー、RAC Electric Vehicles(以下、RAC)と共同開発し、従来のレトロフィット電気バスよりも航続距離が長いことから、二酸化炭素の排出削減に寄与する。
この実証実験では低炭素社会の実現に向けて、走行性能、環境負荷および運用面における諸課題を検証するとともに、将来的には国内でレトロフィットすることで改造費用を抑制し、高性能・低価格の電気バス普及・促進を目指す。