「広重 -摺の極-」国内外から作品330点集めた歌川広重展

国内外から330点の作品を集めた「広重 ー摺の極(すりのきわみ)-」と題した浮世絵師・歌川広重(1797〜1858年)の展覧会が7月6日、大阪市阿倍野区のあべのハルカス美術館で始まった。同展覧会は前半と後半に分け、作品を入れ替えて開かれる。9月1日まで。
歌川広重は風景画の浮世絵で、葛飾北斎とともに人気を集め、『名所江戸百景』はオランダのゴッホが構図や画法を模写したことでも知られる。
広く知られる代表作『東海道五拾三次』から『日本橋 朝の景』『蒲原 夜の雪』など、晩年の代表作『名所江戸百景』から『深川洲崎十万坪』など、このほか、広重が世に知られる前の初期の作品や美人画なども数多く展示されており、広重の様々な魅力に触れることができる。

「H3」ロケット3号機打ち上げ成功「だいち4号」軌道投入

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月1日午後0時6分42秒、「H3」ロケットの3号機を鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げた。そして予定通り搭載していた地球観測衛星「だいち4号」を高度約600キロの軌道に投入し、新型基幹ロケット「H3」の打ち上げは2回連続で成功した。だいち4号は災害時の被害状況把握や、地殻変動の観測による減災などへの活用が期待されている。

政府「佐渡島の金山」 世界遺産登録へ一部地区除外を容認

林芳正官房長官は6月13日、政府が世界文化遺産に推薦した新潟県の「佐渡島の金山」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)諮問機関、イコモスが勧告で求めた一部地区の除外を受け入れることを明らかにした。イコモスは、日本政府が価値を主張する江戸時代よりも後の時代の遺構が多く残る地区を推薦範囲から外すべきだとし、日本に補足説明を求める「情報照会」と勧告していた。登録の可否は7月のユネスコ世界遺産委員会で、勧告を踏まえて審議される。

京都・東林院で”沙羅双樹の花”見ごろ 世の儚さ表す

京都の名刹、妙心寺(所在地:京都市右京区)の境内にある寺、東林院の庭の”沙羅双樹の花”にも例えられるナツツバキが、見ごろを迎えている。開花に合わせて毎年公開されており、今年は23日まで公開の予定。
東林院には10本あまりのナツツバキが植えられている。「平家物語」の冒頭に登場、世の儚(はかな)さを表すように、いま直径5cmほどの白い花があちこちで咲く一方、苔の上には咲き終えた花が落ちている。訪れた人たちは縁側から、その対象的なさまに見入っていた。

ゆかりの奈良・不退寺で在原業平しのぶ「業平忌」

奈良市の不退寺で5月28日、古今和歌集で知られる平安時代の歌人、在原業平の命日にあたり、業平をしのぶ法要「業平忌」が営まれた。同寺は業平が建立したと伝えられるゆかりの深い寺。この時期に毎年行われている。
同日は本堂に業平の姿を描いた掛け軸が架けられ、業平が彫ったととされる本尊の「聖観音菩薩立像(しょうかんのんぼさつりゅうぞう)」の前には、歌にも詠まれた菖蒲(しょうぶ)の花が供えられた。参列した人たちは僧侶がお経を唱える中、焼香し静かに、情熱的かつ数奇な生涯を送った業平をしのんでいた。

「SLIM」月面データから月の起源探る「カンラン石」確認

立命館大学や会津大学などの研究グループは5月27日、千葉県で開かれた学会で、今年1月に日本初の月面着陸に成功した無人探査機「SLIM」が得た月面の岩石の観測データを解析した結果、月の内部に存在し、月の起源を探るうえで重要な手掛かりになる「カンラン石」の存在を確認したことを明らかにした。
このカンラン石はかつて月の内部にあった可能性があるとして、研究グループは今後詳しい化学組成を調べるとしている。月の内部のカンラン石を分析し、地球のものと比較できれば、月は地球に別の天体が衝突して一部が飛び散ってきたとする、現在有力な説を裏付けることにもつながり、月の起源を探るうえで重要な手掛かりになると期待される。