国内有数の化石の産地として知られる福井県の県立大学に令和7年度、恐竜の研究に特化した新たな学部「恐竜学部」(仮称)が誕生する。同県によると、恐竜研究を掲げる学部設置は全国初。”恐竜王国”の強みを生かし、県立恐竜博物館(所在地:福井県勝山市)の研究員による講義を含め、研究現場に密着したユニークな学習環境を提供する予定。
県立大によると、神学部の拠点となるキャンパスは県立恐竜博物館の隣接地につくられる。学生が恐竜学や地質・古気候学を学び、発掘調査などの現場活動に出向く。入学定員は30人で、卒業後は研究者や学芸員といった多様な職務に進むことを想定する。
県立大恐竜学研究所長の西弘嗣教授(古生物学・地質学)は新学部設置の目的・意義について「恐竜王国・福井を支える人材の育成だけにとどまらず、地球温暖化をはじめ深刻化する環境問題を考えるうえでも地質学は非常に重要だ」とし、「地政学的要求と自然科学の問題の双方を研究し。関連する政策提案までできるような拠点にしていきたい」としている。
吉野ヶ里遺跡 邪馬台国時代の石棺墓に赤色顔料, 被葬者は有力者
佐賀県は6月5日、弥生時代の代表的な大規模環濠集落として知られる吉野ヶ里遺跡(所在地:佐賀県吉野ケ里町〜神埼市)の、発掘調査としては手つかずだった「謎のエリア」で今春見つかった石棺墓について、石のふたを取って内部を調べる作業を始めた。内部に詰まった土の表面から赤色顔料が見つかり、3枚開けたふたのうち1枚の裏側に「☓」に似た文様が刻まれているのを確認した。
専門家によると、赤色は限られた身分の上位の人に使われるケースが多いという。それだけに被葬者は有力者とみられる。佐賀県によると、邪馬台国が栄えた時代とほぼ同じ弥生時代後期後半ー終末期(2世紀後半〜3世紀中ごろ)の墓とみられ、有力者を埋葬した可能性があるとしている。今後の調査で被葬者や副葬品の有無に注目が集まる。
石川・金沢市で鎌倉時代の木簡「差し押さえ」札 見つかる
英国ダービー ディープインパクト産駒が制す 歴史的快挙!
平安時代の歌人,在原業平ゆかりの奈良・不退寺で3年ぶり命日法要
エジプトで「最大かつ完全な」遺体ミイラ化の作業場遺構
エジプト観光・考古省は5月27日、首都カイロ南郊サッカラで発見された、遺体をミイラ化する紀元前4世紀ごろの作業場2カ所を報道陣に公開した。発掘調査を行った考古最高評議会のムスタファ・ワジリ事務局長は「最大かつ完全な状態で見つかり、当時の作業の様子が非常によく分かる」と話している。
今回見つかったのは作業場は第30王朝(紀元前380〜同343年)とプトレマイオス朝(同305〜同30年)時代に属し、最古とされる「階段ピラミッド」付近の丘陵地帯。サッカラは聖地だったため埋葬希望者が多く、遺体をミイラ化する作業場も多く存在したとされる。
ミイラは遺体から内蔵を取り出し、防腐処理を施して完成する。作業場からは処置の際に遺体を横たえる長さ約2mの石膏の寝台や、内臓を入れるつぼ、遺体をくるむ大量の布や防腐処置に使う塩や樹脂などが見つかった。