奈良国立博物館がX線を使った最新の分析装置で行った調査によると、古墳時代に朝鮮半島から伝わったとされる国宝「七支刀(しちしとう)」の内部はほとんど腐食しておらず、極めて良好な状態が保たれていることが分かった。同博物館は、「1600年前の剣としては状態が非常に良く、奇跡的だ」としている。
七支刀は、左右に3本ずつ枝分かれした刃が突き出す形状で、独特の鉄の剣。この七支刀は6月15日まで奈良国立博物館で開かれている展覧会で展示されている。
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喜多川歌麿「ポッピンを吹く娘」初期に刷られた作品発見
東京国立博物館によると、江戸時代の浮世絵師、喜多川歌麿の版画「ポッピンを吹く娘」のうち、これまで海外にしか現存していないとされていた初期に刷られた作品が国内にもに残されていることが分かった。「ポッピンを吹く娘」は、東京国立博物館が所蔵するものなど数点しか現存しない版画で、美人画を得意とする喜多川歌麿の代表作の一つ。
今回分かったのは、作品の題名部分には東京国立博物館が所蔵する「婦女人相十品」ではなく、「婦人相学●(身ヘンに本)」と書かれていることから、より古い初期に刷られたものだと判断したという。
この作品は40年余前にフランスでオークションに出品された後、所在が分からなくなっていた。初期に刷られた作品には、ほかにハワイのホノルル美術館が所蔵するものがある。
幻の1940年”東京万博”の回数券使えます 万博の歴史継承
日本国際博覧会協会(万博協会)は5月5日、日中戦争の影響で急遽、中止となった1940年「東京万博」の回数券と、大阪・関西万博の入場券の引き換えを始めた。1970年大阪万博や2005年愛知万博でも同様の対応が取られたことで、今回も「万博の歴史を継承したい」としている。
東京万博は神武天皇の即位2600年を記念し、日本初の万博として東京を主会場に計画され準備が進められていたが、日中戦争の激化で中止された。正式名称は「紀元2600年記念日本万国博覧会」で、”幻の万博”とも呼ばれる。1冊12枚綴りの回数券は、戦時中の混乱で払い戻しされなかったケースも多く、1970年大阪万博や2005年愛知万博では招待券との引き換え措置が取られた。