永岡桂子文部科学相は7月4日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)への世界文化遺産候補(2件)の推薦を本年度は行わないことを明らかにした。これにより、有力視されていた「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」(奈良県)の登録審査は最短で2026年となる。また、「彦根城」(滋賀県)は推薦前にユネスコ諮問機関が関与して助言する事前評価で、価値を明確にしたうえで遺産登録を目指すのが有効と判断した。
宇宙望遠鏡「ユークリッド」打ち上げ 100億光年先の銀河を観測
宇宙空間を飛行しながら観測を行い、宇宙がどのように進化してきたのかを探ろうと、100億光年先までの銀河を観測する宇宙望遠鏡「ユークリッド」が日本時間、7月2日午前0時過ぎ、米国南部フロリダ州から打ち上げられた。ユークリッドはESA(ヨーロッパ宇宙機関)が中心になって開発された宇宙望遠鏡で、口径が1.2mあり、可視光と遠赤外線を観測できる2種類の装置を備えている。
ユークリッドは、これらの装置で100億光年先までの銀河を観測して巨大な地図をつくり、宇宙の大規模な構造の進化の過程や、宇宙の膨張が時間の経過とともにどう変化してきたのか、明らかにすることを目指す。今後4週間ほどかけて地球からおよそ150万km離れた地点まで移動し、およそ3カ月後に観測を開始する予定。
藤原宮近くに大規模6つの瓦工房 造営時初の瓦ぶき宮へ瓦供給
広島・平和記念公園と米パールハーバーが姉妹公園協定に調印
滋賀・稲部遺跡で国内最古 卑弥呼時代の箱型の矢入れ出土
奈良・富雄丸山古墳 最大の「蛇行剣」初公開 東アジア最大の鉄剣
奈良県立考古学研究所(所在地:奈良県橿原市)は6月27日、奈良市の日本最大の円墳、富雄丸山古墳(古墳時代前期、4世紀後半)で見つかった国内最大級の鉄剣「蛇行剣」を初めて報道陣に公開した。長さ2.3m、幅6cmの、蛇のように曲がりくねった蛇行剣は発掘後、土やさびを取り除くクリーニングなどの処理をしていて、実物は非公開だった。
同研究所はエックス線撮影や付着物の化学分析を実施。さやは木製で、剣には漆を伴う装具の跡が残っていた。装具も含めた蛇行剣の全長は2.6mと推定され、同時代の東アジアでも最大の鉄剣。同古墳からは国内で出土した青銅器で最大となる例のない盾形銅鏡見つかり、ともに同時代の金工品の最高傑作として国宝級とされる。