五穀豊穣や無病息災を祈願し、フィナーレで男衆が護符の入った麻袋を奪い合う岩手県の奇祭「蘇民祭」が2月17日、黒石寺(所在地:岩手県奥州市)で行われた。この祭りは本来夜通し行われるが、今年は時間帯を早め午後6時ごろから同11時ごろまでに短縮して開催された。
この蘇民祭、千年以上の歴史があるとされるが、担い手である檀家(だんか)の高齢化などを理由に昨年末公表された通り、今年が最後の開催となった。
江戸初期の日本で作られた「書見台」ポルトガルで発見
東京文化財研究所などによると、およそ400年前、江戸時代初期の日本で作られた南蛮漆器の一つで、聖書を読むための「書見台」がポルトガルで見つかった。この書見台は全体が黒の漆で塗られており、中心には松の木が描かれ、周囲は貝殻の螺鈿(らでん)細工が散りばめられている。
X線で撮影した結果、松の木の下に何かを剥ぎ取ったとみられる跡が見つかり、それらが十字架やイエス・キリストを示す「IHS」の文字の一部と確認できたという。
書見台はそのデザインから江戸時代初期にポルトガル人やスペイン人が日本の職人に作らせたもので、幕府がキリスト教への弾圧を強めていた時期にあたることから、その摘発を逃れるため宗教色を消して、本国に送ったのではないかとみられている。