奈良文化財研究所は4月25日、東大寺にかつて存在した東塔について調査し、解析、研究の結果を公表した。奈良時代の創建当初の塔は「相輪」と呼ばれる最上部の金属製の装飾を含めて高さがおよそ68mで、現存する木造の塔で最も高い、京都にある東寺の五重塔を13m上回る国内最大級の高さだったことが分かった。
同研究所は平成30(2018)年から東大寺などに保管されている文献、塔の土台の基壇の規模をもとに構造を解析、研究を進めてきた。その結果、今回の結論に達した。
東大寺の東塔は、西側の塔、西塔とともに奈良時代の創建当初、大仏殿の脇に東西一対で建てられていた七重塔。平安時代の焼き討ち後、鎌倉時代に再建されたが、その後、落雷で焼失した。
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国際地質学会「人新世」案を否決 15年間の議論に幕
国際学会「国際地質科学連合(IUGS)」の小委員会が、20世紀半ばからの地質時代を人類活動が地球環境に大きな影響を及ぼす「人新世(じんしんせい)」とする案を反対多数で否決したことが分かった。これにより、”人新世”是か非か、15年間におよぶ議論に幕が下りた。
人新世の案は、2023年IUGSの下部組織の作業部会が提案した。世界人口の爆発的な増加に伴い、人類活動の影響が大きくなった1950年ごろを人新世の開始時期にすべきだとした。ただ、人新世について「人類活動が地球環境に与える影響を示す貴重な言葉」としながらも、地質学上の時代分類である地質時代と認定することには複数の批判があった。
IUGSは声明で①農耕の開始や産業革命の時期など20世紀半ばよりも前から人類活動が地球環境に影響を与えていたこと②他の地質時代に比べて期間が短すぎるとの批判が内部の専門家からあったーなどを明らかにしている。